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林鐘の慈雨降る四季や小夜曲(アイネクライネ・ナハトムジークで10句乱詠)
ごきげんよう。本日6月24日は音樂の音を「ドレミファソラシド」で表すという方法が考案された日だそうでしてよ。
11世紀にイタリアの音樂教師グイードさまが発表された方法が元だそうで、それから今に至るまでずっと利用されているそうですわ。凄いですわね。
それにしましても「ドレミ」というのはイタリア語の由来でしたのね――。
昨今では音樂を習う際には必ず五線譜で「ドレミ」を覚えるのが最初ですけれども、その原型を作りましたのがグイードさまだそうで当時は四線譜だったそうですわ。
――では、それ以前はどうしていたのかと申しますと「文字譜」という文字で音階を指示していたそうでしてよ。
例えば今でも大正琴は数字譜を用いたりいたしますわね。ですから、大正琴のお稽古をする際には五線譜ではなくって数字譜が読めなければいけませんわ。昔はそのような「文字」によって音を伝える記法が世界各地でばらばらに使われておりましたのね。
ですからグイードさまが五線譜を考案されたのは、音樂の世界を一つに繋げてしまうような誠に偉大な発明と言えるのではないかしら。
さて、ということで「ドレミ」はイタリア語らしいのですけれども、わたくしがヴァイオリンを習っていたときは確か「アーベーツェー」のドイツ語でお稽古していたかと存じますわ。ですから個人的には「アーベーツェーエーエフゲー」のほうが聞き馴染みがありますわ。
けれども、確かヴァイオリンの弦を交換する時は「A線(エー線)」でしたり「E線(イー線)」でしたり、英語読みをしていた気がいたしますわ。ドイツ語読みだったかもしれませんけれども、少なくとも「ラ線やミ線」とイタリア語読みしているのは聞いたことがありませんわ。
五線譜ではドレミなのに不思議ですわね。
どうして色々な言葉が混じっているのかしら――。
音階は日本式でもイロハ式がありまして、例えばハ長調などと申しますし、そう考えますと色々面白いですわね。
以前お話したことがありますけれども、旧暦の頃は「ドレミファソラシド」がそれぞれ1月から12月に対応して考えられていたのですもの。
音と人の文化というのは奥が深くて面白いですわ。
以前5月に五線譜のお話をしたときは「蕤賓」で一句詠みましたけれども、六月ですと「林鐘(りんしょう)」になりますわね。
季節が進みまして、音としては今度は「ソ」の音ですわ。
調としてはト長調(ファ♯)かト短調(ミ♭シ♭)ですわね。
ヴァイオリン譜でよく見る調ですわ。
この調ですとモーツァルトさまのアイネ・クライネ第1楽章の旋律があまりにも有名ですわね。他にも元気になりそうな曲が沢山ありますわ。
林鐘の慈雨降る四季や小夜曲 アイネクライネ・ナハトムジーク 雪子
ということで、こちらにて「アイネクライネ・ナハトムジーク」を詠んだ句を10句ほど乱詠いたしましたものを掲載いたしますわ。
ちなみにこのように「七・七」のお題が先に決まっておりまして、そこから「五・七・五」を考える遊びを「前句付」と申しますのよ。
江戸の元禄時代に少々流行いたしまして、その「前句」だけに着目したものが現在「川柳」として伝わっているものですわ。
皆さまも是非「アイネクライネ・ナハトムジーク」で一句、如何かしら。
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