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澄み切った色のその先にいる(別世界感想2)

何も言いたいことがないので別世界の感想の続きを書く。

最後に書いてから見事に2年が経っている。最後にMVについて話そうと言ったが、むしろ野暮すぎるのでやめたのだろう。今の時点のぼくも野暮だと思う。

前回何を言ったかというと、

MVはミュージシャンの想いが詰まっているから受け止めるには精神的な体力が必要。感想を書くこと自体も、自分の想いを明文化する重い作業だと感じる☆
それでも、ただの一過性のものとして流すのはもったいない。この矛盾の中で、MVを観る行為は特別な時間となる★

★YouTuberが創ったオリジナルMVへの驚き
観たのはYouTuberが作詞・作曲し、アニメーションで構成されたMV。これだけ完成度の高いものに感想を述べるのは敷居が高いように感じる❤
作詞・作曲までこなすYouTuberの存在には驚き。多くのYouTuberは音楽クリエイターとして始まったわけではないため、自作の歌をリリースすることは珍しい☆

★「創る」YouTuberの別次元
自作の歌を唄うという行為は、人に与えられたものを歌うのとは別次元の行動だと感じる。上か下かではなく、次元の違いという意味で★
歌だけでなく、ミックスやムービー制作、ステージパフォーマンスまでこなす彼女らの努力には、計り知れないものがある☆

★6拍子が示す別世界への移行
今回のMVで特に印象的だったのは、終盤で8拍子から6拍子に変わる編曲。この変化は異変の象徴であり、物語の転換点を表していると感じた☆
等身大パペットが繰り返し登場するMVの中で、主人公は最後にそのパペットの世界に完全に溶け込んでいく。これが現実と非現実の交錯を象徴しているのかもしれない★

★堕天使のテーマと歌詞への距離感
歌手が披露した新衣装のテーマは「堕ちる」ことだった。天使でありながら堕ちる――その意味を考えさせられるが、簡単に答えが出るものではない❤
歌詞と映像をあえて結びつけない姿勢も素敵。「歌詞の理解」を避けることで、独自の向き合い方が生まれている★

この間にこの歌手に何があったかといえばそれなりにいろんなことがあったが、それをぼくは書いたり書いてなかったりする。特にグループ結成とかEP発売とかについて書いていなかった。甲子園について書いた。

EPの中で恐ろしいスマッシュヒットとなった歌がある。実際の売上とか再生数には興味がない。ORACLEという歌を出した。ORACLEは信託という意味で天音かなたは天使である。ぼくの中でORACLEにも別世界ぐらい書けることがあるのだが、また別の機会にする。トビー・フォックスから歌を作らせてくれと言われて歌ができたが、それもまた別の機会にする。

別世界はすべて自身で作ってい、ORACLEは違った。別世界はあえて本質をぼかした歌だと思う。ORACLEはどストレートに球を投げてきた。怖いぐらいだった。リリース直後に何回かサムネイルが変わったことに意味があるのだろうか。

ORACLEは実際には平仮名で書く。まだ片仮名で書くならわかるんじゃなかろうか。英語だから。

でも平仮名で書くってことにはなんらかの意味があると思う。女の人の歌の題名に平仮名を使うのはかわいさの演出なような気がする。

例えば知らない企業名があったとして、「ひらがこうぎょう」とかだったとする。

テレビ番組なんかで誰か偉人の経歴を話させ、その中にひらがこうぎょうが出てきたとして、収録がおわりファクトチェックが必要になった時にひらがこうぎょうをリサーチしたが一切資料が残っていないということになった。

実在するのかどうかもわからんが、当人が言ってるんだから架空でもなんでもいいだがやと字幕で表記することにした。その場合使われるのは片仮名だろう。平仮名ではないのは、体裁のためだろう。著名人のインタビューで字幕に「ひらが工業」って書いてあると、体裁を重んじる大人の連中は嫌な顔をするのだろう。「ヒラガ」と書けば「俺たち知りませんよ、当人がこう言ってるからこの字を出しているだけっす……」という責任逃れ感が出せるわけだ。まさしく誇り高い現代社会のマスコミの正しい振る舞いだ。

だからアンノウン・ディーヴァでORACLEだけ異彩を放っている。歌をリストにした際にである。つまりファンなり潜在顧客なりがCDを手にとった時点で、である。1番大事なマーケティングの瞬間であるといえるかもしれない。Zero Moment of Truth的な考え方に基づくのであれば。なぜこの歌だけ平仮名なのだろう?と思うわけだ。その客はその場でYouTubeなり何なりを開いてORACLEを聴くだろうか?そしてORACLEがよければ、CDを会計に持っていくだろうか。

といいますか……ORACLEは1TRUCK目である。CD屋に置かれた試聴ヘッドホンから最初に流れてくる。ここにもZMOTがある。いや、アンノウンディーヴァを認識する瞬間がZMOTだからさっきのも含めFMOTか。

結局ORACLEについてばかり話してしまったが、次があればまた別世界かORACLEの本質について話したい。



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中村風景
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