見出し画像

【共に学び、共に成長】地域企業の未来を変える戦略人事 『金沢戦略人事の会』 とは

こんにちは。
金沢の人事部です。

経営者の代替わりや人材に関する課題を解決するため、
複数社で中長期経営戦略と連携した人事戦略を策定・共同実施するプログラム『金沢戦略人事の会』。

半年にわたり5回×3時間のプログラムと決して軽いとは言い難い内容でしたが、
5段階中4.6と非常に高い満足度を得ることができました。

・なぜ、そんなにも満足度が高かったのか。
・今、戦略人事が必要とされる背景とは。
・金沢戦略人事の会とは、何なのか。
本記事では、これらについて詳しくお伝えします。

※本プログラムは、令和5年度「中小企業経営支援等対策費補助金(若者人材確保プロジェクトの実証)」に採択されました。第1回目である令和5年度は、金沢の主幹産業の1つである食文化を担う、金沢市に拠点を持つ企業の経営者、跡継ぎ又は跡継ぎ候補を対象としてプログラムを実施しています。

過去開催された『令和5年度金沢戦略人事の会』の詳細はこちらをご覧ください。


戦略人事とは

経営戦略と連動した人事戦略を策定・実行し、企業の成長を支える役割を担う人事のことです。

従来の人事は、管理人事(採用・評価・労務管理)など、事業を維持・効率化するなど業務が中心でした。しかし、戦略人事には、『人材』を重要な『経営資源』として捉え、人材を最大限に活用する視点が求められます。 

なぜ今、戦略人事が重要なのか

現在企業を取り巻く環境が急激に変化し、従来の管理人事では対応しきれない課題が増えています。

こうした状況下では、管理業務にとどまらない人事。
つまり、企業の成長や競争優位性を実現するため、
中長期的な視点で人事面から経営戦略に介入する【戦略的な人事】への
シフトが重要となります。

具体的には、以下の6つの理由が挙げられます。
1.VUCAの時代における環境変化
2. 人材不足と競争激化
3. デジタル化・技術革新
4. 従業員の多様化と価値観の変化
5. 経営と人事の連動
6. 企業の持続可能性とウェルビーイングの促進  

※1…Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字をとった言葉で予測困難な状況を意味します。
※2…組織や企業における従業員の愛着や信頼感、貢献意欲を指します。
※3…新たなスキルや役割に対応できるよう教育やトレーニングを行なうことです。
※4…スキル向上を意味し、既存の職務でさらなる成長を目指すために、新たな知識・スキルを習得することです。

このように戦略人事は、経営の一部として企業の成長を人材面から支援する重要な役割を担っています。変化と競争が激化する時代において、戦略人事の取り組みが企業の未来を左右するカギとなります。

特に注目すべきは、【経営と人事の連動】です。
企業の理念・ミッション・ビジョン・バリューに共感した自ら主体的に動ける人材が集まり、育成され、エンゲージメントが高まることで、持続的な企業価値の向上へとつながります。

戦略人事の成功事例

経営戦略に連携した人事戦略と、その人事戦略に沿った人事アクションプランを実行した成功事例をいくつかご紹介します。 

地域企業同士で学び・考え合える金沢戦略人事の会とは

では、経営戦略に連携した効果的な人事アクションプランを策定するにはどうすべきか。その解決策の一つとして、『金沢戦略人事の会』をおすすめします。

本プログラムは、
地域企業同士が『戦略人事』を学び、議論しながら実践につなげる、
約半年間・全5回(各回3時間)にわたる取り組みです。

金沢戦略人事の会は、令和5年度「金沢の人事部」事業の一環としてスタート。戦略人事に取り組む中小企業のためのモデルケースとして実績が評価され、九州経済産業局主催の『地域の人事部推進セミナー』に登壇しています。

※令和5年度は、経済産業省の「中小企業経営支援等対策費補助金(若者人材確保プロジェクトの実証)」に、令和6年度は経済産業省の「地域の中堅・中核企業の経営力向上支援事業補助金」に採択されています。

金沢戦略人事の会のゴールは、
経営戦略に連携した人事戦略の実現に向けて、
地域の企業同士でともに学び、意見し合い、
・人や組織に対する考え方の方針となる人事ポリシーの言語化
・人事ポリシーに沿った人事アクションプランの策定

をすること。

ポイントは、
経営戦略】と【人事戦略および、人事アクションプラン】が連動をすることです。

従来では、
経営戦略(社長や役員) ⇒ 人事戦略および人事アクションプラン(人事部)
というように、経営戦略(社長や役員)から人事アクションプラン(人事部)へと指示が下り、経営戦略を実現するために人事アクションプランを策定・実行するという流れが一般的でした。

