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受験生の子を持つ親御さん必見「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」

青春ブタ野郎シリーズは原作未読、TVアニメも配信で後追いした組です。また、劇場版である前作「ゆめみる少女の夢を見ない」も、近くの劇場での上映がなかったため、公開時の評判を歯軋りしながら眺めつつ、後日配信で鑑賞。まんまと号泣していました。

そんな鑑賞歴で挑んだ本作。物語はゆめみる〜直後、年が明けて1月からスタートしました。

青春ブタ野郎シリーズの特徴は、「思春期症候群」と言われるその年齢固有のSF的症状が顕現することで、通常の物理現象を超えた事態が発生し、それを主人公である主人公である梓川咲太が解決していく、というもので、今までも透明化やタイムループ、ドッペルゲンガーなどを解決していました。
本作のメインヒロインである花楓も、心の傷が体に刻まれるという思春期症候群を発症したことに加え、TV版の最終エピソードまでは、別人格である「かえで」と入れ替わっており、2年間の記憶がない状態です。

そんな花楓が中学卒業を前に、志望校をどうするか、ということが本作のストーリーで、思春期症候群も他の症状に比べると、内的な側面が強いため、不登校の少女が、自分のために進路を見つけるという、結構真面目な、悪くいうとシリーズとしては地味な展開になっていました。

ただその分、花楓の心象描写や、咲太のかえでと花楓への想いについての描写などは丁寧に描かれていました。また、映画ならではの音響もすばらしく、会話シーンの多い作品でしたが、最後までだれるようなことなありませんでした。
何より花楓の気持ちに寄り添い、彼女にとって最善とは何か、を突き詰めて書かれたシナリオが素晴らしく、その過程で出会った豊島のどかの同僚とのやりとりなど、高校進学を控えた子供がいる身としても、色々考えさせられる内容でした。

初週の入場特典はミニ小説「青春ブタ野郎はアニマルランドの夢を見る」。本編の後日談が語られており、鑑賞後の余韻に浸れます。

本シリーズを劇場で鑑賞するのは初めてで、またTVシリーズ3話分くらいのコンパクトな内容でしたが、個人的には映画館で見ることができて満足できる作品でした。エンドロールは定番の「不可思議のカルテ」ですが、本作ではかえでと花楓のデュエットになっており、これは本当に衝撃的なサウンドになっていましたので、気になる方は是非劇場で確かめてほしいところです。


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