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もうすぐ母の死から一年という話

昨年の9月に実母が急逝した。
それも大学院の試験の丁度一週間前。
去年まで東京に住んでいたので、院試の前後は連休を取って帰省する予定でいた。
院試の一週間前の日曜日。最後の休みということもあり、子供を夫に託して必死に勉強していた。
よく覚えている。
夕飯を作る時間がなくなってしまい、デリバリーしてくれるファミレスで夕飯を頼んだ。
夕飯デリバリー注文をスマホでした後、到着までの時間さえ惜しくて受験勉強をした。
そのころだった。実父から実母が救急車で運ばれたとのメールが来た。
実母が救急搬送されて入院するのは年に1~2回あったので驚くこともなく、頭の中は、次の週末に帰省予定だったけれど、週明けに上司に相談して入院の様子を見に行けるように調整しようかなと考えていた。

ここまでをゆっくりと8/4までに書いて下書き保存したままだった。

1か月以上たった今、もはやどこをゴールとして書き始めたのか覚えていない。

ただ、ここ1か月くらい母が夢に出てくることが増えた気がする。

命日が近づいていることを強く意識しすぎているのだろうか。


母の命日を覚えていなかった私。


そんなこと誰にも言えない。
大切な母の親の命日を覚えていないなんてそれでも子かと言われそうで。

命日を知る方法は簡単だ。
スマホの手帳アプリを去年の9月にさかのぼるだけの話。
その週末には大学院の試験があった。
大学院の試験日程は手帳アプリに入れてあったから、母の命日もアプリを見ればすぐに分かる。

でも。

つい最近までそれをしなかった。

「できなかった」というのが正しいのか、敢えて「しなかった」というのが正しいのか。

それはちょっと考えられない。

でも日が近づくに連れ、このままではいけないと思い確認した。

今年の母の命日は普通に仕事の日だった。


父と母の一年祭(仏教でいう一周忌)について話をして1年延期することにした。
こんなご時世、どんなに少なく見積もっても10人以上、直会までやってクラスター感染が発生しても困る。
まして、母の母、私の祖母は90だ。コロナにかかったら命がとられてしまうかもしれない。

これが10年祭とかだったら、まぁ1年くらい延期したって。。。という話になるかもしれない。

でも母が死んだのはたった1年前のことなのだ。

その1年後にこんなことになるなんて誰も想像できていなかった。

こんな気持ち、どこに持っていけばいいのか分からない。

母の命日なのに帰ってこれない東京在住の弟。きっといろいろな思いがあるだろう。

もはや誰にもどうしようもない。

でも。

妻の1年祭を予定通り実施できない父の気持ち。

母の一年祭を実施できず、あまつさえ東京在住なもんだから地元に帰れないと弟の思い。

どこにもっていけばいいのか分からない。

一年前の今日はまだ母は生きていた。

思うだけで胸が苦しくなる。

どうして荷物が届いたときにすぐにメールをしなかったのだろう。

どうしてメールが来た時に来週末帰省の予定があったからその時に話をしようと思ったのだろう。

もはや後悔しかなくて辛い。

いや、辛いのは母親だったはずだ。

メールの返信を待っていただろう。

当時のいろいろな人の話を総合すると、母は自分の死期を感じていたのではないかと勘繰ってしまう。

でもそんなことを考えたってもう遅い。母は既に死んだのだから。

後悔なんてするもんじゃない。後悔なんてしたって誰も救われない、後の祭りだ。

私はきっとこの後悔を一生背負って生きていくだろう。この後悔は誰にも背負うことのできない、私自身の問題なのだから。
(もしかして私が痴呆にでもなれば忘れてしまうのだけど)

でも。後悔は一生背負うつもりだけど無駄にはしたくない。

きっとこの後悔を活かすチャンスが私の人生にはあるはずだ。

例えば、正月上げに夫の祖母(飛行機で行く距離)が危篤状態になった。かなりのご高齢であったのでいつどうなってもおかしくはない状態だった。

私は都合がつくなら行ったほうがいいよ、行かなかったら後悔するかもしれないよと背中を押して、夫は仕事の都合をつけて飛行機で向かった。
到着した日は意識も回復し大丈夫そうとのことであったが、翌日未明に息を引き取った。

夫は息を引き取る前に会えてよかったと言っていた。
それが彼の本心であるかの判断はできないけれど、会えないままよりずっと良かったと思う。

私は母の死に対して、その前後の自分の振る舞いに対して後悔をしている。

それはもう一生償うことができない。

だからせめて。

自分の大切な人には同じ思いをしてほしくない。

私はもうそれを回避できるように援助して生きていくしかないのだ。

それで自分の過ちが消えるわけではないけれど、同じ思いを自分の大切な人に体験してほしくはない。

ただそれだけの話。

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