しかし、この手法では先述の通り、企業や個人を取り巻く変化のスピードに追いつけず、経営戦略と人事アクションプランの間に大きなギャップが生じることが多々あります。

このギャップを埋めるためには、
経営戦略(社長や役員) ⇔ 人事戦略および人事アクションプラン(人事部)
というように、対等な立場で連動し、双方向で意見を交換しながら進めることが必須。

人事アクションプランが経営戦略に矛盾していないか確認するだけでなく、
人事の視点から経営戦略に対して
積極的に提言できる仕組みを構築することが、

持続的な企業価値の向上に必要な体制と考えています。

ー実績1|5段階中4.6と非常に高い満足度

初の実施となった令和5年度は、金沢の老舗食品企業4社が参加。
全5回のプログラムを通して、議論した結果、
『自社の仕事・働き方を学生に魅力的に伝えたいが、上手くできていない』という共通の課題に着目。

共同テーマ「働きたいと思ってもらうための会社の魅せ方」
実施内容「今年度実施スモールアクション」を策定し、人事アクションプランを共同で実施しました。
 
自社の強みや課題発見を目的とした『会社見学会&社員座談会』の実施
学生に自社の強みを伝える実践の場として、『金沢のおいしい会社とはたらくを語る、学生との交流イベント』も実現しました。

さらに、同じ金沢市という地域で戦略人事に取り組む企業が増えていくことを願い、2024年1月22日に「金沢戦略人事宣言」を締結。

これは、金沢の文化を担う人材がより魅力的な環境で働くことができるよう、複数社で協力し切磋琢磨すること。戦略人事を探究し、人材の採用・育成・定着に取り組むことを誓うものです。

ご参加いただいた企業様アンケートでは、5段階中4.6と非常に高い満足度を得ています。(※令和5年度金沢戦略人事の会 キックオフから第5回までの計6回平均値)
  
参加者の声

・行動指針はあったけど、言葉だけになってしまっていたので、改めたい。
・人事アクションプランに向き合っていたら、経営理念をブラッシュアップしたいと感じた。
・同業者と交流ができ、新たなコミュニティができた。また参加者同士で取り繕わず課題や悩みについて共有できた。
・人事交流の場として共同実施ができ、社員が新たな気付き得ることができた。
・組織を構成する「人」について、時間をとって考えるきっかけになった。
・経営理念についてまとめていく上で、頭の整理ができた。
・各社意見を交換しながらでき、また自社のことも伝えることができ、色々な視点で議論できたことが満足です。
・自社だけでは考えられない内容を考える時間をいただけていること、他の方からも意見を頂けて有難かったです。ヒーローインタビューがあったことで、10年後の未来を想像することができてワクワクしました!
・会社の課題に向き合う時間は1人ではなかなかとれないので、有難い機会でした。

ー実績2|九州経済産業省のセミナーで登壇

戦略人事の会を通じて、地域における先駆的なモデル事例を創出。

その実績が評価され、
運営元である株式会社ガクトラボのコーディネーターが、
九州経済産業局主催の『地域の人事部推進セミナー』に登壇し、
地域の人事部 実践キーパーソンとして、取り組みをご紹介しました。

金沢戦略人事の会にご興味がある方はこちらのフォームにお問い合わせください。

金沢戦略人事の会で得られること

金沢戦略人事の会のプログラムに参加するメリットは大きく7つあります。

ー人事ポリシーと人事アクションプランの言語化

人事戦略を考える前に、まず考えるべきなのが『人事ポリシー(人と組織の大事にしたい考え方)』です。

『人事ポリシー』とは、人事アクションプランの基盤となる指針であり、企業が大切に大事にする経営理念やパーパス(存在意義)をもとに策定します。

人事課題の解決に取り組む前に、“自社がどうありたいか”、“社員の皆さんにどうなってほしいか”、経営理念・人事ポリシーを言語化し、明確にすることが重要です。経営理念に沿って人事ポリシーを決めることで、目指すべき方向に対して一貫性のある人事アクションプランを検討することができます。

ー試しにくい人事アクションもサンプル数を確保

複数社で行う最大のメリットは、コスト削減だけでなく、
多くの他社事例を知れる点です。

たとえば『多様な働き方の整備』を考える場合、フルフレックスやリモートワーク、ワーケーション、副業容認など選択肢は多岐にわたります。自社に最適な制度や適用対象を判断するには、具体的な情報や事例が不可欠。

複数社で情報交換することで、導入制度の実績やメリット・デメリットを一度に把握でき、検討の材料を効率的に集められます。

ーコーディネーターの伴走支援

プログラム期間中は、各回終了後にワークに取り組んでいただきます。その過程で、コーディネーターが壁打ち役となり、人事ポリシーや人事アクションプランの策定をサポート。アイデアの整理や新たな視点の提供を通じて、参加企業の思考を深めるお手伝いをします。

また、相談役としてのコーディネーターの存在が、自社の強みや大切にすべき価値に気づくきっかけとなり、人事ポリシーや人事アクションプランの改善やブラッシュアップにもつながります。

