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添木のようなサポートが零細企業には必要

自社ですべてを賄うことがむずかしい零細企業。コストを抑えるということに躍起になり自力で頑張るが、という話

3ヵ月ぶりにぐっすりと朝まで眠れた。

睡眠の妨げになっていたのはストレスではなく、夜中から明け方にかけて症状が出る、手のしびれによるものだ。

去年の12月頃から発症し、しびれがひどくなり、夜中に何度も起きる状態が続いたことから年始早々、整形外科に駆け込んだ。

診断結果は軽度の手根管症候群。

手首の中にある手根管というトンネルの中で、そこを通る神経が圧迫され起こる現象だ。夜中から明け方に出やすいのは、体内の水分の関係で、日中重力によって体の下半身に集中している水分が、睡眠時に横になることで手に戻った水分で神経がむくみ、しびれが出やすいそうだ。

そして、睡眠時は手首を折り曲げたり、圧迫する体制にもなりやすくしびれがひどくなるといった具合なのだ。

手がしびれたぐらいで眠れなくなるのか?とお思いだろうが、長時間正座をした際に起こる立てない程の足のしびれが手の先に集中し続けるとしたら朝まで熟睡していられるだろうか。

とはいえ、軽度ということもあり、今は薬による治療中で、就寝前に飲む薬によってだいぶ緩和はされているが、熟睡できるほどではなかったのだ。

そんな状況が長く続く私を心配して、先日妻が買って渡してくれた手のしびれを改善する本の中に「就寝時、専用の装具(サポーター)で固定するといい」という記述があった。

早速アマゾンで良さそうなものをポチって、届いたものを装着して就寝したのが昨夜のことだ。

その感想が冒頭の3ヵ月ぶりに朝までぐっすりと眠れた、というわけだ。

完治したわけではないが、サポートをしただけでかなり緩和されたことが嬉しく、睡眠に集中できたことでその日1日がエネルギッシュに活動できることがありがたかった。

その日の午後、とある新規の業務委託先と打ち合わせをしている際に、先方から出た言葉がリンクした。

「御社の苦手な領域をサポートし、事業に集中していただく環境の手助けをします」

思えば零細企業を引き継いだ頃、手持ち資金に余裕がなかったことや、売上げがガタ落ちしていた経緯もあり、コストを抑えるために自前で何でもこなしていた時期がある。

専門分野でもなければ得意分野でもない領域の仕事は、生産性も上がらず残業や休日出勤でカバーしていた。その当時はまったく利益が出ていないにもかかわらず、そういった理由から体は忙しく、自由な時間などほとんどなかった記憶がある。

そんな調子では事業に集中できない分、売上げも上がらず、その他の改善面においても施策が打てるわけがない。

少しでも時間と労力を確保して改善に努めねば、ということでタスクを少しずつ外注化することで事業に集中する環境を整えてきた。

一つ一つのサービスが添木のようなサポートとなり、自前のリソースが乏しい弊社のような零細企業はやっと一人前の会社の面構えをなすのだ。

今では調べれば外注化にコストをかけることはほとんどない。数万円のコストを支払っても、事業に集中できればすぐにそれ以上の成果につながるだろう。

自社の弱さを認識し、まわりのサポートを得ることで前に進めるのならいいではないか。愚行なのは意固地になり、少ない資金を死守して、自分の首を絞めるような経営を続けることだと思うのだ。

専門外の会社のまつわる仕事はその分野の方にお任せしてしまおう。自社は本業で利益を出すことに集中すべし