ぶんぼっぽ

全力映画のレビューとか詩を投稿します✌️ https://lit.link/bunbopo ↑リンクツリーから色々見てください!

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【金井球さんと出会った日のこと】

名前のついていないものが好きだ。 ジャンルレスな人、もの、こと、態度、などなど。 例えば。 「名前のついていない」人で言えば、金井球さんという人が好きだ。 彼女は「ミスiD」という講談社が主催しているミスコンに応募し、2022年のグランプリに輝いた人だ。 金井さんのことを知ったのは受賞からしばらくたった夏の終わり。中野ブロードウェイにある変な雑貨屋、「中野ロープウェイ」のインスタグラムで見かけた。 なんてかわいいんだ。 その人は自分の好みにぴったりの「女の子」だった。

    • 高橋ヨシキさんと見るツイン・ピークス

      高橋ヨシキさんという映画評論家をご存知だろうか。20年ほど前からSFやホラー、「モンド映画」と呼ばれる類のものまで、いろいろな映画を評論してきたベテランだ。そんな彼は今、ブラックホールというYouTubeチャンネルで活躍している。友人の評論家2人とともに毎週、主に金曜日に2時間ほどの生放送をやっている。映画好きの人なら見たことがある人もいるのではないだろうか。 ヨシキさんは個人のチャンネル、「クレイジーカルチャーTV」も運営している。しばらく更新があったものの久しく動画の更新

      • 夜の街ってやっぱり楽しい

        水曜日(24日)にはじめてシーシャに行ってきた。正確に言うと初めてではなくて、高円寺の「祭り太鼓」という居酒屋で何故かメニューとして存在しており、そこで嗜んだ記憶がある。 普通の居酒屋なのになぜシーシャがあったのかはわからないが、そのときに「ああ、自分はシーシャに向いてないな」と感じた。同行者がシーシャ慣れしている人だったため、やり方とかはまったく問題にならなかったのだが、何もリラックスすることもなく、ただ煙を吸っては吐いたというだけの話だった。酒もそんなに好きではない自分

        • LAUSBUBのライブに行った話

          先日、札幌のテクノユニット、LAUSBUBのライブに行ってきた。ライブハウスのmoleというところで行われる。ライブハウスには何度か行った経験はあるものの、未だラーメン二郎的な緊張感を捨てきれずにいる。 出かける準備をしていたら興が乗ってきたので、久しぶりにヘアアイロンで髪をセットし、軽く目元にメイクをしてみたら自分に少し自身が出てきて、ああ、あまり人に会わないからってこういうことを怠っていると、自分に取って損かもしれないなと思った。 久しぶりに、おしゃれをしたいときに履く

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        【金井球さんと出会った日のこと】

          詩:メンタルクリニック

          安心できるかな、ぼく。 今はなにも想像できないけど。 不安なのは真剣な証拠だって、先生言ってた。 先生そうじゃないんですよ。ぼくの不安は心を蝕む悪いやつなんですよ。 虫歯みたいなもんです、先生。 先生、虫歯を放ってはおかないでしょう 治療したいんです、この心を 手術して傷を治して、もう誰からも文句を言われない立派なハートになりたいんです。 そんなことができないって知ってるからせめて薬とかそんな手垢のついたものじゃなくて、体温に満ちたあの頃の、疑いようのない幸せを返して

          詩:メンタルクリニック

          詩:ドーナツのおどり

          ドーナツの形が好きでよく母親にねだって買ってもらっていた。まあるいドーナツ。 ある日ただ買いに行ったらキャンペーンをやっていてやたらいいものが当たるっていうから母ちゃんが奮発して4個も買ってくれたのね。 その頃はまだとても小さいひとだったから何も知らずにガラポンをカラカラカラってまわしてみたら何か旅行が当たっておめでとーーございます言いながら店員がみんな踊りだしてあっけにとられてそれからドーナツが嫌いになった。 その旅行に行った覚えはなくあれはマボロシかとたまに思い出す

          詩:ドーナツのおどり

          映画【蛇の道】描かれない美学~スクリーンの外で~

          当たり前のように復讐が行われる。そこに対する逡巡はスクリーンの外にある。香川照之が心配しているのは道徳的なことではなく、ターゲットが間違っていたらということだ。車の中で、娘の動画を見て自分を鼓舞する。これほど「描かなくてもいいあったかもしれないこと」を潔く描かない映画もない。 復讐とは悪意の塊だろう。だが善意も描かれる。香川照之は哀川翔を見捨てない宣言をした後、車の運転席から後部座席に移動する。たったそれだけのことをする。これが彼の見せるちっぽけな善意のすべてだ。 そのあ

          映画【蛇の道】描かれない美学~スクリーンの外で~

          叩いても壊れない、友情の強さ

          「友情」って言葉はえらくって、どのくらいえらいのかというと、「愛」とか「絆」並みにえらい言葉なのだ。「愛」とか「絆」は人間関係の言葉だが、畑違いの言葉で言えば「努力」とかもそういうえらさを持っている。 じゃあ逆にえらくない言葉って何なのと言われれば、それは無数にある。「くるぶし」とかはなにもえらい言葉ではないし、「金」とかは信奉されているものの、それがえらい言葉とは思われてはいない。特に「金」は大多数の人にとって、めちゃくちゃ大事だけどそれが一番と思って大切なものを見失いたく

