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教員に不登校にされた生徒

 お越しいただきありがとうございます。

 受験コーディネーターの廣川です。

 36回目の投稿です。


 今回は、以前に教員の数を増やせば、多くの問題が解決すると書いたものからの派生する話を書いていこうと思います。

不登校の生徒

 その中の一つである不登校です。今までに数名の不登校生徒を担当させていただきました。不登校のきっかけは友人関係からだったり、病気療養からや長期の休みからなど、不登校になるタイミングはいろいろありましたが、中でも自分が問題だと思ったのが、教員による原因で始まっている場合でした。

 彼は性格も明るく友人関係も良好で、成績は今一つでけど、部活動も頑張っているような、どこにでもいる生徒でした。ある時期から、部活の顧問でもある担任の先生が、自分のミスを彼の責任であるかのように他の生徒の前で責め立てていきました。彼はさほど気にも留めずにいたのですが、それが続くようになり他の生徒の反応が変わっていきました。

 すると、部活でも教室でも居場所が少なくなっていき、何となく登校が出来なくなっていきました。先生から電話が入りますが、そこでもなぜ学校に来ないと責められたそうです。

 そのころに自分は呼ばれて授業を始めています。明るく利発な生徒という印象でしたので、良い生徒を紹介していただけたと思っていました。

 授業は楽しく進み、彼の理解度もぐんぐん上がっていきました。学校の授業の進み具合を確認したところで不登校だと告げられました。もうすでに心を開いてくれていたので、状況などを詳しく聞くことが出来ました。

 まだ自分も若かったこともあり、学校の先生が許せないと熱くなりましたが、学校からしたら無関係な自分が騒ぐことは、彼にとって良くないと思い冷静になりました。

 「学校なんか、行かなくていいんだよ。一応、保護者は学校に行かせないといけない義務があるけど、○○は学校に行く権利はあるけど義務はないんだから。」

 すると明るい笑顔になって頷いていました。それからは、特別な対応をするわけでもなく、学力向上を図っていました。

忌まわしい事件

 事件が起きたのは、数か月がたったころでした。

 その日も彼が待つ家に赴き、いつも通り授業をしていました。しばらくすると、玄関のチャイムが来客を伝えます。家には彼しかいませんので対応するように促すと、やや横柄な話し方をする来客の声が聞こえてきました。

 ああ知り合いの方なんだと思っていましたが、『クラスのみんな』や『授業』などの言葉がきこえたので、学校の先生かなと思い、彼は学校の先生に良い感情は持っていないので、心配になって聞き耳をパワーアップさせました。話している言葉は『心配している』とか言っていましたが、ひとつも感情を感じない、分かり易く言えば、事務的な会話が続いていました。時間にして5分といったところでしょうか。

忙しいから戻るけど、俺、来たからな。」

 最後の先生のセリフです。 どう思いますか? すぐに彼が部屋に入ってきましたが、いつもとは違う暗い表情でした。

「先生、どうしたんですか?」

 思わず立ち上がっていた自分に、彼が言ってきました。その声を聴いて我に返り、冷静を装いました。訪問した教員が彼の不登校の原因の教員だとすぐにわかりました。

 もちろん、良い先生もいるのを知っていますが、なぜこのような人間が教員をしているのだろうと強く思ってしまいました。教育行政に大いに疑問を抱くきっかけになったかもしれません。

 結局、彼は卒業までほとんど登校(教室まで)することはありませんでした。もしかすると、全国で今もこのようなことが起きているのかもしれません。何しろ約30万人が不登校となっているのですからね。

 ちなみに、今、彼はIT業界で活躍しています。彼が卒業してもう20年ほど経ちますが、今でも連絡をくれて、たまに逢っています。信用できる大人のひとりになれたようで何よりです。


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 最後までお読みいただきありがとうございました。

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