学校の学校⑷ 自由になるための不自由としての時間割作り
こんばんは。4日前に開校した学校の学校の校長の吉田カンゾーです。
昨日は、「人権侵害である1週間以内が期限の宿題に対抗する方法」をみんなに教えました。ハッシュタグをごちょごちょつけてみたせいでしょうか、少なくとも4人の方に読んでもらえたようです。流れ始めたのかもしれません。
さて今日は、「自由になるための不自由」というお話をします。なんだかわかりにくいですね。レトリックを使っています。よくない癖です。要は、「毎日の時間割を決めよう」という話で、一見不自由な時間割、ルーティンと言ってもいいです、それを決めることで、実は自由になるよというお話です。これは師匠である坂口恭平先生が、『自分の薬を作る』でも言っていますし、noteにも書いてあると思うので、それを読んでください。坂口恭平先生は、それを躁鬱からの脱出のための薬の一つにしているんです。
躁うつ病ではなくでも、時間割を作ることは多くの人にとって、毎日の生活を楽にすると思います。でも、こういうと多くの人は反発します。私の彼女もそうです。「時間割に縛られて生きるのなんて嫌だ」「不自由な生活をしたくない」 でもね、時間割を決めるのは基本的に自分です(自分で作れない場合は誰かに作ってもらったり、誰かと一緒に作ってみてもいいと思いますが)。いや、この話は軽井沢の風越学園という今の日本を代表する最強な先生たちが作っちゃった最強な学校、しかも試行錯誤によって前進中!な学校の記事(見学者の記事だったかも)でも書かれていて、最強の国語の先生であるあすこま先生(この先生も私の師匠です)がTwitterに書いていたんですが、自由になるためにあえて不自由にも思えるルールを設けるということなんです。風越学園の話は、お昼休みのYoutube禁止でした。Youtube禁止というのは一見不自由です。ルールの強制です。でも、子供たちはYoutubeを見たくて見ているのではない、ただ単に受動的に流れてくるものを見させられており、そこに意思はない。むしろ資本主義の流れみたいのに飲まれているだけで、Youtubeを自由に見る子どもたちは不自由に陥っている、だからYoutube禁止によって自由になるのだという話で、私は膝を打ちました。聞けば簡単な話なんですが、でもこういうふうに最初に考えた人たちはすごい。
私たちの生活もそうです。本を読みたいなと思っていたのに、Twitterを見て終わってしまった。散歩に行きたいなと思っていたのに、漫画を読んでしまった。今日は夜たくさん本を読もうと思っていたのに、ついビールを飲んで眠くなってしまった(大人な例ですいません)。いやこれ、一見自由ですが、自分がやりたいことができていないという点で不自由です。ここで◯◯すれば、「ああいい一日だった!」って思えることができないで一日が終わる。これ、反省を生みます。で、坂口先生が言っていますね、反省禁止! 反省は、鬱にとって毒です。ああ、意志の弱い自分、ああ◯◯な自分・・・。こうならないための時間割なんです。
いや、たしかに、時間割を設定したからと言って、必ずしもそれどおりにできるわけではないし、やりたいことが全部できるわけではありません。でもね、結構気持ちいいです。いや、うまく説明できないんですけど、やってみるといいですよ。とにかく。わたし、緊急事態宣言中は在宅勤務でしたから、ほとんど時間割で動いていたんですが、かなり快調でした。機能性ディスペプシアという持病があるんですが、それも治っていました。出勤するようになって、時間割で動けなくなって、あっという間に病みました。本当です。私の緊急事態宣言中の時間割はこんな感じでした。
7:00 起床・朝食
8:00 仕事開始(ポモドーロテクニックで25分仕事+5分休憩の繰り返し)
12:00 お昼休憩
13:00 仕事再開
15:00 おやつ休憩
18:00 仕事終了 サイクリング
19:00 入浴
20:00 夕食
23:00 就寝
出勤するようになって、これが崩壊しました。
いまはまたルーティンで生活しています。かなり細かく設定しています。ちょっとした仕事をしているので出勤もしています。
7:00 起床・朝食
8:00 カフェラテを飲みながら家で仕事
9:00 家を出る
10:30 出勤
15:00 退勤
16:30 帰宅
17:00 部屋の片づけ
18:00 パステル画
19:00 入浴
20:00 夕食
20:30 DVD
21:30 文芸書読書
23:00 ディボーション
23:30 就寝
