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インサイドヘッド2~苦しまなくっていいんだよ~

インサイドヘッド約10年ぶりの新作。

どうやらこの続編、世界中で大ヒットを記録しており、歴代映画興行収入トップ10にも入っているらしい。

前作を見た時のことを覚えている。
ピクサーの名作「トイストーリー」ほどぶっ飛んだおふざけがなく、ちょっと真面目なディズニー映画だと思った。

こういうとなんだかすごく斜に構えた感想のようだが、そのまじめさ、手堅さは今回も健在である。

思春期になった主人公ライリーの頭の中で感情(の、精霊みたいなもの)が右往左往する物語。

今回は4体の新しい感情が登場する。それぞれ心配、恥ずかしい、いいな、だるいなど、思春期から強くなってくる感情たちだ。

かれらが登場したとたん、ライリーのあごにニキビができるの演出も楽しい。

シンパイたちとヨロコビたちは、初めはわかりあおうとするのだが、癖のある新世代感情たちとはなかなかそりが合わない。

「ライリーがライリーらしくなくなっちゃう!」とヨロコビたちはシンパイたちに支配された心を取り戻そうとする。

ライリーはちょうど高校に進学するタイミング。アイスホッケーの強豪の学校に進学するので、期待に胸を躍らせている。

そんな中、新旧感情たちは取り合うようにライリーの行動を操作する。
ここでは明らかに新感情たちの方がうまく立ち回る。
ライリーの憧れや環境の変化を完全に理解しているのだ。
反対に、ヨロコビたちの行動はずいぶん幼稚に見えるのがすごい。

物語は進み、ヨロコビたちは、シンパイたちこそが今のライリーに必要な感情なのだと気がつき始める。
一方のシンパイも、ライリーに負荷をかけすぎて、彼女を追い詰めていく。

最後には協力してライリーの精神に安定を取り戻す。

シンパイ、ハズカシなどの感情は、大人になったら消えるものではなく、一生付き合っていくものだ。

インサイドヘッド2では、いわゆる敵役であるシンパイを排除しない。シンパイとうまくやっていけるように、みんなで協力していくのだ。

確かに思春期や成長に痛みはついてくる。
しかし、痛みや悩みを味わうこと自体に意味があるわけじゃないのだ。

ライリーの新しい精神には、不安が渦巻いているが、同時に今までの小さな記憶や、自信だって満ち溢れている。

安心や不安がごちゃ混ぜになりながら、ライリーは生きていく。決して楽をするのではない。でも、苦しんでいるのでもない。

高校生は揺れ動く時期である。それでも、彼女はうまくやっていけるはずだ。

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