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【雑記】日系企業における〇〇企画部について
皆さんこんにちは、外資Financeくんです。
本日は雑記として、『〇〇企画部』の正体に迫っていこうと思います。
〇〇企画部とは?
いわゆる企画担当と言われる部署になります。具体名を挙げると、
経営企画
事業企画
営業企画
人事企画
技術企画
サービス企画
などが代表的な部署になりますね。
要するに〇〇について考えたり企画する人が集められます。
営業企画なら販売戦略の策定、経営企画なら全社PLの策定および予算計画、サービス企画なら商材マーケティング戦略も絡めて動くなど(営業企画もやりそうですね)。
表向きは花形部署である事も多く、実際に初期から企画に配属される人は優秀な方が多いです。
なのでイメージの良さとなんとなくカッコいいから◯◯企画部で働きたい!と思う方が多いのも理解はできます。
パッと見は何でもできそうな可能性の塊に映りますからね。
本記事では日系企業の企画部に関する実情と中身について、雑記としてまとめようと思います。
日系企業の風習
◯◯企画部の説明に入る前に、まず日系企業の風習について述べていきます。
①主に期待される役割
まずは労働者に期待される役割について。結論から伝えると『通信簿オール6(10段階評価)』がしっくり来ます。
あらゆる業務・案件についてそれなりの成果を出せる。尖ってる個性はあまり必要なく、いわゆる『普通の人』が必要とされる組織。
勤めた感想としては、平均的に守備出来るオールラウンダーが重宝されます。
特に企画畑の場合は自部門で完結する仕事が少ないので、部署間調整や社内政治力は必須でしょう。
分野に拘らず平均点+αが取れる人材を求めているように思います。
②向いてる人/向いてない人
そんな日系企業に向いてる人、向いてない人はどんな人でしょうか?
まず向いてる人の特徴として、
人好き、何でもやる
が挙げられます。日系企業だと同期の繋がりや先輩後輩の関係など、社内の人間と関わる機会が非常に多いです。
そこでコミュニケーション能力に長けた人好きな人間がいれば、各方面から歓迎されます。
人と人を繋ぐ能力が高いレベルで求められるので、人好きには心地良い環境となります。
また専門性やポジション別採用の文化が薄いので、幅広く何でもやる人材もgoodです。特に企画部門は他部署が拾わない雑多な案件が降りてくるので、好き嫌いせずにポテンヒットを拾いに行ける人材は向いているでしょう。
逆に経理や人事、開発など専門性を核として持っており『その道のSpecialist』である事を求める方には向いてないと言えます。中には自分でやる必要があるか疑問を抱かせる謎の仕事も多いので、やるべき事を定めたい方には向いていないかもしれません。
③日系企業の意図
そんな日系企業の意図はどこにあるのか?
1点目は前述の通り、色々やってほしいのでしょう。職制に拘らず全横断的に業務を知り、会社の為に長く働いて欲しい。
元々は転職文化が盛んではなく、勤め上げる方が主流でした。その為『会社のSpecialist』として社内のあらゆる仕事を好き嫌いせずにこなす人材を求めているように見えます。
全社横断的に仕事をする場合、当然他部署と渡りをつける必要もあります。メンバーシップ採用で職務を限定しない事で、部署間の交流を活発にして社内での連携を強めて行きたいのでしょうね。
最後に企画部門限定にはなりますが、経営陣から突っ込まれた時のサポートを部長クラスから頼まれる事が多々あります。
社内の事情を知り、各業務を理解した上で幅広く支援をして欲しい。Genralistとして上層部のブレイン役を期待されるのが企画部の一面でもあります。
Pros / Cons
そんな日系企業の、特に企画部門におけるPros, Consを述べて行きましょう。
企画部門Pros
Prosとしては、主に以下の2点が挙げられます。
色々な仕事が経験できる
社内コネクションができる
まず一つ目は仕事の幅広さ。企画部門は各所から様々な仕事が降りてくる為、業務の幅を増やすという意味では恵まれています。
「何でも屋」と言われるだけあって、戦略策定や予算、引いてはM&Aや肝入りのProject業務も発生しますね。
手を挙げる積極性と雑務を嫌がらない姿勢があれば、やりたい事を見つけられる環境と言えます。
また関わる部署が多いので社内人脈も気付きやすいのがポイント。日頃から価値提供を心がけておけば他部署のキーマン・お偉方に目をかけて貰う事も可能で、社内でのキャリア構築が有利に運びます。
嫌がらずに丁寧な対応を心掛ける人は大いに向いているでしょう。
企画部門Cons
続いてはConsについて。自分から見る限りでは
何でも屋になりがち
中長期キャリアが描きにくい
という点が目立ちました。
Prosの裏返しではありますが、業務幅が広いが故に『何でもやるGeneralist』というラベルを貼られがちです。
とにかく企画がこなせ!と業務を投げられることが多く、また他に担当する部署もない為に企画が泣きを見ます。場合によっては損するポジションにもなりがちなのが、1つ残念な所です。
さらに中長期で「自分はどんな仕事をしていくのか」と悩み、キャリアビジョンが見えにくい点も苦しいですね。
常に何でも屋と見られて専門性を伸ばしにくい環境で、自ら極めて行きたい分野を見つけないといけないのも企画ならではの悩みです。
よくある〇〇企画部
企画部門といっても種類があり、部署によって担当業務も変わってきます。
日系企業でありがちな〇〇企画部について、3点ほど紹介させていただきます。
経営企画
まずは企画部門の十八番である経営企画部。
