【歩け!】『ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神』というゲーム(?)で東京を歩いた【行くぞ!】
あ~あ、無職になってもう4ヶ月かぁ……
天井のはしっこを見つめるのも飽きてきたな……
……
……
お前、今笑っただろ?
なあ
顔に出なくても、心は違うだろ
俺が無職だって言ったら、はっきりはっきり下に見たよなァ!?
何も生まずに消費する日々を無価値だってさぁ!!!
舐めてんじゃねえぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
……
フン……
地獄の底で眺めてろ。俺のActivityをな……
*
1.そして立ち上がる
おはようございません。なぜならここの文は午前2時に書いているので。
皆さんは散歩ってしてますか?まあしてないでしょうね。してたらしてなかったという前提にしてください。
今の時節、完全に真冬。999割くらいの人が凍死中。しかも現代は外に出なくても娯楽がたくさんあるので、家に引きこもりがちな人も多いと思います。
自分は寒さに強く、散歩も趣味なので全然外に出ますが……逆に言うと散歩でぐらいしか外に出ません。
てなわけで散歩以外のことをするか、散歩を強化できたらな~なんて漠然と思ってたら偶然見つけたのがこれ。
『ドロッセルマイヤーズさんのさんぽ神』!
どういうゲームか簡単に説明すると、これはボードゲームメーカー「ドロッセルマイヤーズ」から出ているおさんぽ用のゲーム。
手のひらサイズの紙束に「どこで」「何をする」といったお題が書かれているので、まあそのお題にしたがって散歩してみましょうよ、というもの。
ゲームと言うよりは他人が書いたアイデア帳って感じかも。
この「どこで」「何をする」というのは例えば……
という感じ。
一人の散歩はいつもどおりすぎるので、買って即断。まず一緒に歩いてくれる人を募集することに。
早速いってみよう!
……
2.揃って歩き出す
-都内某所-
顎関節症こと筆者(以下顎)「え~、皆さま、本日はご集まりいただきありがとうございます。」
顎「え~本日はね、一名体調不良により欠席ということでしたけども。え~無事天気も晴れて絶好の散歩日和ということでね、え~実に歩きやすくてですね。え~また皆さま方お久しぶりでございますということでね、え~それでは早速本日皆さまに集まっていただきました理由といたしましてですね、え~……」
男性友人J(以下J)「何?誰?」
女性友人A(以下A)「なんだろうね……」
顎「うるさいうるさい、今日はこれで行くんだよ」
なんとか無事2名の人類を確保。散歩に行けることになった。
顎「……ってことで、さっそく最初のお題いっちゃいますか」
A「やったー」
パラララララ……
顎「じゃ、国道に出て壊れているものを探そう」
A「国道かぁ……」
J「壊れてるものって?」
顎「まあ壊れてるな~って思ったら壊れてるものよ」
*
顎「国道……ってどっちに行けば?」
A「三角形のマークが国道だったっけ」
顎「免許持ってるけど、三角形で覚えてるマーク『停止』しかないよ俺は」
J「すごい角度で魚持ってるな」
A「恵比寿様だ~」
顎「固いもんで頭かち割る時しかこんな持ち方しないだろ」
A「このへん国道だ!」
J「やったー」
ネットに頼りながら、というかネットに頼る友人を頼りながら無事国道へ。
気温は10度を優に超え、冬にしてはだいぶ暖かい。散歩日和すぎる。
顎「みんな散歩ってどんくらいする?