          叩いても壊れない、友情の強さ

          それは、アートの旅【顔たち、ところどころ】映画レビュー

          上映が始まると、画面にはでかでかと「UPLINK」の文字が浮かび上がる。ここって数年前までこういう映画をよく配給していたよなと懐かしくなる。UPLINKって今でも配給事業をやっているのかな? ヴェルダは日本で言うと草間彌生を想起させる感じのおばあさんで、長身の相棒、JRとはまさに凸凹コンビといった趣でよい。 アーティストであるJRの作品は、巨大に印刷したポートレートを、そのひとのゆかりのある場所(例えば農家の壁とか)に貼り付けるというもの。撮影した相手にも手伝ってもらって、

          それは、アートの旅【顔たち、ところどころ】映画レビュー

          【都会のアリス】心地よい旅を~ネタバレあり感想

          2023年末、「perfect days」で日本中のシネフィルを良くも悪くも沸かせたドイツの巨匠、ヴィム・ヴェンダースの傑作。ヴェンダースのロードムービー三部作の一作目である。 紀行文の書き手であるフィリップは、ついに記事が書けないまま締め切りを迎える。失意の中、アメリカからドイツに帰国したいのだが、ストで空港が閉鎖、足止めを食らう。 すると、同じくドイツへ帰ろうとするアリスという少女とその母親と知り合う。中を深めた2組だったが、母親が突然蒸発。母親はドイツで落ち合おうと伝

          【都会のアリス】心地よい旅を~ネタバレあり感想

          インサイドヘッド2~苦しまなくっていいんだよ~

          インサイドヘッド約10年ぶりの新作。 どうやらこの続編、世界中で大ヒットを記録しており、歴代映画興行収入トップ10にも入っているらしい。 前作を見た時のことを覚えている。 ピクサーの名作「トイストーリー」ほどぶっ飛んだおふざけがなく、ちょっと真面目なディズニー映画だと思った。 こういうとなんだかすごく斜に構えた感想のようだが、そのまじめさ、手堅さは今回も健在である。 思春期になった主人公ライリーの頭の中で感情(の、精霊みたいなもの)が右往左往する物語。 今回は4体の

          インサイドヘッド2~苦しまなくっていいんだよ~

          ダークグラス~見えない困難と恐怖~

          「ダークグラス」のレビュー記事です。 イタリアの映画監督、ダリオ・アルジェントの最新作。 監督の過去作は、サスペリアとサスペリアpart2(実はシリーズではない!)を見たことがある。雑な脚本と、何かが起こるたびにゴブリンの恐ろしそうな曲が流れる構図にどうしてものれなかった。 そのため、ジャッロ映画の巨匠ではあるが、あまり怖い映画ではないと思っていた。 今作も作風は全く変わっておらず、主人公が車を運転しているだけでいかにも何かが起こりそうな曲が流れる。だが特に何も起こらない。

          ダークグラス~見えない困難と恐怖~

          【映画レビュー】子供たちは「地獄に堕ちろ」と叫ぶ~映画「ホームワーク」~

          こんにちは。今日は、最近見た映画を紹介したいと思います。イランの巨匠、アッバス・キアロスタミ監督が手がけたドキュメンタリー作品、『ホームワーク』です。 この映画は、あるイランの学校にキアロスタミ監督が潜入して、子どもたちの様子を記録した作品です。基本的にインタビュー形式で、キアロスタミ自身が子どもたちに質問を投げかけていきます。 この映画が作られたきっかけが冒頭のナレーションで語られます。 キアロスタミには子供がいるのですが、その子の宿題を手伝っていたら、「これ、子どもよ

          【映画レビュー】子供たちは「地獄に堕ちろ」と叫ぶ~映画「ホームワーク」~

          詩:【パーフェクトデイズ】

          今日からは朗らか明るく生きていたい 朝は誰かが考えた体操に笑顔で取り組みたい 1.2.3 昼は庭に植えたひまわりの周りの雑草を抜いてやる 夜は暗くて見えないから自然に合わせて寝てしまう 間違ってることなんてひとつもない そんな日々を味わいたい 他の可能性なんて知らない 完璧な日々なんだ ------------------------------------------ この詩は、映画「パーフェクトデイズ」から着想を得ました。

          詩:【パーフェクトデイズ】

          詩:【5つの羅列】

          これは条件である。   まず生きていること 生きていなくちゃお話にならない まだ存命であるということは最初の前提にして絶対の条件である   次に愛がなければならない 何かを愛して 仮に今去勢手術が始まるとしても愛する何かに抱きつきたくなる気持ちを無くさないか どうか それくらいの気持ちとエネルギーを持っていること   これは条件である。   次にお金がないといけない お金で買えないものも間接的にお金で引き寄せることができる お金を汚いものとは思わない だが仮にお金を世界のバラ

          詩:【5つの羅列】

          脱線をよくする教師の余白から生まれたような魂をもつ〜短歌2

          以前短歌を投稿したことがあります。その第二弾です。最近は詩を書くことが多いですが、久しぶりに描いてみました。 脱線をよくする教師の余白から生まれたような魂をもつ 将来の夢は何かと尋ねられ黙ってしまう僕らの魅力 呪われた言葉で錆びてしまったら動いて生に急いで戻す 学校の親の会までしんどいのどこに希望が落ちてるの ラーメンを混ぜないごとく新刊の表紙に絶対指紋をつけぬ

          脱線をよくする教師の余白から生まれたような魂をもつ〜短歌2