自由が丘 ネコ日記 「クリボー、怪我の回復と失われた信頼関係。」 外猫に戻ったクリボー編
クリボーは怪我をした12•4(月)から休むことなく毎日、通ってきています。
いや、うちに戻って来ます。
左前足の怪我、恐らく捻挫ですが、3日ほどで8割程度の回復を見せています。
翌日の5日(火)の夜には(前回のnoteを書いたその日)、うちの給湯器の上にのって、僕の帰りを待っていました。足が痛いにも関わらず、2mほどジャンプ出来るようです。
この給湯器の上は、周りを見渡せ、ビビリのクリボーのお気に入りの場所の一つです。嫌いな他ネコがいたりすると、こうして給湯器の上にのり、逃げ込んでいます。
足の痛みよりも、敵の怖さの方が優っているようですし、逆に足の捻挫は思ったよりも深刻では無いだろうなという想像も出来ます。
クリボーを呼んで、ごはんだと言っても、以前のようにすぐに来ることはありません。腹を見せて、コロコロと転げることもありません。何かにずっと怯えていて、常に周囲や、さらに遠くの物音に聞き耳をたて、警戒心はMaxになっています。
僕とクリボーとの信頼関係も失われ、別人となったクリボーを見るのが辛かった。同じように話しかけても、数日前のように喋ってはくれず、2m以内に近づくことも不可能になっています。
遠くで鳴る、バタンと閉まるドアの音にビクついて、飛び上がって、僕の目の前から消えることもありました。人間に対する不信感に、衝撃音への警戒。もしかすると、クリボーは捕獲をされかけたのかも知れないし、捕獲されそうになって、逃げる時に足を挫いたのかもと思ったのです。
しかし、テラスを歩く時も抜き足差し足です。他ねこを異様に警戒します。あのキジトラか、ハチワレかに襲撃されてあのかとも考えました。
足を負傷する程の出来事が何だったのかわかりませんが、僕はクリボーにストレスをかけまいと必死です。
とにかく僕の動きはスローに、低い姿勢で、大声は出さず(元々大声は出さないですが)、手もクリボーの前では隠します。
後ろに手を回している時、昨日まで、手でチュールが食べれてたのにと悲しくなります。
どこかの誰かが、クリボーを捕まえようとして、こうなったのかと思うと、人間は大丈夫だよと教えることは止めようとも考えるのです。ノラ子として生きるのなら、必要以上に人間を許すことも危険だろうと思って。
しかし、そうは言ってもやはり、どうしても僕はクリボーがくれば無視は出来ません。
母猫のキョロたんが朝、いつもいるようになり、クリボーはうちに来ることが難しいのに、怪我でますます遠のきました。
家庭菜園に座って、遠くから僕を呼びますが、僕の目の前にキョロたんがいて、クリボーは動けません。
ネコの親子というのは、親離れの瞬間から他人となるのかと、まぁ、親子関係を続ける親子もいるのはいますが。ノラ界では自立しないと生命の危機が来ますので、ここは仕方が無いことと僕は理解しています。
怪我から5日目くらいになると、怪我は9割ほど回復し、もう普通に歩いています。急激な動きも対応出来るようです、危険回避も問題は無さそうに見えます。問題はクリボーの心の傷です。
何者かに襲われて、何もかもに警戒心を持っています。どれくらい時間が必要なのだろうかと思っていました。
クリボーはいつもごはんを待つ時は、僕の足元で待ちますが、怪我後はずっと距離を開け、ドアの外で待っていました、今日も距離がいるかと思っていると、ふとドアから入ってきて、足元で丸くなります。
ほんの少し、距離が近づいたようです。僕は無理しない程度にと、チュールを手に持ち、そっとクリボーに差し出し、身体はなるべく、クリボーから話します。目線も合わせません。
すると、ようやくにクリボーはチュールを食べ始めました。その時の、クリボーが食べる時に伝わってくる、歯の振動や呼吸が手に触れると、クリボーが帰ってきたと安心しました。
僕は多くの外ネコは、僕に会うと立ち止まり、凝視してきます。僕はきっと何かが僕にあって、ネコたちはそれを見ているのだろうと考えていました。そのネコたちの1人がクリボーで、クリボーはずっと僕を見ています。警戒しているけれど、その本能と戦うかのように、僕に会いに来ようとしていることがわかります。クリボーや他ネコたちも含め、気持ちが通じるようになる日は近いかもなと思っています。
ノラ子たちを平和に安心して暮らせるようにするには、TNRだけではなく、行動とか、生きるための秩序をノラ子たちへ教えなければならないだろうと考えます。アニマルコミュニケーターなら、それが出来るはずと思うのです。誰もがその能力は持っているそうですから、この力が開花出来れば、クリボーたち、ノラ子も幸せに、たとえ寿命が短いとしても安心して暮らせる日がくるよなぁと想いを膨らませています。
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