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春の雨扇を返し晴れ間かな

 ごきげんよう。
 本日は朝から愚図ついたお天気で傘を手放せない一日でしたわね。久々にまとまった雨が振りましたから、出かけに傘の存在を忘れそうになってしまいましたわ。
 けれども今度は夕方になりましたらすっかり雲も晴れまして西日が差し込むものですから、なんだか時間の感覚が不思議に感ぜられる一日でしたわ。

 雨傘と申しますと明治に洋傘が普及しましてから久しいですけれども、元々西洋では雨傘ではなくって日傘が普通だったというのですから驚きですわね。本邦では江戸よりも昔から雨傘を使っておりますけれども、西洋では今もあまり雨の日に傘を差さない国もあるそうでしてよ。

 西洋の乾燥している国では「雨で濡れてもすぐに乾くから問題ない」という考え方で傘を差さない人が多いと伺ったことがあるのですけれども、本当に大丈夫なのかしらね。多湿な本邦では絶対に真似出来ませんけれども、体験してみとうございますわね。けれどもやはりお洋服と髪が濡れるのは厭かしら――。

 雨のときに悩むのが、着ていくものをどうするかですもの。濡らしてはいけない素材もありますし、特に良い革靴などは水が厳禁ですからどうしても悪くなっても良い程度の着こなしになってしまいますわ。

 そういったことも含めて、雨の日はなんだかお外に出るのが億劫になってしまいますわよね。


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芙蓉セツ子
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