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【ご法度】業界のタブーをやぶった男

商売において、信用や信頼を軽んじることはどこの業界でもタブー。利己にばかり意識が向いているようでは生きてはいけない、という話

「石山さん、この度独立することになりました!でかい仕事を沢山まわせそうなので今後ともよろしくお願いいたします!」



先日ある方からいただいた電話の内容だが、この後彼は以前いた会社(弊社の取引先)の悪口を10分ほど吐き出して電話を切った。



この手の独立話や転職話は度々あるのだが、いい辞めな方ではない場合も多く、彼の場合はその最たるケースだった。

口のうまい彼はまわり業者をそそのかし、引き抜いたかと思えば以前いた会社の顧客にも好条件を提示して一部奪ってしまった。



口車にのせられるような業者や取引先もどうかと思うが、狭い業界でご法度とされる“商流飛ばし”や“業者の引き抜き”というタブーをおかしてその後の商売が軌道に乗るということは考えにくい。

法人の取引きとして、契約書を交わすケースもあるが、末端の建設業界では口約束から関係が始まるケースも多い。

いずれにせよ、そこで担保されるのは信用であり、上記のような禁じ手を使うような会社であれば信用には値しない。



今までもこのようなケースで自分の利益ばかり考えてスタートした起業や転職というアクションを起こした人を見てきたが、その後成長したという話を耳にしないことからうまくいかなかったのだろう。

商売においての核となる信用を軽んじる人と取引きをしたい会社や顧客などいるわけもないし、ベクトルが自分に向いている間は何をやってもうまくいかないと思うのだ。



営業力やビジネスモデルなど、表面的に会社を成長させる方法はいくらでもあるが、それを扱う人の人間性が最後にはものを言う。

冒頭の電話に対しては一方的だったこともあり適当に受け流したが、電話を切ったあと、わたしはひっそりと彼の番号を消去した。

人間性という器の上にテクニカルな方法が乗っかる。人が嫌がることをして儲かる商売は詐欺くらい


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