015 成長する人、3つの特徴
成長する人には3つの特徴があると思っている。
「前を見続ける」「過去を忘れない」「ルーティンを持つ」である。
これらについて説明したい。
1.前を見続ける
「すごい」と言われる人は「前を見続けている」ように見える。
例えば、大谷翔平とか、池江璃花子とか…。
自ら高い目標を設定し、クリアしたらさらに高い目標を持つ。
まあ、著名人はみんなそうかな。
でも、著名人に限らず、どんどん成長する人は自らハードルを設定するところがある。
この間も、ある独立ファイナンシャルプランナーが、わざわざ名古屋から私のところへ会いに来てくれた。
将来経営者になるための知見を高めるために、色んな人と会うようにしているという。
なんでも、大学時代に「必ず起業をする」と決め、就職後は経理時代も営業時代も、様々な人たちと交流しながら、試行錯誤しているそうだ。
このやり方で自分スタイルが確立でき4年前に独立できたと言う。
そして、今も経営者になるための知見を深めようと、何人かの先達の助けを受けながら修行をしているのである。
彼ははっきりと「現在、経営者になるために経営や組織についての知識を持つことが課題です」と語っており、これもまたハードルの設定と言えるだろう。
2.過去を忘れない
とかく我々は「終わったことは忘れて次に目を向けよう」みたいなことを言ってしまうけど、実はプロフェッショナルな人ほど、終わったことも大切にしている。
たとえばプロ棋士が行っている感想戦なんかはその極めつけだろう。
電気通信大学の伊藤 毅志氏の研究によると、感想戦は、敗因の箇所を見つけるだけでなく、そこから新しい評価基準を学習する効果があるらしい。
つまり、自分の中で固定化された「流れ」を打ち砕く効果があるということだ。
これはすごく大事なことだと思う。
失敗ってのは、往々にして「流れ」の中にある。
パターンのままやってしまい、後から「うわ、失敗した!」ってケースが多いんじゃないかな。
もちろんパターン化自体は悪いわけじゃない。
その方が記憶しやすいし、パターン化は「極める」という境地の正体でもある。
羽生善治は次のように語っている。
流れで理解するから覚えられるってこと。
でも「流れ」ということは、脳にとって楽なやり方でもあり、惰性やマンネリにもなりかねない。
だからこそ棋士は自分の中で知らず識らずのうちに固定化された「流れ」を発見する必要がでてくる。
これが感想戦なのだろう。
でもこれはすごくストレスフルに思える。
自己研鑽の末たどり着いた境地を自らぶち壊すのだからね。
まあでも、この破壊と創造こそが、成長なのかも知れない。
3.ルーティンを持つ
ルーティーンとは、自分自身をコントロールする所作や流儀のこと。
より高いパフォーマンスを発揮するために行う、言わば「テンションの維持スキル」である。
例えば、このたび再び楽天の一員になった田中将大投手はマウンドでキャップのツバをじっと見つめる動作をする。
これは視点を一か所に集中させることで、一定のテンションを維持しているのだろう。
また、サッカーのクリスティアーノ・ロナウドは、フリーキックやペナルティーキックでゴールを狙う際、ボールをセットしてから数歩後ずさりし、胸を張りながら両足を広げて仁王立ちする。
これを行うことで、おそらくゾーン状態を再現していると考える。
これもひとつのテンション維持スキルだと思う。
2人のやり方はあまり似ているようには見えないけど、「所作によって心理状態を変える」という意味では同じである。
じゃあなんで、テンションを維持しようとしなければならないのか?
おそらく、意識的に維持しようとしなければ、テンションはたるむものだからだろう。
逆に言えば、こうでもしなきゃ成長どころか退化しかねないってことかな。
成長とは修行みたいなものなんだろうね。
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