A「私は時々かなー……」
J「大学時代にはしてたけど、今はデスクワークだし全然してない」
J「逆に顎関節症はどのくらいしてんの?1ヶ月だと?」
顎「1ヶ月……?まあ20(日)くらいは……」
J「20%も!?」
顎「パーセンテージで聞かれてるとは思わなかったな」
*
J「お!これ!」
A「ほんとだ!これ壊れてない?」
顎「う~ん……まだ使えそうだし、もう少し壊れてるのにしない?」
-10秒後-
J「あ!これは!?」
顎「壊れてる……な……」
『国道に出て』『壊れているものをさがそう』
無事達成。
3.歩くために歩き出す
顎「じゃあ次のお題いこうか」
パラララララ……
A「緑の多い場所で、スキップしながら……」
顎「歩こう、です今回は」
顎「それではさっそく、やっていくぞー!」
一同「おー!」
拳を突き上げてみたら、みんなちゃんとやってくれた。ありがて~
A「さっき地図あったよ」
J「ホント?」
顎「ホントだ」
A「上の方いけば緑ありそうじゃない?」
顎「だね、行こう」
顎「橋の向こう側は緑っぽいねぇ」
J「冬だから全然だけどね」
暖かな陽気。東京とは思えないくらい澄んだ空が広がっている(筆者の心と同じくらい広い)。
J「天気良すぎて暑くなってきた……」
顎「この辺でスキップするか」
顎「ほんとにスキップしたくなるくらい良い雰囲気」
A「この辺りとか、サンドイッチとパン持ってきて食べたいよね」
顎「サンドイッチとパン、別ジャンルなんだ……」
『緑の多い場所で』『ときどきスキップしながら歩こう』
無事達成。
4.探し出すため歩き出す
顎「で次のお題がこれですけども」
A「見えない見えない」
J「もうその指令終わったって」
顎「降りたことないバス停で、絵に描かれた動物を探そう」
J「バス乗んないといけないってこと?」
顎「そうね」
A「絵に描かれた動物?」
顎「動物の絵ってことで」
顎「ってなわけでバス停を探すところからやってきましょう」
顎「やるぞー!」
……
顎「神社だ」
J「名前が凄そう」
散歩なので自由な寄り道が許されている。散歩は自由でなくちゃいけないんだ。
A「あの辺(井戸っぽいの)入ったら宝箱あるよね」
顎「神社の宝箱取ったらバチあたるんだろうな……」
顎「石碑になんか書いてあったけど、従七位しか読めんかった」
J「そっか」
顎「お前絶対十七位だと思ったろ」
J「うん」
……
J「まいばすけっととか知らない?」
顎「知ってるスーパーってライフとマルエツだけかも……」
A「あ!バス停!」
顎「そりゃそうなんだけど、全部行ったことないな」
A「どこがいいかね~」
顎「王子五丁目にしよう。なんとなく」
顎「そういえばH(欠席したメンバー)はどうしてるかな」
A「LINE来てたよ」
顎「リモート散歩してる……」
……
顎「大通り沿いだけど、せっかくだし路地に行ってみよう」
A「えーっ、どらっぐぱぱす、気になってたのに……」
A「あ!」
J「これどう?鳥だけど」
顎「まあアリだね」
『降りたことないバス停で降りて』『絵に描かれた動物を探そう』
無事達成。
5.撮るために歩き出す
顎「じゃあ次のお題は……」
顎「いや、たまにはJに引いてもらうか」
J「おっけー」
J「都会の真ん中でしょうもない写真を撮ろう」
顎「なるほどね。じゃ、撮るぞー」
J「もう都会の真ん中だけど……」
顎「まあ適当に歩こう」
A「地図だ!」
J「いいね」
顎「ん、ここ……」
顎「世知辛い王族がいる」
A「かわいそう……」
……
地図左上に名主の滝公園なる場所を発見。そのあたりに向かって歩くことに。
顎「あったけ~……雲ってもう人の世に無いんだっけ……」
J「え!?あれ見て!」
一同「「「開運延命地蔵尊!?」」」
顎「そんな徳の盛りが許されるのか」
A「開運したーい」
顎「延命して~」
A「あった!」
顎「地蔵、久々に見たなぁ」
J「来る途中も地蔵あったけどね。なんなら話してなかった……?」
A・顎「そうだっけ……」
J「ここでお題の写真撮る?」
顎「いや、地蔵の前でしょうもない写真撮ったらバチあたりそうだし……」
A「だよねー……」
*
A「Elementary Schoolって小学校だっけ」
J「Oji Elementary SchoolとOji Sakura Junior High School……王子小学校と王子桜中学校?」
顎「じゃない?……なんで小学校の方には『桜』ってついてないんだろう」
A「もう王子中学校があったから、仕方なく中学校の方は『桜』付けたんじゃない?」
顎「じゃあ小学校の方にも『桜』って付ければ良かっただろ!」
……
J「そこ曲がったら、同じ道行っちゃわない?」
A「そうだっけ」
J「ほら」
顎「デジャヴ……?」
A「Elementary Schoolって小学校だっけ」
顎「なんで小学校の方には『桜』ってついてないんだろう」