全社戦略の策定や予算管理、M&A業務を担当する部署になります。
社内で成果を出してきた猛者や有望な若手が配属される花形部署...というのが表向きの顔。
全社の方向性を決めるべく働く傍らで経営陣や他部署のキーマンとの調整を手掛け、会社を良い方向へ導いていくという重大なミッションを背負っています。
エリートが多くアサインされるので花形部署の1つとなります。week pointは社内調整と雑務が多すぎて本質的な仕事に時間を割き辛い環境になりがちな点ですね。
全社での肝入りProjectも経営企画が出発点になる事が多く、最近ではFinanceやStrategyだけではなくDX人材も求められる風潮にあります。
総じて「会社の方向性に関わる仕事」が出来る場所になります。
事業企画
続いては事業企画部。経営企画の事業部版という立ち位置です。
主なミッションとしては事業管理、事業開発、事業戦略の策定が挙げられます。
経営企画との違いでは、『事業部の方向性を決める仕事が多い』点にあります。経営企画が全社最適であるのに対し、事業企画は事業部という単位での最適な成果を求めて舵取りします。
その為、担当する事業部の商材や各チームに対して深く理解する必要が出てきます。
特に事業開発など0→1を求められる場面では企画機能に拘らず営業周りや、開発、生産管理を一気通貫で把握しなければなりません。
担当する事業を理解し、operationチームと協調して事業を伸ばしていくべく邁進するのが事業企画担当となります。
営業企画
ラストは営業企画部。営業戦略の策定やsales Forecart, pricingなど『営業および商材に関する企画機能』を有しているのが営業企画部となります。
主に売上を建てるのが営業のミッションでもあるので、1にも2にも売らないと始まりません。
どう売るのか、見込み売上はいくらか、値上げ出来ないかなど売上に関する予測や戦略を建てる為、営業企画の皆様は日々働いています。
会社によっては販売施策の策定、PRなどマーケティング領域に噛む事も可能です。JTCのジョブローテを活用して営業→営業企画→マーケティングとキャリアを築くのも1つの手となります。
結論になりますが、営業や生産管理など商材に関する部署との調整を行いつつ、売上を建てる為に頭を使うのがこの部署です。
企画に配属された場合の動き方
最後に『企画部門に配属された場合の身の振り方』についてお話しします。
幅広い業務に手を付けられる為、まずは「3〜5年程かけて色々やってみる」のをオススメします。
色々な仕事が降ってくるので、自分の得意を見極めながら広くこなす。才能を活かせる分野が見えたらリソースを割いて専門性を身に付ける。社内で「〇〇ならこいつ!」というポジションを作りましょう。
一度特定の分野で成果を出して名を売ったら、各方面からあなたの得意分野に関する仕事が舞い込んできます。ひたすら貰った仕事を捌き、実務経験を積んでいくのが企画の勝ち筋の1つです。
また様々な業務に携わる上で、他部署とのコネを作っておきましょう。仕事を進めやすくなるのと、いざという時に異動で逃げる先を確保する事はとても大切です。
そして身に付ける専門性の方向を決め、職務経歴書を作っていく事。Generalistは全教科で9(10段階評価)を取れない限りは荊の道です。
自分の得意や才能が活きる道を見つけ、仕事をかき集めてResumeを強くしていきましょう。
よくある専門性としては、
Finance / Accounting
Sales
Marketing
Engineering
が大枠として挙げられます。いずれも専門性と実務経験を積む事で、〇〇の専門家として外でも通用する所まで目指せる職能です。
特に外資系はポジション別にJob Descriptionで求める知識と経験を定めるので、自分は〇〇の専門家だ!と言い張れるまで磨き上げるのもポイントですね。
ちなみに僕のおすすめは勿論Finance, Accountingです。この世に資本主義が有り続ける、ひいては会社が存在する限りは永遠に無くならない概念なので。
さいごに & 紹介
つらつらとJTC企画部門に関して話をしてきましたが、企画に配属される方は基本優秀層です。
頭が悪いと務まらないので、実績や経験、地頭を買われて企画部に配属されています。
なので仕事への取り組み方と生存戦略さえ立てていれば、可能性は無限に広がっていくと私は考えております。
何でも屋、調整屋になりがちという欠点はあります。しかし雑務を速く丁寧に捌き、自分の価値を上げる本質的な仕事を取りに行く姿勢を持ちましょう。
苦労して手に入れた仕事、成果は必ずあなたのResumeを価値ある物へと導くのだから。
専門性と実務経験を積んだ上で、残留か転職かを悩めばいいのです。外を知りたくなったら転職活動をしてみて、通用しないなら立ち回りを変える。修正を重ねて粘り強くキャリアを重ねていく事が、企画部門担当の生きる道となるでしょう。
本当にラストですが、実際に私も企画部門の所属でした。
実務経験を重ねる上で何を考えて外資系への転職に至ったのかを別記事にてまとめておりますので、是非こちらもチェックしてみてくださいね!
また日系、外資系の両方でFinance, Accountingに関わってきた知見をまとめた「Finance組織の違い」という記事も残しています。こちらも経理、Financeに関わる方にはオススメさせていただけるものを書きましたので、無料部分だけでも覗いてみてはいかがでしょうか?
改めて、最後まで目を通していただきありがとうございます!
これからも外資系のFinance, Accountingで培った経験を発信していきますので、何卒よろしくお願いいたします。
以上、外資Financeくんでした!