「ドラシネ」と「サマーフィルムにのって」のネタバレ映画記録、など。
お久しぶりに演技以外の推し田中俊介さんに出会えたので嬉しくて1note書きます。
「最近見た映画のおススメを語る」というテーマで、語られたのは
「子供はわかってあげない」
「オールド」
「少年の君」
「サマーフィルムにのって」
「ベイビーわるきゅーれ」
の5本がメイン。
この中でわたしが見たのは「子供は…」と「サマーフィルム…」(金曜日に駆け込みで見た)だけでした。「オールド」は、予告見て「なんか怖い」と思ったのでどうしようか迷い中です。
「ベイビー…」は来週行く予定。
阪元裕吾監督は、今年5月に見た「ある用務員」の監督。これも殺し屋の話で、ここにも女子高生二人組(俳優さんは同じ)が出ています。「ベイビー…」とは別人の設定のようですが、原型なのでしょうか。
↑の見出し写真は、この監督が2019年に撮った「最強殺し屋伝説国岡」という映画のTシャツです。写っているのは推し田中さん(出演されてます)。この作品も10/8から公開とのこと、絶対見逃さないようにしないと。
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で、ここからは金曜に見た「サマーフィルムにのって」についてのネタバレあり感想を。
高校の映画部の話です。文化祭の映画を撮るにあたって、投票の結果圧倒的多数で「きらきらキュンキュン系の恋愛もの」に決定して、絶賛撮影中の日々。でも主人公ハダシは本当は時代劇が大好きで、時代劇を撮りたくてしょうがない、といいつつ主人公を演じられる人が見つからず、悶々としているところにぴったりの青年を発見!そこで彼や周りのスタッフ含めいろんな人を説得して、自分の映画を撮ることになります。
もう、この設定そのものが楽しくて。うちの長男は高校で映画部(実際には『SF研究部』という名前でした)だったのでヒトゴトじゃない部分もあって。文化祭のシーンもあるのですが、もうここがめちゃくちゃに懐かしい!思えば、子供ふたりの高校時代(同じ学校です)にPTAの広報委員を二度も(途中3年空けて計6年)やった経験がここにきてご褒美に感じられました。確かに自分もあの中のパーツのひとつ!と思えて。
ここからもっと核心のネタバレ書きます。
映画の主人公を演じる青年が、実は未来から来た映画ファンで、未来ではハダシ監督は有名になっているのだけど初監督作品だけが残っていなくて、それを見るためにタイムトラベルしてきたという設定が途中でわかります。そして彼とその未来にいる友人が語るには、その世界にはもう「映画」というものはなくなっている、というのです。他人の長い物語を見る、読む、という文化がなくなっている、という。
でもきっと映画を未来に残すから、という話のもと、ハダシ監督はラストシーンに迷いに迷った末、作品を完成させます。文化祭ではめでたく「二本上映」となった映画部、1本目のラブストーリーは大反響、続いての時代劇、最初は馴染まなかった観客も迫真の殺陣などで引き込まれていって、いよいよラストシーン、というところで、
ハダシ監督は上映を止めます。
そこで主人公と相手役を上映中の体育館の前に呼び出して、本当のラストシーンをやり直す、と宣言するのですが…
…ここで、わたしは、「いやそれはあかんやろ」と、思ってしまいました。
それをやっていいのは「演劇」です。「映画」は、やってはいけない文化だと思っています。映像作品はいちど完成させたら「完成品」として残るべきです。演劇は、「ナマ」ですから、日々違うことが出来ます(望まなくても…笑)。
…もともと演劇派だったのでそこは譲れない。と、最後の最後で納得できない気持ちになりました。
最後は相手役ではなく、監督と主人公役の殺陣になります。小道具で使ってたようなちゃんとした刀ではなく掃除道具入れの箒やモップを武器に闘う、そのシーンは本当に素晴らしいです。ラストのカットも気持ちよかったし。
と、ここまで熱く「映画」と「演劇」について考えてしまったあたり、結局、この作品の持つ力に動かされたのだと思います。
こんな、映画の楽しみ方もあるんだなあと思った作品でした。
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金曜には「ココ・シャネル~時代と闘った女」と「戦場のメリークリスマス」も見ています。どっちもずっしりくる映画。戦メリなんて何年ぶりに見ただろう…公開が1983年?
教授とボウイの美しさに見惚れました。戦争ってなんだ、ということを今よりもずっと真剣に考えていた(ふりかえっていた?)時代。映画の中のあの価値観の狂った世界について、一生懸命考えていました。
そういえば最近邦画で戦争映画って見ませんね。(わたしだけか)
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長くなりました。すまん。
※ヘンなとこあったので一部ちょっと書き直しました。