戦後日本の崩壊
安倍晋三氏が射殺された。在任期間最長の総理大臣として安倍氏は、消費税税率の2回アップ、物価高にもかかわらず年金支給額を減額する年金カット法を成立させるなど国民の生活に途方もない苦しみを与え続けた。いわば、日本社会の格差拡大を助長、固定化させたA級戦犯であった。また、森友学園事件のような権力の私物化や「責任を取ればいいというものではない」発言に代表されるように、モラルや責任感がない人物だった。そして、平気でウソをつく男でもあった。例えば、東京五輪招致の際の「福島原発はアンダーコントロールされている」発言や国会で100回以上ウソの答弁をしたことを覚えているだろうか。その途方もない罪深さを思うと、安倍氏を一人の人間として素直に追悼する気持ちにはどうしてもなれない。亡くなったことで、政治家として安倍氏が犯した数々の悪行が帳消しにされるはずがない。
ところで、安倍晋三氏を国葬にするそうだ。日本社会が取り返しがつかないほど病んでいる証拠だと私は思っている。
この事態を受けて、「民主主義に対する冒とく」、「人の命を暴力によって奪うことは許さない」とリベラルな人たちが紋切り型の反応している。
今更きれいごとを言うなである。
例えば、政治学者である山口二郎氏は、安倍氏に対して、「お前は人間じゃない!叩き斬ってやる!」と集会でかつて言い放った。その彼が、平然と寝言を投稿している。私から言わせれば、彼も暴力による最悪の民主主義の破壊に加わっていると思う。それにしても、自分の考え方と違う安倍氏を人間扱いせず、憎悪を煽り立てた山口という人物に恐怖を感じた。
共産党の参議院議員である吉良よし子氏は、下のような集会に参加していた。安倍氏をヒトラーになぞらえている写真が見える。ちなみに、デモ行進には、日本国憲法第9条を守るというお題目で日本人を騙してきた社民党の福島みずほ氏の顔もあった。彼女たちは、安倍氏を貶めるためなら何をやってもいいと思っているようだ。安倍氏が国会で民主党や社民党の政治家をいつも口汚く罵っているのだから、自分たちも安倍氏を攻撃するためには手段を選ばない、と吉良・福島両氏が言い張るのなら、それはただの屁理屈である。
そして、こうだ。
厚かましいにもほどがある。
上っ面だけの優等生的投稿をしたかと思うと、安倍氏を彷彿とさせる開き直りの言い訳とウソをついている。
暴論だが、山口・吉良両氏が、嘘つき男ヒトラー安倍が射殺されたのは、因果応報・天罰だとあえて投稿すれば、考え方が一貫している点では評価できよう。
あくまでも論理の話だが。
しかし、両氏は、死者に鞭打つなという空気に飲まれ、手のひら返しでうわべだけの建前を投稿している。
民主主義や言論の自由という単語は、山口・吉良両氏のようなリベラル系や共産党の人たちとって、ポジショントークのための商売道具にすぎないことが、安倍氏の死により可視化された。
今回の事件の意義は、安倍氏とともに、リベラル系・共産党の人たちは、アメリカから与えられたうわべだけの借り物であったにせよ、戦後日本が金科玉条にして守ってきた民主主義という理念を自分のエゴイズムで崩壊させ、そのことが誰の目から見てもはっきりわかる事件だった、とまとめることができる。
最後に、評論家佐藤健志氏の投稿を紹介する。あらゆるものが崩れ去ったという記念日になるかもしれない。
余計なことだが、私は明日の選挙の投票にはいかない。その代わりに海に行ってささくれ立った気持ちを静めるつもりだ。
補注 その1 2022/7/10
今回の事件の原因については、政治思想テロではなく、韓国の宗教統一教会がらみの怨恨が背景にあった、とフランスメディアは報じている。日本メディアは統一教会の名前を今のところ出していない。
さらに、アメリカ人の日本・東アジア歴史研究者の指摘も紹介しておく。
