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【相手の気持ち】苦しいときの経験はその後の姿勢として糧にする
商売において、相手先の状況をどれだけ推測するかで自社の立ち位置が確立する。それは自身の苦しい経験から学ぶもの、という話
今年も残すところあとわずか。今日が仕事納めの会社も多いだろう。
明日は土曜でそこから年末年始の休みになる機関も多いことから、会社の処理は今日までだ。
そんな状況の中、毎年二極化するのが「入金」である。
月末振り込み、というルールだと年末のようなイレギュラーな月末だと、その前に振り込んでくれる会社と、ルールを忠実に(月末は休みだからという理由で)年始にまたぐ会社とがある。
弊社の取引先だと半々なのだが、なにかと物入りの時期に入金が遅れるのは正直ツライ。
わたしは自身が苦労していた時期に年末の入金がなく暗い気持ちなった経験から、資金が乏しくとも無理をして相手先には早めに入金するようにしている。
商売においてお金のやり取りは信用に直結する。
金払いの良し悪しがその後の関係性に大きく影響するゆえ、払うものはキッチリと期日に払うというのが鉄則だ。
相手のことを想えば、その期日が休みとあればその前に支払っておくことで「この会社の仕事は優先しよう」という気持ちになるもの。
わたしは顧客の優先度ランクを毎年更新しているが、その項目にも「信用度」という名目で金払いの状況を加味している。
与信管理などもしているおかげか、わたしが経営者になってからは支払いから逃げられた経験はないが、それでも末端の建設業界特有のガサツな資金繰りと思わせる会社は少なくない。
商売をしていれば苦しい時期というのはあると思うのだが、そんなときに利己的になるか利他的になるか経営者の人間性がめくれると思のだ。
自分さえよければいい、という考え方は商売にそのまま影響する。一時的にうまくいってもそのうち必ずシワ寄せが及ぶもの。
商売の根本が利他の精神であるように、相手のことをどれだけ想像できるかが長期的な繁栄の秘訣ではないだろうか?
このあとすべての入金を終え、明日は軽い掃除をして仕事納め。
身も心も軽くして今年が終えられる感謝は苦い経験があってこそ感じられるささやかな感情かもしれない。
相手のことを慮る姿勢が商売にそのまま影響する。してもらった計らいはそのまま自身の姿勢としての教訓にする