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滴るや『女吸血鬼カーミラ』
ごきげんよう。本日は、先日ご紹介頂きましたレ・ファニュ著『女吸血鬼カーミラ』を読了いたしましたので、その仮装をしてまいりました。
耽美な世界に浸りながら徐々に水底の闇に引きずり込まれていくような感覚に魅了され、一気に読み終えてしまいましたわ。
『女吸血鬼カーミラ』は1872年、ヴィクトリア朝後期に発表された作品でして、日本はまだ御一新の余韻が残る明治4年の頃でございました。岩倉使節団が欧米を歴訪していた頃ですわね。
そんな神秘と叡智が交わる時代の不思議な二面性が、耽美なエスの関係と背筋を伝う悪夢によって描かれております。
ですので、題材やお話の背景としては「女吸血鬼」のお話なのですけれども、わたくしが読んで印象に残ったのは「恋を知らない少女の抱いた未知の感情への恐怖や嫌悪感」といった心情の精緻な観察と描写――、と言えばよいのかしら、そこに一面的なエスの耽美や魔の恐怖を超越した魅力があるように存じましたわ。
ということで、まだ一度しか通読しておりませんし、原語でも読んでおりませんので読みの深さは甚だ浅いものだと自認するところなのですけれども、簡単に『女吸血鬼カーミラ』の書評のようなものを拵えてみました。
さて、余談ですけれども本日のお寫眞は同じ学び舎の友、千鶴子さんにドレスを着てお手伝いして頂きました。華やかな英国ヴィクトリア朝の雰囲気が少しでも伝わりましたら幸いですわ。
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