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名古屋弁の絶滅を危惧する

名古屋弁が消えかけているかもしれない。

義妹の33才の息子(私にとっては甥っ子)が、”やぐい” という言葉を知らなかったそうな。名古屋弁で弱いとか脆いという意味だ。人間のフィジカルやメンタルの弱さを指すのではなく、家とか建具とか家具に対して使う。もっと意味を絞ると、それらに使用されている材料の弱さよりも、構造的な弱さを表すように思う。例えば筋交いが足りないとか、ホゾ組みが甘い時に「やっぐいなー」と言うのが相応しい。

今年65才の私や、年近の細君は普通に使っているが、三十路に入ったうちの娘も知らなかったことから、死語になりつつあると思われる。

振り返れば、19才で東京に出て名古屋弁を捨てた(?)私ではあるが、絶滅するとなれば忍びなく、記録しておかねばと思う次第。かつて確かに存在していた古き(良き?)名古屋弁を思いつくまま列挙してみる。ここに書く名古屋弁は、我々の世代でもほぼ使うことはなく、我々の親世代が話していたのを聞き覚えているといったレベルの古さ加減です。

左に名古屋弁をひらがなで。⇒ 標準語訳です。かなりの難問でしょ。

①. やらなかんのにやらなんだ ⇒ やらなきゃいけないのにやらなかった。

②. あいさにはさがってまった ⇒間に挟まってしまった。

③. よーかんこーしやーよ ⇒よく工夫しなさい。

④. もーやーこであそびゃー ⇒替わりばんこで遊びなさい。

⑤. だだくさにしたらかんに ⇒粗末に扱っちゃダメよ。

⑥. かづけとってかんがや ⇒人のせいにしてちゃいけないぞ!

⑦. ちょーらかさんとって ⇒からかわないでよ。

⑧. おそがいがね ⇒怖いよー!

⑨. ぼっさ ⇒ボッロボロ!

⑩. そんなんあらすか ⇒そんなことあり得ないよ。

"Dr スランプアラレちゃん" に出ていた ニコチャン大王は、このレベルの名古屋弁を使いこなしていました。舘ひろしは多分判るだろうけど、岩田剛典君やキンプリの平野君は「何言ってんの?」ってなるだろうな。

< 了 >

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