ー気づきの促進

社内だけで考えていると視野が狭くなりがちですが、他社と対話することで考えが整理され、外部の視点からのフィードバックを受けることで新たな発見につながります。また、他社の事例や意見を知ることで、これまで気づかなかった視点を得る機会が生まれます。

ー人事課題について相談できるコミュニティの創出

人事に関するお悩みは、なかなか相談できる相手がいないですよね。そこで本プログラムでは参加前に守秘義務契約を交わすことで、安心して人事課題についてお話しできる環境を整えています。クローズドなコミュニティだからこそ、心理的安全性が確保され、外部の知見も取り入れやすくなります。

また、ミーティング以外でもチャットツールを活用し、プログラム期間中は日常的に意見交換が可能です。専任の人事担当者がいない中小企業にとって、人事について共に考え、支え合う仲間ができることで、試行錯誤の中で感じる孤独感を解消します。

ーピアプレッシャー

改めて経営理念やビジョンを見つめ直し、人事ポリシーや人事アクションを言語化するのは、決して簡単ではありません。しかし、周囲が積極的に取り組んでいる姿を見ることで、「自分もやらなければ」と自然と行動を促されます。強制ではなく、互いに刺激を受けながら前向きに取り組む環境が生まれるため、目的達成へとつながります。

ー高いコストパフォーマンス

人事ポリシーや人事アクションプランの策定を専門のコンサルタントに依頼すると、数十万〜数百万円の費用がかかることが一般的です。

しかし、「金沢戦略人事の会」では、複数社が合同で取り組むことで、25万円〜という比較的低コストで実施が可能。費用を抑えつつ、実践的な学びと具体的な戦略策定ができるため、コストパフォーマンスに優れたプログラムとなっています。

金沢戦略人事の会に参加してみたい方はこちらのフォームからご連絡ください。

金沢戦略人事の会のプログラム内容

ー第1回 戦略人事とは?自社の戦略人事における課題

・戦略人事の考え方について学ぶ
・戦略人事の会でやりたいことを考える

金沢戦略人事の会で何をしていけるのかをご説明。
その上で、戦略人事の考え方を学び、ワークショップを通して、なぜ戦略人事が必要なのか、自社の組織・人事課題を明確にし、必要性が体感できる内容となっています。

ー第2回 理想の状態から人事ポリシーの草案を策定

・企業理念・存在意義を見つめ直し、目指すべき理想を明確化
・人事ポリシーについて学ぶ

ワークショップを通して、『10年後の理想の組織・従業員の理想の姿』、『自社らしさ』の2つの視点から、『人・組織』において大事にしたい要素を抽出し、人事ポリシーの草案を作成します。

ー第3回 経営理念と人事ポリシーの精査  

・経営目標や経営戦略の観点から人事ポリシーをブラッシュアップ
・経営戦略と連携した人事アクションプランの検討

独自のワークシートを活用し、経営理念・経営戦略と人事ポリシーの整合性を確認し、人事ポリシーのブラッシュアップをします。続けて、人事ポリシーに基づいた人事アクションプランを考案。人事ポリシー、人事アクションプランについて、他社からのフィードバックを受け、気づきを得ることでさらに精度をあげていきます。

ー第4回 人事アクションプランの具体化

・人事アクションプランのブラッシュアップ
・社内発表に向けたメッセージ整理

各社人事アクションプランについて、他社から質問やアイデアなどフィードバックを受け、完成度を高めていきます。その後社内発表に向け、発表会の意義や準備期間で取り組みたいことを個人・グループワークを通して検討。次回のプレ発表会に備えます。

ー第5回 プレ発表会と振り返り

・社内発表に向けたプレ発表会(人事ポリシー、人事アクションプランの発表)

言語化した人事ポリシーと人事アクションプランを、社内に浸透させ実行するために、社内プレゼンをお薦めしています。そのプレ発表として、各社が数名の社員を招き、意見やフィードバックを得ることで、より洗練された内容へとブラッシュアップしていきます。最後に、金沢戦略人事の会の活動を振り返りプログラム終了となります。

まとめ

AIの急激な発達、これから迎える本格的な少子高齢化社会、予測困難・競争が激化するVUCA時代の突入。企業が持続可能な成長を遂げるため、人材の価値はこれまで以上に高まっています。

そんな時代を生き抜くためのキーとなる『戦略人事』を中心に、経営戦略と連動した人事戦略を実行していく重要性をお伝えしました。

「人や組織の理想像はあるが、どこから手をつけたらいいか悩んでいる」
「社員のエンゲージメント向上や組織の成長を促進したい」
「代替わりを見据えて、これからの人事のあり方について考えたい」

そんな想いを持つ経営者、後継者、人事責任者の方に、
解決策の一つとして、金沢戦略人事の会を検討していただけると幸いです。

ご質問などございましたら、下記フォームからご連絡ください。

ライティング:バヤシ

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集