プイプイレーシング必勝法(PUIPUIモルカー5話感想)
※感想です。
ぼくは毎回モル感(モルカーの感想)を書かせていただくのに飽き足らず、モル予(モルカーの次の話の予想)をここに書かせて頂いているのでそちらの結果がどうだったのかについてまず述べさせて頂きます。
アイキャッチ
いきなり予想と関係ありませんが、モルカーはタイトル背景イラストにも力を入れています。
イラストレータのAkino fukujiさんがモルカーのタイトル背景を何話か担当されているそうです。
絵にとどまらず、アニメーション等で息を吹き込まれたかのような任天堂キャラクタの表現、その他アンダーテイルの応援絵等も公開していらっしゃったりと、モルカーの世界観に結びつきやすいイメージを心のなかに持たれたイラストレータでいらっしゃるのだなあと個人的に思いました。
実際5話のイラストは子供向けレースゲームのスタート画面と言われても遜色ない仕上がりのように思えます。モルカーをワンコーナーとして放映している番組がキッズ向け「きんだーてれび」であることを踏まえても、視聴者である子どもたちが「今から何が始まるんだろう」とこの2分間(アニメ放映時間)をわくわくさせてくれるような内容。
プイプイレーシング
いきなりレース開始。問答無用でのストーリ展開は子供向けアニメの特権です。
といいますか、2分アニメに順序立てて話を展開しなさいと申し上げるなんて野暮も極まったといえようもの。見慣れた色のモルやお花飾りをつけたモル(もともと女の子にも人気がありそうなアニメだとは思っていますが、より人気が出そうなキャラクターだと思いました)、前回浮かれ男にひどい目に合わされモルもいますね!
異質なのが最後のジェットを付けたモル。不安な予感しかしません。
皆一様に震えており、おそらく製作者さんの意図を汲むのであればPUI PUI鳴いています。なんとなくPUI PUIに聞こえなくもないですが、「モモモッ モモモッ」と言っているように聞こえます。言いがかりもいいところですね。
スタートダッシュ
不穏モルでしたがいきなり走りません。みんな砂塵を(どこから?)撒き散らして四足で走っていますが、降りてきたドライバーらしき男にひっぱたかれています。軽くモル虐を描写する使命を感じます(児童向けアニメにそういったレッテル貼りのようなものを感じてはいけません)。
路端にいるのは応援モルでしょうか。1話にいたと思しき(公開期間が終わってしまったため確かめようがありません)悪逆無道な男の所有していたステレオサウンドモルのような子がいます。こんなどぎつい紫色だったんですね。人の記憶とはかようにおぼろげなもの。
レース中
プイプイレーシングがいわゆる公道を利用したレーシングイベントと想像するのであれば、違和感を覚える「工事中」を意味する看板群の林立。
障害物としての工事アラートなのか、マジ物のアラートなのか判別が付きづらいですが、上述の通りそれがどちらを意味するかなどという言いがかりは崇高な物語に対する単なる下劣なあら探しであり、アニメを楽しむために必要なことではありません。お読みいただいた方々には決して真似をしないで頂きたく存じます。
工事現場と思しき箇所に激突モルはなかなか痛そう。ストップモーションアニメ独特の「衝撃を受けた直後の硬直」が何ともシュールな笑いを誘います。
クラッシュの衝撃後における身体の震え等はセルアニメではよく表現されますが、他のモルも写り込んでいるようなストップモーションアニメにおいてそれを表現するには相当な技術が必要な用に思えます。
崖に気づき注意深く止まったモルを突き落とすモル……遠慮がない。本能のままに生きてしまっている、これまでの話で展開されてきた話が通じる相手であるかのような幻想が打ち砕かれた野性味を感じます。
またどういう原理なのか、空中に浮遊していかにもパワーアップが見込めそうな奇抜なカラーを施された人参はいかにもマリオカートを意識しましたというような風体。
ゲームの文脈を利用し、子どもにわかりやすい記号として届けている。もしかしたらゲームファンの大人はほくそ笑んだりするのかもしれません。それにしてもクラッシュモルの多さに子どもだろうと大人だろうと笑ってしまいます。
ターニング・ポイント
以降の緩急が凄まじい。全て語ってしまうのはあまりにも野暮なためこれまで同様避けますが、脚本・構成の巧みを感じます。
「レーシングイベントで優勝する如何」がテーマになるのか否か、予想段階では全く考えることができていませんでした。せいぜいジェットモルに不穏な空気を感じた程度。上述したとおりですね。
散らばった人参の中で、それまで一生懸命人参をガードしていたと思われる人間がうつ伏せになり倒れたままであることに誰もヘルプしない部分も哀愁を誘います。おそらく暴走モルの危機管理として、許可なく一般人がレース中の路面に降り立ってはいけないというようなレギュレーションが存在するのでしょう。
またモル同士の「尊い」というような貴重なアクションが観られるのもこの部分。また初めてぼくはここでジェットモルに初心者マークがついていることに気づきました。場面転換という一瞬だけであれだけたくさん散らばっていた人参がもうジェットモルの取り分がなくなるほど食べつくされているという部分もアニメの文法であり深く考えさせられます。
また今後、殺傷能力が想像されそうなオプションについては強く規制が敷かれることでしょう。
後記
本note考察の通りプイプイレーシングの必勝法は運です。
お読みくださりありがとうございました。