【ナイスセーヌ!】RTA in Japan Summer 2022で「Paris Chase」を走った振り返りと裏話
ナイスセーヌ!
この記事は、RTA in Japan Summer 2022で走った「Paris Chase」の振り返りや裏話です。記事の最後には、「Paris Chase」のお蔵入り面白チャート動画や参考動画集も掲載しています!
「Paris Chase」とは
「Paris Chase」は、2006年頃に発売された、非常にユニークなレースゲームです。パリの街を舞台に、ドラッグレースやカーバトルなど、様々な形式のストリートレースを繰り広げます。
本作最大の特徴は、「セーヌ川」や「ガソリンスタンド」を利用して、敵車両を破壊した場合でもステージクリアになる仕様です。RTAでは、次々と敵車両を破壊し、各ステージを数秒~数十秒でクリアしていきます。レースゲームでありながら、ゴールまで普通に走るステージはごく僅かとなっており、スピーディーで見応えのあるゲームです。
イベントのアーカイブは下記から観られるので、未視聴の方は是非ご視聴下さい。
応募・採用編
きっかけとなったRTA解説
最初のきっかけは、海外イベント「SGDQ2021」で本作が採用され、「Japanese Restream」のミラー配信で私が解説を務めたことです。ウケる自信はあったものの、想定以上に盛り上がり、『ナイスセーヌ!』のミームが生まれたのは嬉しい誤算でした。
せっかくなので実際に遊んでみようと、日本に発送してくれる販売店を探して個人輸入。当時、私はRTA走者でなかったので、これを誰かに託せば、国内イベントでも披露できると考えました。
「Paris Chase」披露のためRTA走者に
託せる人がいないか検討していた中、昨年の「RTA in Japan Summer 2021」放送中に『ナイスセーヌ!』とチャットされているのを見かけて、分かる人しか分からないネタ状態なのは惜しいと感じました。
放送最後に次回の開催日程が公開され、今から本気で練習すれば、応募が間に合うのではないかと思い、「Paris Chase」を披露するためRTA走者になることを決めました。
世界1位からの応募・落選 そして解説へ…
「RTA in Japan Winter 2021」の募集開始時点で世界1位タイになって応募。しかし、残念ながら落選でした。次回も視聴者として楽しもうと考えていたら、同じく「SGDQ2021」で私が解説した「Racing Pitch」が採用されており、縁あって解説として参加。そちらについては別記事にてまとめているので、良ければご覧下さい。
2度目の応募で念願の採用
「RTA in Japan Summer 2022」はオフライン開催ということで、関東在住ではないため少し迷いましたが再応募。また落選するのではないかと不安だったものの、無事に採用されて、今回のお披露目に繋がりました。
解説依頼編
「Paris Chase」は、街中でライバルたちをセーヌ川まで誘導する都合上、かなり乱数要素が強いゲームです。プレイするたびに異なる敵・一般車両の動きに対して、アドリブ対応しなければなりません。プレイしながらの解説は困難なので、誰かに解説を依頼しようと考えました。
「Paris Chase」の解説者と来て、真っ先に思いついたのはアジーンさんでした。「SGDQ2021」で解説をした際、司会進行がアジーンさんだったので、本作における相方ポジションです。解説経験も豊富で、RiJのボランティアスタッフとしても活動されているため、走者初参加の私にとって心強い存在でした。
スケジュール発表後に依頼しようと考えていたら、既に「まじかるキッズどろぴー」「ツヴァイ!!」と2件の解説依頼を受けられていましたが、快諾していただき感謝しかありません。
プレイ中、私は基本的に喋らないスタンスにして、解説内容はアジーンさんにお任せしました。とはいえ、実際に入手して遊んでもらうのが困難なので、思いつく限りの情報や小ネタをまとめた動画・テキスト資料をお渡しして、それを元に台本を作成いただいた形です。
素材提供はkamia、調理はアジーンさん、少しだけ希望を組み込んで頂いたので隠し味は再びkamiaという形になります。相撲ネタをふんだんに取り入れていたのはアジーンさんの発想です。
宣伝編
「Japanese Restream」をチェックしている方にとってはメジャーでも、一般の視聴者にとってはマイナーな本作。しっかりと宣伝をしなければ、1つ前の「たけしの挑戦状」で離脱されないか不安でした。
パワーワードを盛り込んだ宣伝ツイート
敵車両がセーヌ川に突っ込む動画を付けてツイートすれば、興味を引ける自信はあったものの、初見のインパクトを損なう諸刃の剣です。
なるべくネタバレは避けたかったので、視聴済みの人はニヤッとする。未視聴の人は意味の分からない絵面で興味を引けそうな画像を付けてツイートしました。本文にも『セーヌ川を駆使する』というパワーワードを盛り込んでいます。
「Japanese Restream」の視聴者をサポーターに
「Japanese Restream」で7月末にミラー配信されていた「ESA Summer 2022」の解説時にも宣伝を行いました。
ただし、前述したとおり「Japanese Restream」視聴者にとってはメジャータイトルなので、宣伝しなくても楽しみにしている方が大半です。そこで、視聴者兼サポーターとして、SNSでの布教や、事前のセットアップから盛り上げて欲しい。とお願いをしました。
おかげさまでセットアップ中にも沢山のチャットをいただき『お風呂RTAをしようと思ったけど気になるから視聴する』といった声も見かけ、抜群の効果を挙げた感触でした。
