戦争と宇宙開発は共産主義でも勝てる
こんにちは、井上です。上記の写真は、ハンガリーのオペラ座で見たトゥーランドットの写真です。前から数番目の席なんですけど、五千円とか六千円で見えた気がします。
オペラ座の外観はこんな感じ。
帰る最後の日の朝かな? クラブから帰る途中で。左端のスフィンクスのところにたまにこうやって乗ってる人がいるという。まあ、お調子者は、世界中にいるということでしょう。
そういや、香港に行った時にこんな人もいました(全然知らない人です)。
閑話休題。
ハンガリーの話に戻ります。でまあ、昨日話した通り、なぜかハンガリーで経済学とかマーケティングの話を聞いてきたんですが、授業をしてくれた人の中に多分官僚上がりで、副大臣的なポストをした後に、僕が交換留学(短期で一ヶ月半程度です)で行ったESSCAというところでたまに講義をしていたおっちゃん(おじいちゃん?)の先生がいたんですが、その人の話でなるほどと思ったのが、「戦争と宇宙開発は共産主義でも勝てるけど、普通のビジネスは共産主義では太刀打ちできない」という話でした。
ちなみに、なんで「多分」かっていうと、そもそも行ったのが6年くらい前で、僕が内容あんまり覚えてないのと、後この人いい感じでおっちゃんだけあって、若き頃勉強してたのがロシア語で、留学先もロシアだから、あんまり英語が上手くないからでした(若い先生は、みんな英語上手でしたが、これはベルリンの壁崩壊後に西側諸国に留学したからだと思います。この辺り、エピソード的に結構面白い話もあるんですが、とりあえず今日は話しません)。
で、話を戻すと、おっちゃんが自分の若かりし頃の体験談を交えながら、ハンガリーの歴史とか、ハンガリーの経済について話してくれるんですが、その時に出てきたのがさっき話した「戦争と宇宙開発は共産主義でも勝てるけど、普通のビジネスは共産主義では太刀打ちできない」という話でした。なんでそうなるかっていうと、戦争とか宇宙開発の時は、普通のビジネスと違って、消費者のニーズに対応する必要ないから、ソ連の高級官僚による中央統制でも対応できるし、むしろその方が効率いいことがある(最初に有人飛行したのはソ連)。でも、普通のビジネスだと、ある程度豊かになった後は、個別具体的なニーズを埋める必要があるのに、中央統制の経済だとそんなことできないから、経済的には共産主義は自由市場に絶対太刀打ちできないというのが、(僕の覚えてる限りでの)おっちゃん理論でした。
この説明聞く前に、「マーケットが存在しないと行列ができる」って話を聞いてたこともあり、すごい「なるほどな」って思ったんですけど、要するにマーケティングってのはマーケットの声を聞くことであり、お金ってのはそういう活動を引き起こすためのツールなわけですよね。僕は早稲田の時はもともと英文学、特にアメリカ文学をやってたこともあり、grassroots的なものを重視する価値観に結構触れてたんですけど、このときマーケティングって、そういう風に「民の声を聞いて現実化させる」って形である種アメリカ文学的なものなんだなってことに気がついたわけです。さらに言えば、アメリカ人があんなにお金にこだわるのも、それが彼らの「民衆重視」という価値観の反映だからなんだろうなということが、ハンガリーの地でやっと理解できたんですよね。
その後、アメリカで開催されるマーケティングのセミナーとかに行き、本当にマーケティングってアメリカ文学だし、アメリカ人の少なくとも一部にとっては「お金を稼ぐ=マーケットを通して社会貢献」なんだなという思いをさらに強く抱くようになるんですが、それはまた今度。
長くなったので、この辺で。では!
井上大輔
追伸
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