【SPARX】ゲームでうつ病を治療?認知行動療法をゲームに!
うつ病は、気分がひどく落ち込んだり何事にも興味を持てなくなったりして強い苦痛を感じ、日常の生活に支障が現れるまでになった状態である。
うつ病の治療には主に抗うつ薬や抗不安薬を用いるのが一般的だが、精神療法、特に認知行動療法も有益な治療法の一つである。
今回はニュージーランドのオークランド大学の精神科医チームによって開発された、認知行動療法の考えに基づくロールプレイングゲームのSPARXを紹介する。
認知行動療法をゲームで体験!SPARXとは
SPARXとは?
日本では株式会社HIKARI Labが開発に携わり、2016年にアプリ「SPARX(スパークス)」がリリースされた。
自分のアバターがバランスの崩れた世界のヒーロー/ヒロインとなり世界を救う、というストーリーで物語は進んでいき、世界を救う過程で認知行動療法を学ぶ。
具体的には、リラクゼーション法、コミュニケーションスキル、アンガーマネジメント、適応的な考え方を身につける方法などについて、色々なキャラクターとのコミュニケーションを通して学ぶことができる。ゲームをプレイしながら気軽にセルフケア方法を知ることができるので、実際の生活で応用する際に、記憶に残りやすいと考えられるという。
そして、SPARXは、不安やストレス、憂鬱な気分を感じている人に役立ちえる情報を提供し、Smart(賢明で)、Positive(前向きで)、Active(活動的で)、Realistic X-factor thought(現実的な新しい考え方)を学ぶお手伝いをしてくれるという。
SPARXの流れ
1回約30分のプレイで、7つの段階を経て認知行動療法を学んでいく。
各段階のテーマは実際の認知行動療法で用いる要素を含んでいる。
各テーマは以下の通り。
洞窟の国:希望を見つける
氷の国:行動活性化
火山の国:感情のコントロール方法
山の国:問題の解決を試みる方法
沼の国:ネガティブな認知に気づく方法
橋の国:ネガティブな認知と戦う方法
渓谷の国:まとめ
認知行動療法とは?
まとめ
SPARXは認知行動療法をRPGゲームのような形でストーリー形式で学んでいくことができる画期的なゲームである。
医療知識をゲームの形で学ぶ、ゲーミフィケーション的要素も入ったSPARXは、
国連後援ザ・ワールドサミットアワード2012受賞(e-ヘルス部門および環境部門)
ユネスコNetexplo主催国際デジタルアワード2013受賞)などを受賞しており、世界的にも高く評価されている。
その一方で、ゲームで認知行動療法を学ぶ効果は実際どれほどあるのか。
また、ゲームで学ぶことが、本来ゲームが持っている「楽しさ」をどれほど担保してくれているのか。
プレイした感想としては、ゲームとしての楽しさと操作性については大きな改善が見込まれる点であると思った。
認知行動療法を学ぶという点については、ゲームを通じてその基本を理解することは可能だが、完全な治療には至らないかもしれない。
様々検討すべき項目はあるかと思うが、2013年ごろから存在するゲーム×医療の事例として、1つ参考にすべきものであることは間違いない。
現在、iOS/Androidの両方でダウンロードできるアプリなので、気になる方はぜひダウンロードして欲しい。
参考記事
SPARX公式HP:https://www.hikarilab.co.jp/work/sparx
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