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風に色塗るアイリスの絵筆かな
ごきげんよう。
7月4日はルイス・キャロルさまの代表作『不思議の国のアリス』の物語がこの世に誕生した日だそうでしてよ。
親しい家族とのピクニックの際に即興で語り聞かせた物語がその原型だそうで、そのピクニックの日付が1862年の今日と記録に残っておりますわ。
即興というのが驚きですわね。
『不思議の国のアリス』はそういった経緯ですから、元々は身内で完結していた作品だそうでして、最初は手書き本として主人公のモデル、アリス・リデルに贈られたそうですわ。
その際はキャロルさまご自身で挿絵から装丁まで全て手作りしていたそうで、なんとなくキャロルさまの性格が伺えますわよね。
結局、今わたくし達が『不思議の国のアリス』を知っているということは、その後正式に出版されまして世界中に好評を博したということなのですけれども――、その原点がピクニックでの即興ストーリーだったというのは驚きではないかしら。
物語の原石はどこに転がっているか分かりませんわね――。
さて、英国でルイス・キャロルさまがピクニックをしている頃、日本はまだ江戸時代の文久2年ですけれども、その後明治41年には翻訳版が少女雑誌に掲載されておりますわ。
それ以降、様々な役者の翻訳版が出ておりますけれども、当初は主人公の名前を日本の少女風にしたものが多かったようですわね。
――けれども、主人公のアリスの名前が例えば「花子」ですと、『不思議の国』といった雰囲気があまり出ない気がいたしますわね。西洋の世界観と一体どうやって合わせたのかしら――。
もしくは「有栖」のように漢字で「アリス」に当て字をするとかかしら――?
風に色塗るアイリスの絵筆かな
さて、今日の一句「アリス」ではなく「アイリス(西洋アヤメ)」なのですけれども、お花の雰囲気がアリスの衣装に似ている気がしましたので詠んでみましたわ。
青紫にひらひらと白いフリルが流れているようでして、なんだか童話の世界に咲いていても不思議ではないように感ぜられました。
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