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企画もの

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記事一覧

想いは溶けない/#炭酸刺繍

あの日泡に溶けて消えた観覧車 君が呟いた見えないことば ふわり浮いたからだ今も忘れずに やわらかくも強い力振り切って ありもしない嘘をついて逃げてきた 私のことは忘れて欲しいなんてね 何も言わず消えてしまえば良かった 私のせいで見えなくなった二人の未来 君はあの子の愛した人で友達 あの日飲んだ最後のメロンソーダ あの氷がゆっくり動いた音を 最後の合図として風に飛ばすよ ひとつ残る夢のかけら胸に詰め そして心にしまって生きる かつて泡に溶けて消えた観覧車 君のくれた

色づいていく想いと朝焼けと(詩)

特別なんだって言ってみた 君はなんて反応するかな、なんて こっそり思っている深夜2時 不思議な夢を見たんだよ 広い道路二つに分かれてさ、 片方明るい道に繋がってて 君を選んだ、そのことで突然に 未来が開けたような気がしたんだよ 行き先決めた、そのことで偶然に 扉が開けたんだと気付いたんだよ いつだったかな、君に話した古い恋 あの人に言いたかった優しい言葉 取っておくのやめて新しいの作るよ これからはずっとみんな君のために この想いが届くように おはようよねちゃんさん

逸る足音、遠い夜空(詩)/ひと色展

なんだかんだ起きていることになってしまった 午前三時 逃してしまった青い鳥 ただ見つめて立ち尽くしていたGravity 用意してた網は魚用 呆れ果てた イミテーションわかりきってて身に着けた 変な気分 失くしてしまったプライドを 疑いながら歩いて行ったの 地下室へ 揺らめいてる自分隠しては泣いていた 今日の君はどんな声で鳴く? たった一つ自由求めてる わかりきってる そんな真実は 無理して戻ってこなくていいよ それが君の選んだ道なら 繋ぎとめた暗闇にとらわれはためいた

貸し出し中?いえいえ、予約中です。(小説)

中学の卒業式の日。進学をきっかけに好きな人と離れることになり、私は告白をしようとした。けど待ち伏せた場所に彼は来なかった。公園でベンチに座って俯いていると、ランドセルを背負った男の子が目の前に立った。 「みーちゃん大丈夫?お兄ちゃんが何かした?」 「ゆうくん」 思わず私は苦笑する。 「かなとに会えなかった」 「うちに来ればいいじゃん」 「それじゃ意味がないっていうか」 「何それ」 ゆうくんはかなとの弟だ。そして私がかなとのことを好きだということをいち早く見抜いた。バレ

noteマイルールについて考えてみた

今日は夢🍀相談室さんの企画に参加させて頂きます。素敵な企画をありがとうございます。よろしくお願いします。 私にとってのnoteで一番大切なことはバランス。こういう記事を書いたらこういう記事を書いておこうと、あまり偏りがないように書くようにしている。 基本的には「なんとなく考えたこと」をメインに回している気がする。あとは「もぐもぐ系」「母との日々」、たまにつなぎとして過去作を入れてみたりする。 あくまでもゆる~くやるのがモットー。嫌々書くのが好きじゃないので、無理そうなら

十六夜杯 俳句に初挑戦します

フォロワーさんの記事を見ていていつも気になっていたみんなの俳句大会さん。今回は勇気を出して参加してみることに。お手柔らかにお願いします。 待ち合わせ 俯いて見るは 初紅葉 星降る日 ベランダで飲む ミルクティー 振り向けば そっと寄り添う 赤とんぼ 締め切りぎりぎりになってしまいすみません。 よろしくお願いします!

「夜の雫」+「夜に残る」(連作詩)

以前掲載した詩と関連しているので二つとも載せます。今回の「夜の雫」は編集前のオリジナル版です。新しく出す作品は下の「夜に残る」の方です。ちなみに「夜の雫」は女性視点で、「夜に残る」は男性視点となっています。よろしくお願いします。 編集版はこちらです。 「夜の雫」夕日が差し込む教室 またあなたはうつむくの 私の発した何のとりとめもない言葉から 驚くほど鮮やかな色を見せたりするの 青空を背景に快活に笑う君が好きだったと どうしてもう過去形の告白をしたりするの 私が見ていた景

移り変わっていく季節の中でその名前を呼べたのなら(小説)

