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おおきく振りかぶって

なんか今週後半からずっとやる気が出ない。仕事もだし、この間の『性悪をモテないことの免罪符として使う女子』の話書いたときみたいなエネルギーが全然ない。エネルギーというかガソリンというか…。火曜に休み取ったから体内時計が狂ったのかもしれない。



とりあえず、通勤路の地面にコーン粒が落ちていて、それがすこぶる嬉しかった話をするから読んでください。


私には朝の通勤経路が2つある。早く家を出れた日は会社の最寄りまで電車で行って南門から入る。遅い日は途中の乗り換えで降りて、東門に向かって歩く。
早く家を出れるなんてありえないから毎日東門を使っている。


駅から東門までの道中に自販機がある。その自販機は、マンションの敷地内ではあるけれど歩道に面したところに設置されている。毎朝その自販機の近くを通るとき、上品そうなおじさんがスーツで、缶のコーンスープを立ちながら飲んでいる。上品そうなだけだ。そのおじさんの横を、(どういう朝の時間の使い方なんや)という思いで毎朝通り過ぎている。

ある日、電車が遅れていつもより遅い時間に自販機の横を通ることになった。そしたらちょうど横切るくらいのタイミングで、視界の端でビュンっ!!と何かが動いた。
何かと思えばおっさんが腕をしならせながら、リーチを利用してコーンスープの缶を大きく1振りさせた、その腕の残像だった。そして何かが飛び散ったのが視認できた。

なんで??てなった直後、あぁ、中に残ったコーンを出し切りたかったんだな、と一瞬おっさんの行動に納得しかけたが、そんなことはない。残ったコーンを食べるでも無く道路にぶち撒けるのは訳が分からないし、単純に面白すぎる。
私は人の"常軌を逸した行動"が大好きだ。"常軌逸しシリーズ"として溜めているから、いずれコレクションを紹介したいと思う。



さっそくその日の仕事終わり、あの道を通ってコーン粒が散らばってるのを確認しようと思った。残業終わりで外はもう暗く、わざわざスマホのライトを付けて確認した。しかし、ギリその場所がマンションの敷地内だったためか、掃除されていてコーン粒は見つからなかった。
それからあの道を通るたびにコーン粒を確認するが、マンションの管理人の方がマメな人のようで全然コーン粒を発見出来なかった。


そして今週、仕事終わりにいつものようにコーン粒の有無を確認すると、ついにあの自販機の近くで4粒のコーンが道路に無慈悲にへばりついているのを発見した。
分かっていても嬉しかった。あんなに勢いよく振ってるんだから、そりゃ中のコーン粒を出し切ってるんだろうとは思ってたけど、その確証が無かった。ようやく吐き出されたコーン粒の行方を見届けることが出来て、安心した。

マンションの管理人さんは「なんでいつもコーン粒が散らばってるんだろ〜〜?」て思いながら掃除しているはずだ。まさかスーツのおっさんが、飲んだコーンスープの缶を腕をしならせながら振り切って、コーン粒を道に飛ばしてるなんて思いもしないだろう。
私の関与していない(管理人さんの)生活の謎を私が知ってることは、なんとも不思議な感覚だ。


まあ今週面白かったのはそれくらいかな。


てかさ、『性悪をモテないことの免罪符として使う女子』の語呂がいいなと思って、こういう律(5775)の詩あるのかなって調べたら、7775のリズムで都々逸(どどいつ)という律の詩があることを知った。都々逸坊扇歌(どどいつぼうせんか)という人が節回しを完成させたことに由来するらしい。
26文字の律だから、アルファベットを4句に分けて言えば都々逸になる。ちょっと面白い。


おわり!

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