若手学芸員の日常

博物館学芸員になって早くも10年目。 まだまだこの世界では「若手」です。 ちょっと特殊なお仕事をご紹介✏️

若手学芸員の日常

博物館学芸員になって早くも10年目。 まだまだこの世界では「若手」です。 ちょっと特殊なお仕事をご紹介✏️

最近の記事

展覧会の作り方 輸送②

書きためておいたものを時差投稿しています。 展覧会の撤収作業が無事に終わったところです。 今日は作品の借用と、輸送についての続きです。 作品と保険 前回までにご挨拶、借用時の打ち合わせ、作品点検、そして書類のやり取りまでをご紹介しました。今日はやっと作品のお預かりに向かいましょう。 大きな展覧会の場合は最初のお電話から今日の借用までで、1〜3年くらいかかっています。 作品のお預かりに伺うことを、「集荷」とか、「借用」とか言い慣わしています。ただしこれは身内とか、一般的

    • 展覧会の作り方 輸送①

      書きためておいたものを時差投稿しています。 今日は朝からトラックに揺られております。 作品の輸送中です。今日は作品の借用と、輸送についてです。 作品の借用 テーマに沿う「よい」作品を、できるだけたくさん見てほしいと思うのは、どの学芸員も同じでしょう。 ここで言う「よい」にはいくつかの意味があります。たとえば、保存状態がよい。市場価値が高い。見た目に華やかである。などなど。 上記の「よい」作品は、いわば売れっ子です。どの館も借りたい。展示したい。地元の皆さんに見てほしいし

      • 展覧会ができるまで 序

        ※下書きしていたものを時差投稿しています。 さっそくですが、展覧会を開くというのは学芸員にとって最大の見せ場(それ以外で人目に触れることはあまりないですね)でしょうか。大きな展覧会だと数年かかって準備します。 おそらくどの館も、開幕までの作業は共通しています。ただし展覧会の規模、スタイルによって実際の「大変さ」は全く異なります。 今回は序として、展覧会の規模、スタイルについて触れておきます。 1 スタイルについて 多くの館では、 ◯巡回展 ◯単館の特別展示 ◯自主企画

        • 自己紹介

          はじめまして。 関西の博物館で、学芸員として勤務しています。 この世界に入って10年、普通なら中堅ですが、 30代はまだまだ「若手」(甘ちゃん)と呼ばれます。 学芸員になることが夢でした。 博物館実習や、学会、研究会などに行くと、 学生さんから「どうやったら学芸員になれますか?」と尋ねられることがあります。 その答えのいくつかをお話することがひとつ。 そして、「実際どんなもんでっか」という、学生さんのご両親や、お客様からのお尋ねにお答えするのが二つめ。 学芸員と一口に言っ