こんな感じです。ディボーションというのは聖書を読んで黙想することです。吉田カンゾーはクリスチャンです。夜、文芸書読書と決めているのは理由があります。夜に仕事に係るような本を読むと、いろいろ考えちゃって、寝られなくなるんですね。これがいやだ。哲学とか小説なら、しっかり寝られるんです。だから仕事の本は日中の隙間に読みます。DVDはブルーライトで目がちかちかして寝られなくなるので、これも21:30までに。ちなみにパソコンは原則的に19:00以降は開きません。やはり寝られなくなるから。スマホはTwitterに時間制限(45分)をかけているので、夜にはもう使えません。夜にTwitterを見ると、寝られなくなるからです。めちゃくちゃルールがありますね、制限があります。でもこれ、全部基本的には夜ぐっすり寝るためです。私は夜ぐっすり寝るというのが一番大事だと最近分かりました。夜寝られないと一発でダメになります。あと、私は腹痛がダメです。お腹を壊すと、メンタルもやられます。これを回避するため、そしてやりたいことをやるための時間割で、だからアルコールもほぼ止めました。一時期毎日飲んでいる時期が2,3年ありましたが、いまは全く飲まないかノンアルビール。カフェインも好きですが、やっぱり寝られなくなるので、朝一に飲むことにしました。いや、ルールばっかりですね、めっちゃ不自由です。でも、自由です。だってこれだとやりたいことができます。ぐっすり寝られます。快調です。これが時間割効果です。
さて、「人権侵害としての宿題に対抗する」というお話でした。これを読む中学生や高校生にぜひしてもらいたいのは、時間割の設定です。1週間の時間割を決めちゃってほしいんです。で、結構細かく決める。自由時間、とかじゃなくて、この時間はマンガ読むとか、SNS見るとか、テレビ見るとか、本を読むとか、彼氏と電話するとか、細かく決める。勉強の時間も決める。別に学校で書かされる、試験勉強のための計画表ではありませんから、たくさん勉強時間を作る必要はありません。でも、こんぐらいあれば宿題も終わるし、自分がやりたい勉強もできるかなっていうのを時間割として入れる。で、1週間以上先が期限の宿題に関しては、そのルーティンの勉強時間を使ってやって行く。宿題っていう枠を作ってもいいかもしれません。で、それを手書きで書いてどっかに貼っといてもいいと思いますが、おすすめはカレンダーかリマインダーのアプリに全部登録しちゃうことです。私は全部Google カレンダーに入れていますので、21:30になったら「文芸書読書」ってカレンダーが教えてくれます。なんだか不自由ですが、これでいいんです。ぜひ入れてみてください。
そして、大事なことは、坂口恭平先生の「反省禁止!」です。時間割通りにできなくても、絶対反省しない。「自分で決めたことを守れない自分」に反省しないでください。リマインダーの通知は、その行動をするためのきっかけにしてください、背中押してもらう感じです。ちょんって。で、押されて動けたらラッキーですが、動けなくてもまあいいやって感じです。自分で決めたことなんですから。だれに迷惑かけるわけでもありませんし、まあかけたとしてもそんなのどうでもいいことです。大丈夫。
この「時間割の設定」は、「宿題」に対抗するための積極的な手段です。そしておそらく、「宿題」というものがなくなった後も、楽に生きるためにけっこういいものです。決まっちゃってるって楽です。あれしようかな、これしようかな、でもできないな、やっぱりできなかったな、ああ自分は何なんだろう、時間を無駄にしてばっかりだ、人生無駄ばっかり、あたしの人生なんて、なんて思わないで済みます。自分で設定した時間割、リマインダーの通知が背中を押してくれて、それでさくっとやってみる。いやまじで、人生変わります。
あとひとつ、付け加えるならば、その時間割が実行できるように家族に頼んでください。ぼくはこの時間割ならいろんなことができる、お父さん/お母さんにも伝えておくから、ぜひ協力してほしいと言ってみてください。もちろんお父さんもお母さんも忙しいでしょうし、いろんな事情がありますから協力してくれない場合もあるかもしれません。でも頼めるなら頼んでみましょう。でもそのとき、これはぼくが決めた時間割だから、ぼくが自由になるための時間割だから、このとおりにできていなくても「あなたは自分も決めたこともできないのね!」とは言わないでほしいと言っておきましょう。あんまりこういうことをおうちの人にいう人は少ないかもしれません。でも私は学校の先生だった時、生徒たちには伝えていましたよ。お父さんでもお母さんでも言ってほしいことと言わないでほしいことはしっかり伝えようと、伝えないとわかってくれないからねと。ぜひ言ってみてください。言ってもわかってくれないお父さんもお母さんも、おばあちゃんもいるかもしれません。その場合はどうしましょう。できればわたしが説得したいんですが、どうしましょうね、考えておきます。
今日は金曜日です。土曜日も登校の学校でなければ、まずはお疲れ様。がんばったね。土曜もある人はあと一日。楽しいと思っている学校でも、いろんなことあるよね、きついよね。傷つくこともあったよね、ついつい反省しちゃって自己嫌悪になることもあったよね。わかるつもりです。わたしにはわからないぐらいあなたにはきついことがわかるつもりです。でもね、大丈夫。大したことじゃないよ。あなたが一番大事。あなたが今これ読んでいる、それが素晴らしい。嬉しいよ。読んでもらってうれしいんじゃないです。あなたが生きていることが素晴らしいの、本当に。大変だったね今週も。毎日勉強しなきゃいけない受験生も、土日も部活動の練習がある人もいるよね。どっかで休めるかな? じぶんの身体に耳傾けてね。よく聞いてね。あなた自身が一番大事だよ。OK? またね。
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