何でも君のいうことを一つだけ叶えてあげるよ、 ある日気まぐれな彼はそう言った。 唐突なお願い事をするときには彼は大抵私を見ていない。窓の外で降り積もる落ち葉を見ながら、歌でも歌うように彼は呟いた。今は秋の終わり。それに呼応するかのように、付き合い始めてしばらく優しかった彼がなんとなく冷たくなってきたような気がしていた頃のことだった。 「この前のデートをドタキャンしたことへの償いのつもり?」 自然と語尾が強くなる。私は爪の先にきれいにトップコートを塗れてちょうど満足したと

白い悪魔(ショートショート)

私の頭にはいま中身がない。まさに空っぽだ。ぼうっとして思考が働かない。胃の中に穴が空いて食べたものがみんなそこからさらさらと流れ出してしまうかのように、受け取った情報が吸収されない。覚えようとしてもたちどころに消えて行ってしまうのだから。いつからこうなってしまったのだろう。そう思うと何だか肝が冷えるかのような心地になる。まるで自分の芯というものが凍り付いてしまったことに気付いた気になるのだ。私は結局何がいけなかったのかを知りたくなくて、最初からその中には何もなかったのだと自分

ようやく出会えたあなたは(小説)#夏の香りに思いを馳せて

出会いは図書館の自習室への階段だった。受験勉強の帰りに毎回何かしらの本を借りていたのがみおりで、そのみおりを目で追っていたのが図書館で土日だけバイトをしている大学生のせなだった。 みおりはどうやら恋愛小説が好きらしく、作家の中でも恋愛ものを選んで借りていく。それはカウンター業務をしていればおのずとわかってくることだった。そしてせなは今日も目の前のみおりに無愛想に対応してしまう自分自身に嫌気がさしていた。 この図書館はカウンター業務があるものの、基本的には接客業とは違うため

おばあちゃんと夏祭りと焼き鳥の真相#夏の香りに思いを馳せて

数年前、おばあちゃんが施設に入るということで手伝いに行った。それまでショートステイとして利用していた施設に入居することになったからだ。すっかりがらんとしてしまった部屋の中には入居に必要なものが並べてあった。 パジャマをはじめとする衣料品や、施設で使うためのたくさんの日用品に名前が書いてある。みんな叔母さんの字だ。 庭にある緑の生い茂った植木鉢も目に入ってくる。おばあちゃんがいなくなったら、これからこの家はどうなるんだろうとどうしても考えてしまう。 その日は近所で夏祭りが

スピリチュアルレスキュー(詩)

どうして何も言わないの 落ち窪んだ二重まぶた ひりひり痛みありそうだ 熟れきったその赤み まるで頬を染めたよう 都合のいいよう考えて 突き飛ばして転がった 自分勝手 擦りむいて 疲れ切ってしゃがみこむ そうするとさ 気づくんだ 谷底に光差すように 全てが変わっていって 育ちきったその想い 何の言葉もなく始まったこの関係を いつでも終わるものだと思っていたよ だけど連絡なく終わってくこの恐怖より どうして勝るものがあるんだろう 「見た目で選ぶわけじゃない」 しみついた常

音楽とともに咲く(詩)/#置きポエム

メトロノームの音が過去に彷徨わせる あの音楽室でひとり戦っていた 一番遠くの影をじっと見つめていた カーテンが揺れるたび心躍った 隙間から見えるもの心に刻んだ 私の世界のすべて 私の生きている理由 きっかけはとても単純なこと 君がいる ただそれだけのことで 思いやりを教えてもらったよ おはようよねちゃんさんの置きポエム展に参加させて頂きました。 素敵な企画をありがとうございます。よろしくお願いします。 過去の作品を編集したものですが、自分なりに気に入っているので思い切

微睡みの中で君に預けた時間(小説)/ひと色展

その水滴はただそこにありました。太陽の雫、七色の宿る場所。そんな風に呼ばれながらも微睡んでいました。それは他の誰かからすればひたすらに意味のない時間、一方でとても透明感のある時間でした。 いつか戻ってくるのではと、希望を抱いていたのです。 ほんわかとした春の陽気の中で芽吹いていく双葉を見ながら考えました。こんな風になりたい。うまく心を開けなかった自分を悔やんでいました。 本当は言いたいことがたくさんありました。それなのに全部見ないふりをしてしまいました。どう受け取ったら