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産地とは何か?消費者から考える - 農業・新規就農(1/3)

まず、簡単にまとめます。

一般的に買い物というのは必要なものと欲しいものに分かれる。

野菜(定番野菜)は料理の素材として購入する場合が多いため、必要なものに分類される。
必要なものは日常的に購入を繰り返すので、野菜のように価格や品質・産地が安定しないものは、直接見た品質(目利き)と価格での判断になる。
価格・品質が同等程度の場合に、気に入っている産地を選ぶというのはあるだろう。
ただし、一品目の野菜に豊富な選択肢のあるスーパーなどほぼない。

では、解説に入ります。



買い物は必要なものと欲しい物に分かれる

必要な買い物とは何だろう。一つの食卓からそれを考えてみよう。

食卓には献立があり、それを調理するために必要な素材がある。
献立を成立するためには素材は必要不可欠だから、必要な買い物になる。
例えば、献立としてカレーを作るとして、ジャガイモ・玉ねぎ・人参は購入するといった具合だ。

では、欲しいものとは何だろう。
カレーで考える。
ジャガイモ・玉ねぎ・人参は購入するとして、豚肉・牛肉・鶏肉はたまたシーフードと何のカレーにするかは選択の余地がある。
この選択は懐事情にもよると思うが、おおむねその時の好みで選択される。
これは比較的、欲しい買い物と言える。

何が言いたいかというと、食材(素材)には主役(メイン)と脇役(サブ)がいるということだ。
主役は欲しいもの、脇役は必要なものと分類できる。

もう少し幅広く考えてみる。
例えば、カレーに福神漬けやラッキョウを添えるとして、これは必要なものか欲しいものか。こうした加工品を私個人は、欲しくて買っているという気がする。
他にも、食後にフルーツを付けることにしたとする。イチゴを買ったとして、これはどうだろう。私個人は、欲しくて買っているという気がする。

あくまで個人的な分類だが、購入したものをそのまま食べれる場合は、欲しくて買っている。
何かに加工するための素材は必要で買っているという気がする。
これも一つの分類の仕方かもしれない。


野菜は必要な買い物で、目利きと価格で選択している

先の必要なものと欲しいものの分類でいくと、野菜はおおむね必要なものになる。

あくまで一般論として理解してほしい。
多くの野菜はそのまま食べず、調理、味付けして食卓に並ぶ。その料理の素材として必要だから購入している。
特に定番野菜となると必要性から日常的に購入を繰り返すことになる。

しかし、この野菜というのが価格や品質、産地がなかなか安定しないため、特定のもの(ブランド)にこだわることが難しい。常にありものでそろえる必要があるからだ。
その為、野菜へのこだわりは直接見た品質(目利き)と価格の妥当性というのが一般的だ。

商品をじかに目利きしていてパッケージへの関心は薄いため、産地情報もあまり記憶に残っていない。素材に多少の味の違いがあっても、調理の過程で味付けして食べるので気付きづらい。
なので、消費者の目利きは味の見分けというよりも、鮮度や傷み具合の見分けになる。


産地に安心感以上の価値があることはまれ

定番野菜は繰り返し何度も購入することになる。
なので、時には当たり外れを経験して、産地情報と結びつけることがあるかもしれない。でも、一般的にはその評価は産地よりもスーパーなどの小売店への評価になる。

多少、味や品質の違いを把握することもあるが、それを理由に購入が促進されたり、避けられたりすることもまれだ。脇役素材のために、必要量が決まっている。
結局、産地に関係なく、その場の目利きで基準を満たしている物を探して購入する。

同等程度で選択肢がある場合、失敗の体験が少ない産地、気に入っている産地を選ぶという範囲での違いはあると思う。

しかし、考えてみて欲しい。
一つのスーパーで定番野菜が選択できるほど種類豊富なんてことがあるだろうか。キャベツ、ジャガイモ、玉ねぎ、ピーマンにどれほどの種類が用意されているだろうか。様々な種類の野菜がある中で、一つの種類を幅広く扱う余地がどれほどあるだろうか。

消費者にとっての産地とは、そのようなものであると思う。



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