本を読むこと。 ~ GAFAから学ぶこれからの仕事 ~
本日ご紹介する本は「THE FORUR GAFA 四騎士が創り変えた世界」です。
ご存知の通りGAFAは現在の世界を支配している4つの大企業、
Google
AMAZON
Facebook
Apple
の頭文字を並べたものです。
この4つに関しては私は触れない日はほぼありません。
それぐらい今の私の生活には欠かせないものになってしまいました。
本書はこの4つの企業がどのようにしてここまで巨大化し、私達の生活に入り込むことに成功したのか、この4つの企業がこれからどのような未来を描いているのか、この4つの企業から何を学び、生かしていくのかを皮肉たっぷりに語っています。
これら4つの企業の公開株式の価値は合計で2兆3000億ドル(2018年)であり、これは先進国フランスのGDPに匹敵しているそうです。
しかしながら、旧来以前のイノベーターや大企業は多くの雇用を生み出し、何百万人もの中流家庭を支えてきたが、これら4つの企業は実は4企業に関わる従業員数は少なく、インテルの時価総額1560億ドル、従業員10万7000人に対し、Facebookは4480億ドル、従業員数は1万7000人に過ぎません。
ビジネスが成功する要因として、テクノロジーによるクラウド化、バーチャル化、ネットワーク効果により低コストで生産性を上げ、大規模化することが必要ですが、進化心理学の見地からすると、成功するビジネスはどれも、
脳、心、性器の体の3部位に訴えかけるものが多く、そしてGAFAそれをうまく利用しています。
成功の鍵を握る身体刺激
脳
脳はコストと利益を重視し、合理的にものごとを計算します。
脳を巡る戦いにおいて勝者は大きな株主価値をもたらします。
脳が合理的な選択をしたら、それが決定版となり、一途にそれを愛し、浮気はしないようになります。
低コストの世界で長期的に成功するためにはある程度の規模が求められ、アマゾンとウォルマートはここで優位に立ったとされています。
心
心は巨大な市場です。
行動心理からすれば、私達は感情により行動が起こります。
その中でももっとも心を動かす大きな力は「愛」の力です。
20世紀の企業はこの感情に訴えるように広告を打ちブランド、スローガンを作り上げてきましたが、デジタル時代は検索エンジンとユーザーレビューによって購入の意思決定からかなり感情が排除されました。
私達が何か商品を探すとき、55%の人はAmazonで調べ、28%の人はGoogleを利用しているとされています。
GoogleとAmazonはブランド時代の終焉を予告しています。
性器
この器官は子孫をつくるという切実な本能と欲望を刺激します。
ラグジュアリーブランドは知識も愛も無視して、求愛儀式とセックスという快楽にビジネスを直接結びつけます。
Appleはテクノロージー分野からラグジュアリーブランドに変貌を遂げて、生殖本能にアピールすることで、他社と比べて法外な利益を得て、史上最高に利益率の高い企業となりました。
同機能のアンドロイドを1/7の価格で持つ合理性を無視してiphoneを持つことは、自分がエレガントでライバルより優れていることをアピールしているのです。
四騎士が共有する「覇権の8遺伝子」
①商品の差別化
新しいテクノロジーとプラットフォームの出現によって、幅広い製品を短時間で細かく評価できるようになりました。
また、商品にデジタルな脳を入れることによってすばやくアップグレードすることが可能となり、多くの「面倒」を減らすように設計されている商品が価値を生み出しています。
②ビジョンへの投資
高い競争力の第2の要素は安い資本を集める力です。
それには理解しやすい大胆なビジョンやストーリーが必要になります。
Googleのビジョンは「地球上の情報を整理する」であり、facebookは「世界をつなぐ」というシンプルなものです。
シンプルで説得力のあるビジョンは投資家の購買意欲を掻き立てます。
③世界展開
本当の意味で大きな意義のある会社になるには、国境を超えて世界中の人にアピールする製品が必要となります。
4騎士は創業から5年以内に世界中に売り込んでいました。
④高感度
企業の成長には政府、独自の監視集団、メディアが大きな影響を与えています。
大きな成功するためには企業がよき存在、よき市民であり、国や国民、従業員、製品を調達するサプライチェーンに関わる人々に配慮しているとみなされる必要があります。
企業の高感度が低いほど、筋の通らない理由で反トラスト、反プライバシー保護の取り締まり対象に選ばれやすくなり、訴訟のリスクが高まります。
⑤垂直統合
4騎士は製品を自社生産していなくても、その調達、営業、販売、サポートすべての流通、ものを買う時の消費者体験すべてを垂直統合でコントロールすることができています。
⑥AI
AIの活用によって人間がインプットしたデータを学習し、それをアルゴリズム的に記録するテクノロジーを持たなければいけません。
そのテクノロジーは数学的最適化によってほんの一瞬で顧客の個人的なニーズを予測することが可能になります。
更にはユーザーがそのプラットフォームを使うたびに結果は向上し、他のユーザーや将来の顧客のためにも活用するデータが集まります。
⑦キャリアの箔付けになること
四騎士はトップクラスの人材を集める力を持っています。
そのためには求職者にとってキャリアの箔付けになる仕事であるとみなされる必要があるのです。
才能のある25歳の社会人が30歳までに役割、報酬、名声、チャンスの面で四騎士以上に先へ進める場所は非常に少ないといえます。
⑧地の利
過去10年の間に時価総額が何百億ドルも増加した企業は、ほぼ例外なく世界的な技術系あるいは工学系の大学に、自転車で通える距離にあります。
トップレベルのエンジニアを育てる大学との太いパイプラインを築く力が必要となるのです。
本書にはこれらのGAFAが持つ特徴と成功の秘訣をもとにNEXT GAFAになる可能性のある企業の紹介や、これからの時代に個人が成功するための指針についても書かれています。
まとめと感想
行き過ぎた資本主義の下でそれに反発するかのようにミニマリズム的な生き方や小さな経済圏を見直す動きもあります。
自分たちが向かう先はどっちか、大きいところ、小さいところ、その中間的なところ、それは個人の価値観や経験によって様々だと思いますが、最終的なゴールが「幸福」へ帰結するのは変わりません。
この「大きな」企業の仕組みや構造を理解することは、どこに向かうにしても損ではないと思います。
以上に示した8つの遺伝子や消費者のどの部位へ働きかけるのか、それを理解することができれば、自分たちのサービスや商品を見直すきっかけとなるかもしれませんし、個人の投資先の選定にも優位に働きます。
最高の時代を享受するために、知っておくべき内容が本書には詰まっています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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