安倍晋三氏は、統一教会との関係により、殺害された可能性がある、と述べている。白黒写真の人物は、ニクソン元アメリカ大統領と統一教会教祖である文鮮明氏。
参考として、安倍氏が統一教会系のイベントで挨拶している動画があった。カルト宗教である統一教会と関係があるように疑われたら、政治家として致命傷だ。
日本の司法当局がこの件について真相を解明できるかどうかであるが、私は何も期待していない。
補注 その2 2022/7/11
安倍氏と統一教会との関係がクローズアップされると同時にリベラル系の人が安倍氏と同じような論点のすり替えをしようとしている。代表例を2つ。
安倍氏殺害は、言論封殺・政治テロ・民主主義への挑戦という性質の事件ではないと解釈している。
自己保身の言い逃れに思える。
そもそも、東大教授の安富氏や朝日新聞の記者だった佐藤氏なら、統一教会と自民党、安倍氏の祖父である岸信介氏、そして安倍氏との密接な関係は昔からよくご存知のはずだ。そして、統一教会が海外では反社会的団体として認定されていることも彼らは知っているだろう。いままでどうして統一教会と安倍氏との関係をリベラル系の人たちは、追及しなかったのだろうか?
それに、彼らも現在の日本の悲惨な状態を招いた罪人たちである。
というのは、小沢一郎氏に対して常軌を逸した激しいバッシングを、リベラル系や共産党の人たちは、過去に行ったからだ。それは、世界史上類例がない人物破壊工作だったとオランダの社会学者カレル・ヴァン・ウォルフレン氏は評していた。
2010年前後、小沢一郎氏が陸山会事件で苦しい立場に追い込まれた際、リベラル系および共産党の人たちは、読売新聞や産経新聞の論調と同様に、小沢氏を極悪人扱いした。推定無罪という法の原則などお構いなく、小沢氏が大罪人であるかのような激しい批判が日本メディアで集中豪雨のように行われた時、彼らはダンマリを決め込んだ。驚くべきことに、小沢氏と仲間であるはずの民主党の政治家たちは、氏を守らず、逆に弾圧する側に立った。亀井静香氏は、民主党の政治家たちのふるまいを見て、連合赤軍事件を思い出すと厳しく諫めた。激しいバッシングに晒され、小沢氏の政治的影響力は大きく奪われた。そのことと安倍氏のようなモンスターが登場して今日の惨状を招いたことは一つの歴史的な流れとしてすっきり理解できる。当時の彼らが、小沢氏に対して行ったことは、選挙で選ばれた政治家に対する民主主義への挑戦であった。参考として、現在れいわ新選組のブレーンである政治学者中島某の投稿を引用しておく。平然とこういうことを投稿する人間が、政治学者を名乗っていることにあきれ果てた記憶がある。中島某は、小沢氏を悪魔だと思っているのか?私には、彼がイスラム教過激派のテロリストだったビンラーディンのように思えてくる。そういえば、中島某が尊敬してやまない自称保守思想家西部邁は、陸山会事件当時小沢氏をゴロツキ扱いする著書を刊行して、バッシングに加担したことをよく覚えている。こういう人を真の保守とか言って有難がる日本人はどうかしている。西部などその場その場の時流に合わせて印税稼ぎのくだらない駄本を濫造しただけの御仁ではないか。ちなみに、小沢一郎氏は、嘘をつくな、言い訳するな、人の悪口を言うなという小沢家の家訓を、幼い時から母親に厳しく言い聞かされて成長したという有名なエピソードがある。
彼らのような人たちに、今後場所を与えない。それが今回の安倍氏射殺事件の教訓になると思う。だが、自分たちの愚かさに、彼らは気が付かない、認めようとしないだろう。そして、民主主義、言論を守れというお題目を唱え、形だけの反体制という役割をこれからもまた演じるつもりなのかもしれない。しかし、日本社会はそんなことをする時間の余裕はもうない。ゲームオーバーだ。
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