連続起業家が考案した、メンタルの筋トレ:ポジティブ・インテリジェンス(PQ)とは?
こんな方は是非読んでみてください!
はじめに
みなさん、こんにちは。エグゼクティブコーチで個人投資家の河畠輝です。
今回は、私が学んだ「ポジティブ・インテリジェンス(PQ)」について、自分の解釈を交えながら深堀りしていきたいと思います。
PQは、連続起業家でありスタンフォード大学の教授でもある、シャザド・チャミン氏が考案したメンタルの筋トレ法。PQを活用したセッションにより「仕事の生産性が上がった」「チームのコミュニケーションが改善した」など、嬉しい報告を多数いただいています。
本記事では、PQとは一体何なのか、どんな効果が期待できるのか、実践するとどう変わるのかを、詳しくお伝えしていきます。
ポジティブ・インテリジェンス(Positive Intelligence)とは?
PQとは、良い思考の使い方の割合を数値化したもの。
あなたのマインドが味方として働いている時間の割合を示します。
例えばPQが75だとすると、75%の時間はポジティブな思考が働き、25%は非生産的な思考が支配的という意味合いです。
チャミン氏の研究によると、PQが75を超えると、ネガティブ思考からポジティブ思考へと質的なシフトが起こり、人生のあらゆる場面で良い結果を生み出しやすくなるのだとか。
実際、200の研究、27万5000人以上の被験者を分析した結果、PQが高いほど給与や出世、結婚生活、健康、友情、創造性などで有意な差が出ることが分かっています。
特に印象的なのは以下のデータです。
PQの高い営業マンの売り上げは、PQの低い営業マンと比べて平均37%高い
PQの高いCEOやマネージャーのプロジェクトチームは、他の条件が同じなら平均31%高い成績を収める
60のチームを比較した結果、PQはチームの達成度合いを予測する最も重要な要因だった
つまりPQを高めることは、個人のパフォーマンスだけでなく、チームや組織の生産性をも大きく左右する鍵となるのです。
PQを決める2つの力
PQを決めているのは、私たちの心の中にある2つの力の均衡。
ひとつは「サボタージュ(妨害者)」と呼ばれる、自分を内側から攻撃する負の力。誰もが10種類のパターンを持っており、ストレスを感じると活性化して、自分の可能性を頭ごなしに否定したり、ネガティブな感情に引きずり込もうとします。
もうひとつは「セイジ(賢者)」と呼ばれる、自分の中に眠る英知。探究心、共感、創造性、冷静な判断力、決断力という5つの力を秘めており、どんな困難な状況でもポジティブに対処する道を示してくれます。
PQを高めるには、サボタージュの影響力を弱め、セイジの力を強化すること。そしてそれを可能にするのが、PQ脳(ポジティブシンキングを司る脳の領域)の筋トレなのです。
PQを高める3つのステップ
チャミン氏は、10秒で終わる簡単なエクササイズを積み重ねることで、誰でも6週間でPQを大幅に高められると言います。
そのための3つのステップが、以下になります。
ステップ1. サボタージュを弱める
まずは自分の中のサボタージュを見つけ出し、その影響力を弱めていきます。
誰もが10種類のサボタージュを持っていますが、個人差があるのはその強さ。あなたのサボタージュを知るには、質問に答えるだけの診断テストがお勧めです。
サボタージュを観察してラベリングすると、その存在に気づきやすくなります。「またジャッジ(批判)が出てきたな」「コントローラー(支配)に突き動かされているな」など、客観視できるようになるのです。
サボタージュは、気づかれずに自分の思い通りに操ることで力を発揮します。ラベリングを習慣化し、すかさず見破ることが大切だと言えるでしょう。
ステップ2. セイジを強化する
次に、サボタージュに対抗する味方、セイジを強化します。
セイジの特徴は、起きたことをすべてポジティブに受け止め、新しい可能性を見出す視点を持つこと。この視点は意識的に鍛えることで、ストレス下でも発揮できるようになります。
そのためのエクササイズが「3つのギフト」。困難な状況に直面した時、それがどんな学びや機会をもたらしてくれるかを、3つ挙げてみるのです。
クライアントのDさんは、大切な顧客を失った時、このように考えたそうです。
危機感を持って新製品の開発スピードを上げられる
営業チームのスキル不足に気づけた
他の顧客へのサービス向上に注力できる
ネガティブな出来事もプラスに変える視点を養うことで、たとえ最悪の事態に見舞われても冷静に対処できる心構えが身についていきます。
ステップ3. PQ脳の筋肉を鍛える
最後は、ポジティブシンキングを習慣化するための筋トレ。
PQを司る脳の領域(PQ脳)は、ストレスがかかると弱り、サボタージュを強める脳の領域(サバイバー脳)が優位に立ちます。PQ脳を鍛えることで、この構図を逆転させるのです。
PQ脳を鍛えるには、今この瞬間の体の感覚に10秒間意識を向けるだけでOK。呼吸に意識を向けたり、指先の感覚を感じるだけでも、れっきとしたトレーニングになります。
1日に100回、こうした10秒間の意識集中を繰り返すのがチャミン氏の提唱するPQトレーニング。継続することで、脳の血流パターンが変化し、ポジティブな脳の回路が強化されていくのだとか。
クライアントのEさんは、会議中やメール作成中など、サボタージュの声が聞こえてきそうな時に意識的に取り組んだところ、わずか3週間でPQが43から81まで上昇。機会があるごとに10秒間の習慣化を心がけることで、誰でも同様の変化を体験できるはずです。
PQトレーニングの3つのメリット
メリット1. ストレス耐性が高まる
PQの高い人の特徴は、ストレスをポジティブなエネルギーに変換できること。
ストレスに晒された時、サボタージュの声に引きずり回されるのではなく、その機会を利用して学びや気づきを得ようとするマインドセットが身について、がむしゃらに頑張るのではなく、難局をチャンスに変えるスキルが磨かれていきます。
メリット2. 本質的な課題解決力が高まる
PQの高い人は、目の前の問題に最善の解決策を見出す力に長けています。
それは表層的な現象に目を奪われるのではなく、物事の本質を見抜く観察眼を持ち合わせているから。セイジの5つの力を駆使して課題の核心を見極め、より良い意思決定を重ねられるようになります。
メリット3. ウェルビーイングが高まる
PQの高い人は、外的要因に左右されにくい、安定した幸福感を持っています。
自分の人生に肯定的な意味を見出し、前向きに生きていこうとする姿勢は、ストレス対処力の向上にとどまらず、心身の健康や人間関係の質を高めることにもつながります。
さいごに
現代社会を生き抜くには、外的環境をコントロールするのではなく、自分の心をマネジメントするスキルが何より重要です。
PQは、科学的根拠に基づくトレーニング方法を軸に、メンタルの土台から強化していくアプローチ。継続することで、人生のあらゆる場面で真の意味での成功を収められるようになると感じます。
原始仏教をベースにしている事もあり、瞑想やマインドフルネスとも相性が良いと感じてます。
ストレスに負けないマインドを身につけ、自分らしく生きる喜びを感じられる毎日を送りたい。マインドフルネスやコーチングを同時に体験してみたい。そんな思いを抱く全ての人に、PQトレーニングをお勧めします。
興味のある方はぜひお声がけください。