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お布団の誘惑と葛藤【エッセイ】
秋はどこに行ったのだろうか。
そんなことを思わずにはいられない。
現在、午前5時。
この時間は本当に寒い。
布団からはみ出る肌が外の世界の厳しさを訴えてくる。
世界はあまりにも残酷だ。
しかし、このままではダメだ。
5時に起きるには理由がある。やるべきことがある。予定がある。後ろにズラすことはできない。
だからこの残酷な世界に飛び出さなければいけない。
頭では理解している。
だが心が拒絶している。
一歩たりとも1mmたりともこのオアシスから出たくない。
なぜ辛いとわかっているのに自らその場所へ行かなければいけないのか。
本当にその必要があるのか。
あと10分だけ、いや5分だけでいい。
この温もりを感じていたい。
優しさに包まれていた。
ふと気がつくと、時計は午前6時を示している。
信じられない。
1時間がこんなにすぐに過ぎるわけがない。これはおかしい。
しかし何度確認しても6時だ。
あぁ、最悪だ。
タイムリミットを考えると今準備し始めてギリギリ。
下手すると間に合わない。
じゃあ、もういいじゃないか。諦めちゃえよ。
そんな悪魔の囁きが聞こえてくる。
その誘惑に負けてしまいそうになった。
だが、そうはいかない。
心が拒否していても、辛くても、結果が伴わなくても。
僕はやらなければいけない。
それが責任というやつだ。
本当に嫌になる。
覚悟が決まってしまうと意外とどうにでもなる。
澱みなく準備を完了し、結果的には余裕で間に合った。
なんでこんな簡単なことをグタグタ躊躇っていたのかわからない。
今思うと結局自分への甘えだったのかもしれない。
ただ1つ言えることは、今日僕は頑張った。偉い。