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鳩さへも鳴かずにをりて梅雨の月
ごきげんよう。
6月29日は作曲家の滝廉太郎さまの忌日ということでぱらぱらと楽譜を捲っていたのですけれども、そうしましたら『鳩ぽっぽ』という項目がありまして驚きましたわ。
あの有名な童謡が滝さまの作曲なのかと思ったのですけれどもよく見ましたらそれとも違うようでして――、謎を見つけました。
よく耳馴染みのあります「ぽっぽっぽ、鳩ぽっぽ――、」というのは小学唱歌の『鳩』という題でして、わたくし最初はそれを滝廉太郎さまが作曲したのかと思ったのですけれども、そちらは作者不詳となっておりましたわ。
滝さまの『鳩ぽっぽ』はそれより10年前に幼稚園唱歌として採用されておりますの。
滝廉太郎さまの作曲されました幼稚園唱歌を見ておりますと、他にも『雪やこんこん』という題でしたりと、聞き馴染みのある題があるのですけれども、これも耳馴染みのあります「雪やこんこ――」という曲とは異なるものらしいのです。
こちらも小学唱歌のほうでは作者不詳となっておりますわ――。
どちらも滝廉太郎さまの作曲のお亡くなりになった後に、作者不詳で別の曲として「尋常小学唱歌」に採用されているのですけれども、これは偶然なのかしら――?
よく俳句ですと17字ですから先人の着想と被ってしまったときは似たような先行句が見つかりますと取り消したりも致しますけれども――、滝廉太郎さまのこの2曲はどういう経緯で小学唱歌に作者不詳で登場したのかしらね。真相は闇の中ですけれども、今日は楽譜を捲りながら妙な世界を垣間見ましたわ。
それにしましても滝廉太郎さま、わたくし「荒城の月」の印象が強かったのですけれども、随分と可愛らしい曲も色々と作曲されておりますのね。
幼稚園唱歌には面白いものが沢山ありましたわ。いつか歌ってみたいですわね――。
滝廉太郎さまの作曲で特にわたくしが気になっているのが『荒磯』という曲でして、何故かと申しますと作詞に「徳川光圀」と書いてありましたのよ。あの水戸光圀公の一首に滝廉太郎さまが音樂を付けたそうですわ。
荒磯の岩に砕けて散る月を一つになして帰る浪かな 徳川光圀
この作詞:徳川光圀さま、作曲:滝廉太郎さまという『荒磯』というお歌。
わたくしピヤノ譜をまだ見つけられていないのですけれども、もしありましたら是非歌ってみたいですわ――。
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