仏前に彼岸を甘く誘いけり
ぶつぜんのあまくいざなうひがんかな
本日は春のお彼岸の入りということで、お仏壇を綺麗にしてお供えをする日ですわね。地域によっても違いがあるかと存じますけれども概ね「ぼた餅」をお供えすることが多いのかしら。
芙蓉家ではお煎餅でしたり金平糖でしたり、手近なお菓子も一緒にお供えしてしまいますけれども――。
わたくし、あまり見えないものは信じないのですけれども、お経は読めますのでお盆やお彼岸の際にはなんとなくお経を諳んじてみることがありますわ。勉強やお稽古ごとで行き詰まった際にはお散歩しながらお経でも読んでみますと気分転換になりますわね。お散歩、大切ですわ。
お彼岸と申しますともう一つ。わたくしお仏壇にお供えする落雁が好きなのです。なぜ好きなのかと問われますと困るのですけれども、お茶に合いますから暖かい緑茶がありましたらいくらでも頂ける気がいたしますわ。
繊細なお菓子ですから実はお店で味の差が出るお菓子なのではないかしら。
その中でも秋田銘菓の「もろこし」という落雁がわたくしは好きですわ。
もろこしと申しましてもトウモロコシではなくって小豆の味なのですけれども、素朴で美味しゅうございますのよ。緑茶にまことに合う和菓子ではないかしら。
そう言えば、お彼岸には「ぼた餅」あるいは「おはぎ」を頂きますけれども芙蓉家は春も秋も「おはぎ」と読んでおりますわね。江戸は春秋どちらも「おはぎ」と呼ぶと聞いたことがあるのですけれども地域によって違うのかしら。
わたくし、おはぎは絶対に粒あんと決めておりますのよ。
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