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商売での忍耐ってどのくらいの間を耐え忍ぶことを指すのだろうか?

対象顧客を考えたとき、理想の顧客層で仕事がいっぱいに埋まるまでは忍耐が必要、という話

昨日の投稿後、帰宅の準備をそそくさとしてたところに、ある同業者の方から電話をいただいた。話は脱線するが、なぜかこの帰宅前のタイミングで人に捕まることが多い。確実に電話に出る時間と認識されているせいもあるのだろうが、大抵その後、1時間から長いときで2時間近くにおよぶ、世間話と見せかけてのお悩み相談が展開されるのだ。

昨日の電話もやはり商売のことで、「こんなビジネスプランを考えているんだけどどう思う?」がテーマであった。

詳しい内容は割愛するが、ザックリいうと現在の事業の調子があまりよろしくないようで、ある資材メーカーと協力して新規市場を開拓していく、といった内容。

新しいことにチャレンジするのはいいことだ。私なんかが口を挟むようなことではないこともあり「いいじゃん!」をやたらと連発していた。正直アドバイスや意見もなくはなかったが、この手の話を聞いていていつも思うのが、とりあえずやってから悩みましょう、ということ。

一つ気になることがあるとすれば、その方が狙っている市場は、現在の事業で対象にしている顧客層と異なる点だ。今の顧客からスライドしたり、そこを起点にして横に展開するなど、ピボットしたプランであれば、軌道に乗るまでの期間はそれほど長くないと想像できるが、まったく別の顧客層にアプローチするとなると、地道な認知活動を一定期間行う必要が出てくるので、忍耐力が必要になるのだ。

決してその方に忍耐力がない、と言っているのではなく、その顧客層の入れ替えが完了して、事業として成り立つまでの期間をどれくらいの長さとして想定しているか?ということである。

大概の場合、新しい取り組みに対して、半年から1年程度で芽が出るという計算をしている方が多い。なにより以前の私がそうだったので、気持ちはよ~くわかるのだ。そして心が折れては次!と何度忍耐力のなさによって機会損失してきたかわからない。

現状の資金繰りがピンチであれば焦る気持ちもわからなくはないが、市場を捉えるとき、顧客はその会社の経済状況など選択基準の内容には含めていないのだ。

時間の感覚として入れ替わりが完了するまでの期間はおよそ3年から5年と私は考えている。ビジネスプランや扱う商材、その人の行動力にもよってその辺は変わってくるが、大体そんなものだと思う。

この3年から5年を想定していない人がほとんどであるため、見えないゴールに絶望し、1年足らずでプロジェクトがポシャってしまうケースが定番化している。

今回の話では、そもそも動く前の段階であるゆえ、その相談にも「いいじゃん!」を連発してその気にさせることが、まず第一歩かと思ったのだ。やってみなければ見えない要素が多いのが新規事業である。

そのプランが良かろうが悪かろうが、その手から放たれてやっとその真価が問える。メーカーの後押しがあるのならなおのこと、自分を調子に乗らせてやってしまってみた方がいい。どちらに転がっても経験値になるだろうし。

危惧するのは今日話したテンションが今回の事業のピークにならないよう、そこだけは避けてもらいたい。2時間におよぶ演説を聞かされた方としての率直な感想である。

新しい取り組みが形あるものになるまでは数年の期間を要するという感覚を持つといい


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