「病は気から」の科学的根拠
最近、日中と朝晩の寒暖差が大きく、体調を崩す人も多いと思います。同じ環境で生活していても、病気になりやすい人、なりにくい人がいます。「体が強い人」「免疫力が高い人」と言ってしまえば、それまでですが、免疫力を高め、体を丈夫にするためには、ストレスを減らす、もしくはストレス耐性を高める必要があります。
「病は気から」
だれもが一度は聞いたことのあることわざだと思いますが、現在ではちゃんと科学的に根拠があるものとされています。
ストレスとコルチゾール
ストレスを感じた時には、副腎皮質よりコルチゾールと呼ばれる
ホルモンが分泌されます。
コルチゾールは、ストレスに対して「防御反応」として分泌され、怒りや闘争、逃走などの行動を行いやすくするために心拍増加、血圧上昇、骨格筋血流の増大、瞳孔散大、呼吸促進、血糖上昇などを引き起こします。
しかし、長期的に、または高頻度で繰り返し分泌されることで、交感神経の過活動から、免疫力を低下させます。
また、血糖値の上昇から、血流が悪くなり、細胞に栄養が行き渡らないことからも、免疫力を低下させます。
風邪をひきやすい人や、体調を崩しやすい人は、普段の生活のストレスを減らす工夫が必要かもしれません。
コルチゾールの分泌が過剰になることで、セロトニン、インスリン、成長ホルモンの分泌が減り、以下のようなデメリットがあります。
🔹食欲増進
🔹脂肪が蓄積しやすくなる
🔹糖尿病になりやすくなる
🔹不眠症になりやすくなる
🔹筋肉がつきにくくなる
🔹うつ病や自律神経失調症になりやすい
ストレスホルモンであるコルチゾールを減らすための方法について考えてみます。ストレスを感じやすい環境を変えることが一つの対策となりますが、それが難しい人も多いと思います。
対策の一つは栄養摂取です。バランスの良い食生活を心掛けることは
もちろんですが、それに加え、ビタミンA、ビタミンCには、コルチゾールの
分泌を抑制する効果があるので、これらが含まれている食材を意識的に取ることをお勧めします。
次に、睡眠です。
睡眠不足になると、コルチゾールの分泌を増やしてしまうので、6~8時間の睡眠が必要です。
最後に運動です。
習慣的に有酸素運動を行っている人は、ストレスを感じた時に、コルチゾールの値が、上がりにくいとの研究があります。
運動中はコルチゾールの値が一時的に上がります。身体に負荷がかかることで、筋肉を動かすために、普段よりも多くのエネルギーが必要となります。
その為に、コルチゾールを分泌し、心拍数や血圧が高くなります。しかし、運動後はコルチゾールの分泌が減少し、それを習慣的に行うことで、運動時のコルチゾールの分泌は減少し、運動後の減少量は大きくなります。それにより、ストレスに対する耐性がつき、ストレスを感じた時にも、コルチゾールの分泌を抑えることが出来ます。
ちなみに、長時間の運動を週に1回よりも、週に2、3回の有酸素運動を20分から30分程度運動を行うほうが、効果が高いことがわかっています。ストレス社会に負けないためにも、普段の生活に、運動を取り入れてみて下さい。
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