雨水貯留量 雨水タンク 新設住宅数からシミュレーション
DIYで自宅に雨水タンク500Lをトイレ給水用途に設置した後で、掲題の件が気になったので計算しました。
最近(9月9日)、東京都が2025年4月から太陽光パネル義務化を発表しましたことも気になった理由です。
単純計算しかしていませんので、悪しからず以下の記事をご覧ください。
東京都でシミュレーションします。
東京都下水局は次の3つの経営方針をかかげています。
・「お客様の安全を守り、安心で快適な生活を支える」
・「良好な水環境と環境負荷の少ない都市の実現に貢献する」
・「最小の経費で最良のサービスを安定的に提供する」
上記の方針に沿って、雨水の貯留施設が建設されています。
法規では、以下の別記事で挙げた法律にも沿っています。
まず、東京都の貯留施設の現状です。
東京都下水道事業 経営レポート2020から、23区内の「雨水貯留施設」は56か所で総貯留量は約60万m3(立方メートル)です。
なお、お金の話では、2019年度 区部下水道事業の支出は建設費の項目で1800億円です。
以下、東京都下水道事業 経営レポート2020の全文を引用します。
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/pdf/2020report_all_2.pdf
次に、全国と東京都の新築建物の数を把握します。
政府統計の総合窓口(e-Stat)HPのデータで、最も近い項目を選び、「着工新設持ち家・分譲住宅数」を使用しました。
おおよそ、全国数の1割が東京都の数値になっていることがわかります。
2020年度の「着工新設持ち家・分譲住宅数」は、東京都 66,364戸です。
1戸に雨水タンク500Lを設置すると、年に約3万m3 の「雨水貯留施設」が新設されることになります。(=500L×66,364戸)
これは、現状の総貯留量(約60万m3)の約5%に相当します。
補助金制度を新設して、1戸に雨水タンク500Lを設置すると、30万円を補助すると、約180億円が掛かります。(=30万円×66,364戸)
このほかに、補助金制度を新設する事務費など諸費用も別に掛かります。
現状の「建設費」1800億円に対して、180億円はかなりの割合です。
また、雨水タンクが都内のどの地域に新設されるのかが把握できない難点もあります。
豪雨による浸水が予想される地域に、集中的に貯留施設を新設するのが効率的です。
ただし、年に5%の増加で、20年後には現状の総貯留量に匹敵する量が分散的ではありますが設置できます。
この新制度の効果は、何年後かにティッピングポイントを超えると急激に効果が実感されるのでしょう。
考えるべき大事な項目として、設置後に、各戸で雨水タンクの蓄雨がどのように消費されるのかも大きく関係します。
トイレ給水のように、常に使用量が見込める用途とするべきです。
だいたいの数値、多くの費用と諸問題があることが分かりました。
それにしても、東京都下水局の財政は、借金返済が大きな割合を占めていて苦しいのを知りました。
なにかしようとしても、大きな足かせとなっていますね。
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