A「もう王子中学校はあったから、仕方なく『桜』付けたんじゃない?」
顎「じゃあ小学校の方にも『桜』って付ければ良かっただろ!」
J「またやるんだ」
*
J「いい感じの道だ……」
A「この辺で育ちたかったな~」
顎「この坂を下っていけば……」
A「名主の滝公園、とうちゃ~く」
顎「優雅な公園だ」
顎「じゃ、しょうもない写真撮るか……J、任せた」
J「俺?」
顎「だってお題引いたのJだし」
J「……まあそうか、オッケー」
顎「滝行って発想が本当にしょうもなくてサイコー」
『都会の真ん中で』『しょうもない写真を撮ろう』
無事達成。
6.見えないものの為に歩き出す
顎「じゃあ次はAにお題を引いてもらおう」
A「おっけぃ」
A「バスでマークした人と一緒に降りて、心霊現象を探そう!」
顎「難(むじ)ぃ~~~~~」
J「これ終わるかな!?」
顎「……え~じゃあ、心霊現象探しつつ、昼時なんで一緒に飯も食べれるとこ探しに行きましょう」
顎「行くぞー!」
*
顎「じゃあ適当に……あっち!」
J「行き止まりじゃない?」
A「ありゃ」
顎「通れなかった……」
*
顎「まずバス停見つけないとねぇ」
A「その辺にあるよ、多分」
*
顎「今どこ歩いてるんだろう」
J「え、ちょっと待って、アレって……」
A「え、嘘!?」
顎「王子小学校と王子桜中学校!?」
A「なんでここに……?」
J「あ、見たことある道だ……」
顎「気づかない間におんなじ道に来てたんだ」
顎「……なんで小学校の方には『桜』ってついてないんだろう」
A「王子中学校は元々あったから、仕方なく中学校の方は『桜』付けたんじゃない?」
顎「じゃあ小学校の方にも『桜』ってさあ!」
J「来る度やるんだ」
同じ道に来た実感なかったので全員ホントにビビった。心霊現象に含めようか迷うくらい。
顎「マークする人はAに任せるんで」
A「降りる!」
J「よし」
顎「普通の道」
顎「Jは昼飯あそこ(オートバックス)でもいいんだっけ?」
J「いいわけないだろ、ソースは?俺がここで良いっていうさ」
顎「ソース……?分からんけど、食えるんだったら置いてあるんじゃない?」
J「いやそうじゃなくて」
*
顎「商店街に出たね」
A「いいなー……ここの店の魯肉飯とか……」
顎「良さそうすぎるな……ここで昼ごはんにしよう!」
A「お茶に花入ってる~」
顎「どれどれ」
顎「うお、すご……」
……
顎「チャーハン香り高すぎる。何が入ってるか分かんないから美味いという語彙しか出ない」
A「スパイスって食べても何入ってるか分からないよね」
J「分からんね」
今思えば、キクラゲとか人参が入ってて普通の炒飯とは違った触感だとか、油っぽさが少ないしそもそもの味付けが日本のものと全く違うとか、色々言えたな……
……
顎「全く読めないメニュー(大雞排)のヤツも来た、皆で食おう!」
J「美味い!ヒレカツに近い感じ……?」
A「それ!」
顎「ついてきたスパイス(画像左)も味変になって美味い!辛すぎないし」
……
顎「美味しかった~。最高すぎるけど、いい事とかしたっけ俺」
J「この後どうする?心霊現象って……」
A「う~ん……」
顎「心霊スポットとかない?この辺って」
J「50分くらい歩けばあるらしいけど……」
顎「じゃあそこ目指しつつ、みな積極的に心霊現象を探すこと!」
*
顎「遺跡だった公園らしいけど、平和すぎる……遺跡なんだから心霊現象の一つや二つや三つや四つや五つや六つや七つや……」
A「多い多い」
*
J「だいぶ歩いた気がする……」
顎「心霊現象経験者いない?ホントになんもないんだけど」
A「会ったことないなー」
J「小さいころ、公園で白い人影?みたいなのなら見たけど……」
顎「それ俺だね」
J「そうだったんだ……?」
*
顎「心霊スポットまで後どのくらい?」
J「ここまっすぐ行けばあるはずだけど……」
A「この辺は土地が低いんだね~」
顎「増水したら人類は瞬殺だ」
J「……ん?」
J「鳩がまた飛んできた……」
A「すごい飛んできてる!」
顎「何何何」
顎「急にあちこちから鳩が!」
顎「めっちゃ鳩来た!!!!!!!」
顎「Aさんこれって……」
A「(無言の肯定)」
顎「専門家のJさん、もしかして……」
J「これは……」
一同「「心霊現象だ!!!」」
『バスでマークした人と一緒に降りて』『心霊現象を探そう』
無事達成。
7.魅せるために歩き出す
顎「てなわけでAがこの後用事あるので……最後のお題!」
顎「まず『どこで』がこちら!」
顎「見てわかる通りね」
J「いや分かんないから」
A「おお~」
J「見えたの!?」
J「台詞……?」
顎「セリフ。引用でもなんでもいいよ」
顎「てわけで、3駅先でかっこいい台詞を呟こう、やっていきましょう!」
……
顎「Aの行先あたりを目指して駅行こう」
