狂気のスポ根ボート部映画「ノーヴィス」
試写会で鑑賞してかなりの衝撃を受けましたので早めの紹介記事になります。
11月1日公開の作品ですので、なるべくネタバレは避けますが、とはいえストーリーの紹介はしますのでネタバレあり記事にしています。
「エスター」のイザベル・ファーマンのファンの方でしたら必見の映画だと思います。
舞台は大学のボート部。努力家の主人公、アレックス・ダルは入部早々レギュラーの座を目指して毎日練習に打ち込むが、その様子は日に日に狂気を帯びてきて……。
失禁して、手を血まみれになりながら、しかも精神的に追い詰められて自傷行為をしながらもトップを目指すアレックスの様子がとにかく怖い、怖いけど目が離せない映像美。中盤まで時折挟まれるパーティなどの華やかなシーンもあるだけに、終盤愛や友情を捨ててボート競技にのめり込むアレックスの凄まじさが際立ちます。
本作では、相手を蹴落とすような怖さはなく、実はかなりストイックな主人公を描いている作品です。巨人の星の星飛雄馬みたい、といえばいいでしょうか。なのにこんなに怖さを感じるのは、その描き方なのか、女性だからそう感じてしまうのか、時代なのか……。見た人と語り合いたくなる部分です。
そしてもう一つ語りたくなるのが、クライマックスとその結末。あれは結構びっくりしましたが、監督もボート部出身ということで、経験に基づく結末なのかなあ、と思ったりしました。
ちょうど前の週に実写化、ドラマ化もされた「がんばっていきまっしょい」のアニメも公開され、これも女子ボート部を舞台にした作品だけに、2021年公開の本作がぶつけられたのでは、と邪推していますが、絶対こちらは裏「がんばっていきまっしょい」になると思っています。
もしどちらも鑑賞された人がいたら、その感想も聞きたいものです。