【資金繰り】売上げを伸ばすのも大事だけどその前にできる「簡単」なこと
昨日の投稿で会社間の取引きによる支払いサイトについて触れた。
この支払いサイト、商売によっては資金繰りにさほど影響を受けない業態もあるが、法人相手の商売であるとそのサイトの長さで雲泥の差が出てしまうのだ。
建設業などの取引金額が大きい業界であるとその支払いサイトが数ヵ月におよぶこともあり、たとえ数億円の仕事を請負ったからといってその支払いが半年後なんてことはザラである。
その間にも従業員の給与、仕入先への支払いなどお金は否応なしに出ていくのだ。つなぎの資金を持ち合わせていればいいが、弊社のような零細企業では振り込みを待たずして倒産、なんてこともあり得るはなし。
ここまで極端な例ではないまでも、支払いサイトは「回収は早く、支払いは遅く」が鉄則である。
どんなに売上げを上げたところで現金化されないことには話にならない。売掛金や小切手、手形といった現金化されるまでに時間のラグがある場合、そのラグは短いに越したことはないのだ。
逆に仕入先や提携業者への支払いに関しては1日でも遅い方が有利であり、その業界の商慣習にもよると思うが、もしも自社の支払いサイトが短く(30日など)現状が厳しいのであれば、ダメ元で交渉してみるという手段を考えてみるといい。
自社のことを大事な相手先と考えてくれている会社なら即承諾、とはいかないまでも検討ぐらいはしてくれるだろう。
私も父から会社を引き継いだ当初は、古い慣習による極端に短く、現在の業界のルールより数日前倒しに支払うようなサイトで固定されており、工事代金を回収してもなお、毎月の支払いがカツカツで不足していることもよくあったのだ。
そこで、支払先には伸ばしてもらうよう働きかけ、回収先にはなるべく早めの振り込みをお願いして、数年かけてなんとか今のような割と長い支払いサイトへ条件変更を達成させたのである。
その間、コストこそかけなかったが、何度も頭を下げてお願いし、そのお願い先にメリットを感じてもらえるような売上げの向上を目指した。
そして今感じるのは支払いのサイトが変わるだけで資金繰りがこんなにラクになるのかという感覚だ。
劇的に経営がラクになるというわけではないが、お金をかけずにできる手段のひとつということは間違いない。
もしも毎月手元にお金が残らず疲弊しているのなら、ダメ元で頭を下げてみることを考えてみて欲しい。
少なくとも月末に悪夢でうなされる機会は激減すると思うのだ。