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四阿の遠きを眺む菖蒲かな
ごきげんよう。月日が流れるのは早いもので、今年ももう半分が過ぎてしまいますわね――。
七十二候もお正月から丁度半分。三十六候目「菖蒲華(あやめはなさく)」となりましたわ。花の中心に縞模様のあるのがアヤメの特徴ですわね。
梅雨から盛夏への橋渡しをするようなこの季節の主役のようなお花ですわ。
一年の節目というのは色々とありますけれども、分かりやすいのは4月の新学期でしたり、夏休み明け、社会人の方ですと四半期といったところではないかしら。
ですから、6月末というのは気づけば通り過ぎてしまうようなものなのですけれども……一年の丁度半分、ここで腰を下ろしてぼうっとするのも良いかもしれませんわね。
この季節、菖蒲田に参りますと木道で散策が出来るようになっておりまして、庭園の中心には簡素な四阿(あずまや)が拵えてあります。間近で見るアヤメも美しいのですけれども、そうして少し離れて見た菖蒲田もまた色彩豊かで趣がありますわ。
6月末というのは一年の中でそんな四阿のようなものではないかしら。
わたくしは存外適当に日々を過ごしておりまして、興味の向いたことにふらふらと吸い寄せられてしまう花を探す蝶のようなものなのですけれども――、まさか今年、俳句を詠んであまつさえ誌上で選を頂けるようになるなどとは思ってもおりませんでしたわ――。
半年というのは人生を変えてしまいますのね。
ということで去年からお歌やピヤノ、そして俳句と色々なお稽古をしてきたのですけれども、7月からは短歌を少し本格的に習ってみようかと思っておりますわ。
わたくしの俳句熱は若干人生に変化が出るほどのめり込んでおりまして、正式に団体に所属したこともあり冷めることを知らないのですけれども、そのお勉強の中で短歌でしたり連歌、前句付にも興味が出てまいりましたので、やるからには本気で色々な詩歌に挑戦してみようと考えておりますわ。
他方でピヤノやお歌などの文芸以外でも色々遊べれば良いのですけれども。
――とこの半年間を振り返ってみまして、めぐり逢いの不思議さというものを感じた一日でしたわ。
この半年は人生を通して見てもまことに大切な半年になったかと存じます。ありがとう存じますわ。
次の下半期が、また良い巡り合わせの半年になりますように――。
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