J「一応近くの駅は調べたけど、どう?」
A「ちょうど最寄り駅から3駅先が乗り換えのとこだ」
顎「じゃあ皆には乗り換えの駅でかっこいい台詞を言ってもらおうかな」
顎「考えといてよ!」
A・J「う~ん……」
……
顎「さんぽ神の終わりが近いね……」
J「第2回っていつやんの?」
顎「そのうちやる。今度は状況見てメンバー入れ替えもしつつ、欠席したHも一緒に歩こう」
夕焼けが眩しく落ちてく……
*
顎「皆さん、考えてくれましたかね」
A「いやーちょっとまだ……」
J「一応いける」
顎「じゃあJから!」
J「先、帰っていいよ。あとは俺やっとくから」
J「これ言われたらかっこいいぞ~?」
顎「社会人か?こいつ……」
顎「じゃあ次は俺が……」
顎「J、ちょっとこのセリフ言ってくれる?」
J「お、おう……」
J「俺たちさ、10年後も野球やってるかな……?」
顎「10年経ったら分かるさ、もう行こうぜ!」
Jに背を向けて歩き出す。脳内には確かにあった、青春、夕焼け、甲子園への日々……
俺は無造作にボールを投げた。ゆるく放物線を描いて飛んでいく。
あのボールも、いつかどこかに落ちて――――。
A「なんか投げた?」
J「投げたよね」
顎「……うるさいうるさい!かっこいいと思ったから!思ってんだよ!」
J「いやまあかっこいい……?けど……」
顎「……じゃあ最後!A!」
A「うーん……これかな……」
A「先生!採点頑張ってください!」
顎「社会人か?テメー……(Aは教職)」
『3駅先で電車を降りて』『かっこいいと思う台詞を呟こう』
無事達成。
8.帰るために歩き出す
顎「Aはここでお別れとして……Jはどうする?」
J「俺も疲れたから帰る。めっちゃ歩いたし」
顎「じゃあここで解散とします。今日はありがとね」
J「じゃ、俺こっちだから。楽しかったー」
ここでJとはお別れ。Aとは途中まで同じ電車だった。
顎「いやー歩いたね。どんくらい歩いたんだろう」
A「iPhoneだから確か万歩計が……」
A「ほらこれ」
顎「けっこう歩いたね……」
じゃ、ということでAとも無事お別れ。一人になった。
さんぽ神、実にいいゲームだ。ゲームと言われるとなんか違う気がしないでもないけど……
散歩そのものに普段とは違う視点が持てるというのはいい。
一人で出かける時なんかはぼんやり考え事をしているだけで時間が過ぎてしまうことも多々。出先のポケットにこれがあるだけでも違うだろう。
また自分は散歩自体はよくするが、こうして人と集まってするという機会もなかなか無い。かといって「散歩しに行こう!」というのも少し違う気がする。
だがこれを使えば、「さんぽ神ってゲームやらない?」と出来るわけだ。ゆるく皆で出かけるきっかけにもなるのは非常に良い点ではないだろうか。
いや、しかしよく歩いた。
今日はよく眠れそうだ……
???「いつもよく寝てるだろ……」
ん……?あ!
お、お前は!?
マジレスオーガ!なんでこんなところに!?
マジレスオーガ「ククク……さも無職のお前が『やりきったぞ!』という顔をしているのが滑稽でな……」
き、貴様……俺のActivityを馬鹿にするつもりか!?
マジレスオーガ「馬鹿にする?違うな……」
マジレスオーガ「笑いに来ただけだ!適当な行動で普段の虚無を埋めようとする、あまりにも無様なお前をな!ガハハハハ!」
ゆ……
許せん……!
マジレスオーガ「な、貴様まさか……!?」
ああ……久しぶりに怒髪天(キレ)ちまったよ……悪いが悪意(つか)わせてもらうぜ……!
博士「い、いかん顎関節症!それを今さんぽで疲労した身体で使ったら……命にかかわるぞ!」
わりい博士……でもよ、男には譲れない『魂』があるんだ……
今こそ、命の張りどころってもんよ!!!!
赤光、融露破ーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マジレスオーガ「ぐわあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
地球「ぐわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
……
う、うーん……
ここは……?
そうか、俺は地球を……
だがこれでいい……『使い果たした』俺ももうじき死ぬが、この疲れは心地いいぞ……
ククク……
ハハハハ……
ワハハハハ……
いや待てよ……
最後に、これだけはやっておかなきゃな……
よし。
もう散歩はこりごりだよ~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!
ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神、ちゃんと楽しかったので今後も人集めて一季節に一回くらいやってきたいと思います。