マガジンのカバー画像

芙蓉歌句集

207
わたくしが詠みました短歌・俳句をこちらでご紹介させて頂きます。
運営しているクリエイター

2020年4月の記事一覧

【第十九回俳樂會】結果公表・選評など

【第十九回俳樂會】結果公表・選評など

0.ご挨拶
ごきげんよう。芙蓉セツ子と申します。
4月も終わりに差し掛かりまして、いよいよ春も詠み納めといった季節になりましたけれども、皆さま如何お過ごしでしょうか。

さて、ということで先月の【観櫻句會】から早一月。今月も俳樂會を開催させて頂きまして無事に一連の行事が終了致しましたので、こちらにて結果をご報告させていただきたく存じます。

ご投句・ご選句・ご観覧頂きました皆様まことにありがとう存

もっとみる
珈琲を知らぬ子猫の踵かな

珈琲を知らぬ子猫の踵かな

皆さまごきげんよう。昨日4月14日は、明治21年に日本初の喫茶店が開業した日とのことで、喫茶店にちなんだ俳句を詠むという催しが行われておりました。そこでわたくしも突発で何句か詠んでみましたわ。

こうして毎日の「何か」をきっかけに詠んでみるというのも中々面白いですわね。機会がありましたらまた参加してみたいですわ――。

珈琲を知らぬ子猫の踵かな
珈琲の遺した笑みや花の雨
思ひ出の溶けた珈琲春の雨 

もっとみる
お辞儀する羽織の紐や灌佛會

お辞儀する羽織の紐や灌佛會

皆様ごきげんよう。
本日は4月8日ということで「灌佛會」お釈迦様の誕生を祝う日ですわね。
よく行われますのは仏像に甘茶をかけて祝う行事かしら。実は新暦で行うのは日本だけと聞いたことがあるのですけれども、大切なのはお祝いする気持ちですから大目に見ていただきたいところですわね。

ちなみにわたくし特に仏教徒というわけではないのですけれども、何故か、般若心経や観音経は覚えておりますわ。
それはさておき、

もっとみる
芙蓉雑詠帳〔二〕

芙蓉雑詠帳〔二〕

【新年より立春】
膵臓の奥まで初明りを呑む
初明かりそつと瞼に仕舞ひ置く
喰積や真白き箸の触るるとき
七種粥去年と異なる羽織かな
背表紙のととのひ七日粥の音
喰積や真白き箸の触るるとき
鉛筆の音の温みや初句会
乗初や御召列車の重き窓
七色に匂ふ泉や避寒宿
大寒の影絵に匂ふインクかな
学友の着慣れぬ服や紀元節
草霞み市電鳴り行く常世かな
梅が香の微かに雀の毛玉かな
常磐津の皷のごとき春の風
凍蝶の瞼

もっとみる