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損害が増えるにつれて軍隊が弱く

『Goose Green』のシナリオ5.4、『The Airfield & Schoolhouse』をソロプレイ。

イギリス軍は相当な損害を受けたものの、アルゼンチン軍により多くの損害を与えて、グース・グリーンの村へと押し込んで、マップ上の目標をすべて占領して勝利。最終ターンまで勝敗の決まらない面白いゲームになった。

『Goose Green』の参考書として、防衛研究所の「フォークランド戦争史」Wikipediaの「グースグリーンの戦い」に大変お世話になっている。ただ、これらを読んでアルゼンチン軍がダーウィン・ヒルでの戦闘を最後に降伏したのだと思ってしまった。

であれば、ダーウィン・ヒルの後の戦闘を描くこの『The Airfield & Schoolhouse』が仮想シナリオなのかと言えば、さにあらず。『Goose Green』のヒストリカルノートと英語のWikipediaには、アルゼンチン軍は飛行場や学校、酪農場での戦いの後、翌29日に降伏したと書いてあった。

仮想シナリオと仮想じゃないシナリオで優劣があるわけではないと思いつつ、仮想じゃない方が気持ちがちょっと盛り上がってしまう。

イギリス軍の目標のひとつに「Diary」という建物があって、「日記さん」という名前の人の家なのかと思った。ルールのPDFをコピーして検索したところ、スペルは「Diary」ではなく「Dairy」で、aとiの順番が逆。読みは「ダイアリー」ではなく「デアリー」。酪農場とか乳製品製造所の意。

イギリス軍の損害の多くは、まずユニット1個を前進させて、敵がそれを撃ってきたら、それに応射する「撃たせて取る」な手法が原因。制圧射撃(SFA)で敵を黙らせてから安全に前進をしたいのはヤマヤマだけど、それでは時間が足りない。

こういう状況は、『ASL Starter Kit』をプレイしたときにもしばしば体験した。実際の戦争でもそういうものなのか、はたまた、ウォーゲームとして切り取られる状況には、そういう「時間と損害のトレードオフの見極めが大事」みたいなものが多いということか。

ゲームの後半は損害の積み上がったアルゼンチン軍が、次々とモラルチェックに失敗していく展開になった。ユニットごとの損害と、フォーメーションとしての損害が、それぞれモラルチェックに負の修整を課すTCSの特徴がうまく作用しているなと感心。

損害が増えるにつれて軍隊が弱くなっていくところは、TCSの大きな面白さだと思う。とはいえ、プレイに長時間を要するゲームでは、このルールの効能を見られるところまで進まないことが多い。

『Goose Green』はお手頃サイズだけど、お手軽サイズであるがゆえにTCSの魅力をしっかり味わえるようになってます、ということかもしれない。大変に良いと思う。

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