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【警告】何でも早期の対処が一番コストを抑えられる
病気や建物など放っておくと症状が悪化してしまうものは、初期の段階で処置しておくことが一番コストを抑えることができる、という話
昨日の現場調査でのこと。
とあるビルのオーナー様からのご相談で鉄製のドアが不具合を起こしているとのことで伺った。できれば簡単なメンテナンスで処置してほしいというご要望であったが、その判断は現地を確認してからと伝えていた。
現地到着後、さっそく問題のドアを拝見したところレベル的には「即交換」。修理やメンテナンスでどうにかなる不具合ではなく、各所が錆びていて腐食が進み何度か開閉すればドアごとはずれてしまうおそれがある。
丁寧に現状を説明し、まずは交換でお見積りを提出して検討していただくことになった。
仕事を依頼する立場の場合、できれば低コストで処置できることを望む気持ちは理解できる。わたしも選択肢があれば「松・竹・梅」のレベル別のプランで提示したいと思っている。
だが、往々にしてご相談をいただく時点で何かしらの不具合が起きているケースが多く、修理で処置できる程度で問い合わせをする人は少ない。
根底に「お金をかけたくない」という心理があるからだと思うが、実は一番お金がかからないのは、何も起きていない時点で予防のメンテナンスを施すことなのだ。
体の健康でいうと、予防医療の一次予防にあたる。日々の生活を心身健康に保つよう心掛け、定期的な検診などのケアに注力する、という姿勢。
未然に病気になることを防ぎ、万が一病気が発症したとしても早期に対処できるゆえ重篤化しにくい。
とまあ、こんな模範的な生活や考え方の人は稀であり、建物の維持にしたって同じようなものである。ただどちらも確実に言えるのは「放っておくと手の施しようがなくなる」という点である。
わたしはここ数年、ながい不摂生な生活が原因で健康を害する症状があちこち出ている。幸いなことに命にかかわるほどの病気やケガには至っていないが、それでも10年前に比べれば病院に通う頻度は各段に上がった。
どの症状も生活の改善や日帰り手術ていどで回復したが、意識としてはいかに一次予防が大切かということを思い知らされている。
放っておいた場合の医療費も心配だが、何より気がついたときに治療の選択肢が限られしまうことは悔やんでも悔やみきれないだろうと思うのだ。
冒頭のビルのドアにかんしていえば、症状としては「即手術」である。使用年数てきに交換が妥当ではあるが、定期的にメンテナンスを施していれば、もう少しコストをおさえた選択肢がいくつかあっただろう。
何でも定期的なメンテナンスと早期対処が大事。そんなこと頭ではわかっているが、なかなかできないのが悩ましいところ。
長期的な視点でコストをとらえ、計画的な維持管理を実行することがもっとも負担が軽い