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【エッセイ】僕の旅の楽しみ方 其の二

前回、自分の旅の楽しみ方を紹介した。
一言で説明すると散歩である。
特に目的を持たない散歩。これが好きだとお伝えした。

しかし、最近この散歩に変化があったので追加で紹介したい。

散歩の相棒として、一眼レフカメラを仲間に入れた。(機種はSony α7c ii)
このカメラが散歩に質を飛躍的に高めてくれたのである。

カメラなんてスマホでいいじゃんという人もいると思う。
実際その通りだ。
大抵の人には一眼レフカメラは必要ない。
では自分にとって一眼レフカメラの何が良かったのかを書いていきたい。

それは実物が存在するということになる。
スマホカメラはとても便利だ。あの薄い端末からワンタップで高画質の写真が撮れてしまう。この便利さを一眼レフが超えることは難しい。
しかし違うのだ。
不便さの中に意義があるのだ。

スマホと違い一眼レフは大きい。撮影のたびに出し入れしていては大変だ。そのため散歩中手に持ったままの状態になる。
皆さんが思う通りスマホと比べて正直邪魔である。
だが、常に手に持っているからこそ散歩の間ずっと撮影態勢を維持できる。
ほんの少しでも良いなと思った瞬間、撮影ができてしまう。
故にシャッターチャンスを逃すことが非常に少ない。

案外、スマホで撮影した後はカバンやポッケにしまってはいないだろうか?
それでは撮影したいと思った瞬間に二の足を踏んでしまう。
その一瞬の躊躇いがシャッターチャンスを遠ざけているのである。

また、常に撮影態勢をとっているので周りへの集中力が飛躍的に上がる。
目に映る全ての光景から自分の好みの画を注意深く探していく。
自分の感覚がどんどん研ぎ澄まされていくのをヒシヒシと感じる。
気づいた頃には散歩にどっぷりハマっていて、2時間経っているなんてことはザラにある。
その時にしみじみ感じるのだ、「あぁ楽しいなぁ」と。

何より写真を撮ること自体が楽しい!!!
ぶっちゃけこれが一番でかい。
最近のカメラはとても優秀なのでド素人の自分でもなんか良い感じで撮ってくれる。
自分が良いなと思った画が1.5倍くらい綺麗に映し出される。
その写真を見返すだけでニマニマしてしまう。
楽しいとまた写真を撮りたくなる。
そうすると散歩に出向きたくなる。
元々楽しかった散歩がより楽しくなる。
これを最高と言わずなんというのだろうか。

目的を持たない散歩という本来のルールを逸脱してしまっている気もするのだが自分の中ではギリギリセーフとしている・・・

一眼レフカメラがここまで散歩に影響を与えるとは正直思ってはいなかった。
始まりはフォトエッセイを書いてみたいなぁくらいの気持ちだった。
しかしそんな動機はもう見る影もない。

でも良いのだ。
最初の想定とは異なる結果に落ち着くことなんてザラである。
むしろ予想通りにしかならない未来など退屈とさえ思う。
大切なのは挑戦すること、変化を受け入れること。
こうじゃなきゃいけないという固定概念は人生の楽しみを減らすだけだ。
だから何度でも自分の持っている答えを解き直すことが大事なのだと思う。
自分のように思いがけない気づきに出会えるかもしれない。



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