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ライバルはなぜ大事なのか

ゴルディロックスの原理というものを知っているだろうか。人間は難しすぎず易し過ぎず、ちょうどよいむずかしさの課題に取り組むときに最も高いパフォーマンスを示すということである。

井上尚弥が世界統一王者になったが、ボクシングで上達しようと思ったときに井上尚弥とスパーリングばかりしていたら心が折れてしまうだろう。(いや、感激してめっちゃ頑張るとか思うかもしれないが、美人も3日で飽きるようにその感激も長くは続かない)逆に3歳児を相手にスパーリングをしていても、それもまた拍子抜けというものである。

自分と同じくらいの相手に挑戦して、たまに勝ってはたまに負けるを繰り返すからこそ、より練習にのめり込むというものである。同じ練習を繰り返していても、ライバルがいるかどうかで何色にでも変化する景色を見ているようなものだ。

たまに勝ってたまに負ける。これはギャンブルと同じ理屈だ。スロットマシンはたまーに当たるから楽しい。この不確実性こそが生物を虜にするドーパミンを放出させる。


何かのプロになろうと思う際にはのめり込むことも大事である。好きこそものの上手なれである。アマチュアがやっている練習とプロがやっている練習は基本的に同じものである。めちゃくちゃうまいやつが何か秘密の特訓をしている、なんて漫画の世界にはよくありがちな光景だが、実際は地味な基礎練習を何千回、何万回とやったその先に彼らの技術は築かれている。私も部活動をやっている際には、プロの方にお会いする際にはよく「どんな練習をしていますか?」と聞いたものだが返ってくる答えはいつも決まって「君と同じ」だった。

じゃあ、何がプロとアマチュアをわけ隔てているのかというと「飽きないための工夫ではなく飽きても続けることができる工夫をするか」である。飽きても続けることができるかどうかはそれだけで一流か二流かを決定づける。習慣にしてしまう、ということが最も大事なのである。

習慣化のひとつの方策として、先に挙げた「ライバル」というのは一役買ってくれる。

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