大画面映え!「ノープ(NOPE)」
トレイラー等の情報から、宇宙からやってきた何かに、田舎の人々が襲われるストーリーを想像していましたが、冒頭いきなりテレビショーでの惨劇らしきものから始まる変化球っぷりがさすがジョーダン・ピールといったところでしょうか。
ゲット・アウト、アスと見てきましたが、個人的には本作が一番好きになりました。
ダニエル・カルーヤ演じる兄の静かな雰囲気と、キキ・パーマー演じるにぎやかでバイタリティ溢れる妹のやりとりがとても良かった。普段は言い合っていてもいざという時はお互いを思いやる絆と、やる時はやる行動力が映画を引っ張っていました。
ザ・超常現象として登場する空飛ぶ円盤も、序盤こそいるのかな、いないのかな、位の存在感ですが、その行動原理が明らかになってくるにつれ、動きや個性的なデザインなど、とても魅力的に感じました。
正体は最近読んだ漫画に似たようなやつがいたので、あまり驚きませんでしたが。
本作はとにかく撮影が素晴らしく、クリストファー・ノーラン作品でお馴染みのホイテ・ヴァン・ホイテマが撮影監督を務めており、綺麗な夜のシーン、広い牧場を馬で駆けるシーンなど、映画館で見て良かったと思えるカットが満載でした。IMAXカメラで撮影しているらしいので、IMAX上映で見れる地域の方は、ぜひそちらで楽しんでほしいところです。私は近くに無いのでせめて初日の大きめな箱で見るのです。
パンフレットは最近安定価格の880円。インタビュー、ライナーノート、ちょっと寓意が分かりにくかった劇中のある事件の解説等、副読本として過不足ない出来でした。
ホラー的な宣伝はされていますが、前作アス等と比べても、凄惨なシーンはあるものの、怖さより好奇心を刺激される内容でした。年齢制限もG区分で、直接的に痛いシーンはありませんので、SF好きな方にもおすすめできる作品だと思います。