当日準備編
朝から東海道駆け抜けRTA
あいにくの天候で、朝から台風よりも先に会場へ着くRTAを行い入場。本番の10時間以上前から会場待機する状態でしたが、色々な方と挨拶をしたり、事前に本番PCの準備を行ったりで、あっという間に時間は過ぎ去りました。
リフレッシュレートの罠
実は、かなり不安だった本番PCへのインストール。海外製の古いゲームで、Windows 98 / ME / VISTA向けということもあって、最新PCで正常に動くのか不安しかありません。
幸いなことに、インストールはすんなり済んだのですが、プレイしてみるとアプリクラッシュが頻発。元々、たまにクラッシュするゲームでしたが、あまりの頻度に環境の問題だと確認したところ、リフレッシュレートが原因でした。
実は本作、リフレッシュレートが高いと落ちます。我が家でもゲーミングモニターではまともに遊べなかったのですが、会場のモニターも高リフレッシュレート対応でした。リフレッシュレートが高いとタイム短縮できるゲームはよく聞きますが、不具合が起こるというのも古いゲームらしいです。
本番プレイ編
初めてのRTAイベント走者参加に加えて、オフライン開催ということで緊張するかと思っていたものの、意外と落ち着いてプレイできました。1周回で最低33台の車をセーヌ川に沈める本作ですが、区間練習を含め累計10,000台以上は沈めた練習のおかげです。
記録を狙えるほどの完璧な走りではなく、程ほどにミスや一般車両の妨害は発生しましたが、多少のトラブルも撮れ高を稼げるゲームなので問題はありません。
ラジオ体操によって生まれた会場の一体感
当初、ソファ席には誰も座る予定がなかったのですが、練習中に『後ろに座ってドラッグレースのモブ役をやりたい』と提案を頂いて、複数の方に座ってもらいました。
本番では、ソファ席に座ったメンバーがラジオ体操第二の恥ずかしいポーズを再現すると、観客も同じ動きを始めて会場に一体感が発生。本来なら待ち時間でしかないムービーシーンが、オフライン開催ならではの盛り上がりに包まれました。
ナイスセーヌ最大の難関[3-2]
セーヌ川への誘導が高難度のステージ[3-2]は決めたいところでしたが、なかなか上手くいかなくて断念。「SGDQ2021」の走者さんも成功できなかったステージなので、是非とも決めたくて練習を重ねたものの、本番で披露できませんでした。
失敗しても、セーヌ川を使わないプレイが如何に冗長か体験していただけるため、良いメリハリになったとはいえ、唯一の心残りです。幻の成功パターンは、この記事の最後に動画を掲載しています。
パリクラッシュ発生!?
[3-2]の挑戦中にアプリが落ちる「パリクラッシュ」が発生したのも美味しいネタでした。前述したとおり、たまにクラッシュするゲームなので、事前に『1度くらいならクラッシュした方が面白い』と期待していたくらいです。
もちろん、走者・解説者ともに心構えができていたため、慌てることなく再起動・解説対応を行っています。
飛び込むことを祈るしかない[6-4]前編
6台の敵車両と戦うカーバトル[6-4]前編。旧チャートでは、長距離の誘導を行い、一斉にダイブさせていたのですが、半分くらいのタイムでナイスセーヌできる、発見者俺な新チャートのお披露目でした。
ここまでは、乱数をアドリブでカバーする内容だったのに対して、このステージでは敵車両が飛び込むのを祈るしかありません。お祈りエモートの使いどころです。
本番では、敵車両同士の接触が発生して失敗しそうになったものの、なんとか4台が飛び込んでクリア。続く、[6-4]後編のラスボス戦も一発で決めて、スムーズに完走しました。
実は、ラスボス戦で失敗すると6台カーバトルからやり直しになるため、絶対に失敗したくないポイントでした。
イベントに向けて練習したカメラワーク
RTAなので、可能な限り早くクリアするのは当然ですが、イベントで披露する点を意識して、カメラワークにも気をつけました。
普通にプレイすると画面外でナイスセーヌ!する中、車体の向き調整やバックミラー表示を行い、なるべくセーヌ川へ飛び込む敵車両が映るようにしています。敵車両を叩き込んだ後なので、タイムに影響はありません。
地味なアクションですが、『カメラワークも上手い』と気付かれていた方も見かけて嬉しかったです。本番のアーカイブを見直す際は、その辺りにも注目していただけると、違った切り口で楽しめるかと思います。
完走した感想
[3-2]断念パターンに加えて、他ステージでも手こずった場合に備えてのEST25分でしたが、[3-2]以外は順調に進んで余裕を持った完走。
無事に走り終えただけでなく、同時視聴者数が7万人を超えて、「ナイスセーヌ!」「セーヌ川」がTwitterのトレンドに入るなど、大満足の結果を得られました。
「Paris Chase」終了後も「ナイスセーヌ!」は感染拡大を続け、最終日になってもチャット欄で頻繁に見かけたので、作品の魅力を多くの方に伝えられたかと思います。
改めまして、ナイスセーヌ!
ご視聴、応援、ありがとうございました!
改めての自己紹介
応募までの流れからも分かるとおり、私はRTA走者としては新参者で、普段はゲームに関するブログ運営や、海外イベントのRTA解説・司会進行をメインに活動しています。
よろしければ、ブログやTwitterもチェックしていただけると幸いです。
RTA / speedrun関連のアーカイブ
過去に参加したRTA/speedrun関連のアーカイブ一覧です。JapaneseRestreamの解説では、「Paris Chase」のように一風変わったタイトルを中心に解説しています。