しっかり自己開示できる人の主張は、自分の感情を眺めながらも、感情に囚われずしっかり要求を組み立ている。(「感情の自己観察」に基づく「アサーティブな主張」という)
それができずに、感情に飲み込まれた人は「恐る恐る」や「だんまり」を決め込むか(受身的)、「頭ごなし」や「ズケズケ」でごまかすか(攻撃的)、または「作為的」な戦略を取る。
この3つの戦略、見かけはまったく別ものに見えるけど、根っこは「感情に飲み込まれている」という点で一緒なんだよね。
だんまり戦略を取る人
自己開示するたびに「言い過ぎてしまった、ごめんなさい」みたいな言い訳する人がいる。
こういう人は「本音を出したら人間関係が壊れる」とでも思いこんでいるんだろうか。
たしかに自己開示すると「相手の気分を悪くさせた」「相手からへんな奴だと思われた」と思われる可能性はある。
でも、相手がどう思ったのかを知る前に、謝るってしまうってのも変だよね。
たとえば次のような感じだ。
なんでBさんはこういう反応をしてしまうのか。
おそらく「自分の考えを話す」➡「相手は怒る」と思い込んでいる。
条件反射なのかも知れないけれど、過度に恐れてしまっては会話にならないよね。
ズケズケ戦略の人
なら、「相手の気持ちを考えずにズケズケ言った方が良いのか?」といえば、それはそれで極端すぎる。
たとえばケンカをふっかける時って、けっして本音なんかじゃない、と言ったら分かるかな。
喧嘩とは、往々にして心にないことでやってしまうもの。
夫婦喧嘩なんかそうじゃない?
たとえば次のようなやり取りだ。
本音は他にあるのに、売り言葉に買い言葉で、心にないことを言ってしまう。
じつはズケズケ言うってのは、自分を守る「鎧」みたいなもので、どちらかと言えば本音を隠す行為。
もしかしたら心のどこかで「自分が言いたいことはこれじゃない」って分かっているかも知れないけれど、相手をやっつけたい気分のほうが上回っている。
上司が「攻撃的」で部下が「受身的」な会議の例
上記は普段の生活の例だったけど、これが会社だと典型的なパターンが現れる。
次のような感じだ。
アサーティブな会議の例
じゃあまともな会議はどんな感じか。
自他を尊重した適切な主張する話法を「アサーティブ」と言うのだけど、まともな会議ではこれが行われている。
アサーティブとは、行動療法に起源を持ち、相手の自己主張する権利を認めたうえで、自分自身の意思や権利を主張するコミュニケーションである。
具体的にはDESC法(デスク法)を使えばアサーティブな主張がしやすい、と言われている。
どうだろうか。
「受身的」「攻撃的」「作為的」な主張と、DESC法を用いたアサーティブな主張では、結果が異なることが分かるだろう。
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