ふつうのひと@理学療法士_JSPO‐AT

理学療法士として整形外科病院に勤める傍ら、スポーツトレーナーとしてアスリートの健康管理に携わっています 述べ3000名以上の患者さんや選手の身体と人生に触れ、蓄積してきた経験と知識、これまで読んできた500冊以上の本から得た知見を基に、「普通=普遍的に通づる」生き方を日々思考中

ふつうのひと@理学療法士_JSPO‐AT

理学療法士として整形外科病院に勤める傍ら、スポーツトレーナーとしてアスリートの健康管理に携わっています 述べ3000名以上の患者さんや選手の身体と人生に触れ、蓄積してきた経験と知識、これまで読んできた500冊以上の本から得た知見を基に、「普通=普遍的に通づる」生き方を日々思考中

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40歳、そろそろ悟ろうか。

はじめまして、「ふつうびと@PT」として本日よりnoteデビューしました。 いきなりですが、昨年、40歳になりました。 いつものように1段飛ばしで職場の階段を昇っていたとき、早まる胸の動悸を感じながら、ふと感じた微かな不安。 「私はいつまでこうやってこの階段を昇ることができるのだろうか?」 「10年後、20年後も同じようにこの階段を昇り続けているのだろうか?」 「昇り続けられる人生が幸せか?、昇るか、降りるか決められる人生が幸せか?」 23歳、理学療法士を自分の職

    • 感覚を支配する ~ 最新脳科学でわかった五感の驚異 ~

      私の仕事にとって「感覚」はなくてはならないものである。 患者さんや選手のありとあらゆる感覚を支配して、痛みをコントロールしたり、身体の動きを変化させたりする。 私がここまで感覚に拘るようになったのは10年ほど前に参加したある講習会がきっかけであった。 それまで私が相手をしていたのはたしかに相手の関節だったり、筋肉だったり、骨だったり、皮膚だったりで自分の与えている刺激が感覚としてどのように相手に伝わり、そして身体や脳に影響を与えているのかをほとんど考慮せずに治療を行ってい

      • たまには奇跡の物語を ~ 東野圭吾 クスノキの番人 ~

        東野圭吾といえばミステリー。 だけど私はナミヤ雑貨店の奇蹟が好きだったりする。 そして「たまには奇蹟の物語が書きたくなる」という本人のポップに見事にひっかかりクスノキの番人の文庫を手にした。 代々クスノキの番人としての宿命を背負う柳澤家とふいにその役目を負うことになった玲斗。 不思議な運命に翻弄されながらも、次第に自分の運命を受け入れ、成長していく主人公の物語は暖かさにつつまれながらじわっと感動を与えてくれる。 そして真骨頂ともいえる見事な伏線回収もミステリーさながら

        • 旅の記憶 ~ GRⅢxと巡る愛知、豊田美術館 ~

          職場の観楓会で愛知県に行く機会があった。 最近の旅のテーマは「美術館」下記のサイトに紹介されている美術館を死ぬまでに制覇したいと思っており、現在のところ7つほど行くことができた。 今回はいつもの相棒GRⅢxを片手に8つ目となる豊田美術館に行ってきた。 豊田美術館に行く前に、泊まっていたホテルの近くにアイドルグループ「キスマイ」の千賀君が個展をやっているギャラリーがあったので行ってきた。 それにしても名古屋は暑い。 出発した札幌の朝の気温は12℃ぐらいだったが、愛知県は

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          Googleの弊害!? 考えることをやめない。

          最近、職場でミスの報告や「これどうしたらいいですか?」という質問を受けるたびに思うことがある。 「ちゃんと自分の頭で考えている?」 職場にある仕事はすべて、その仕事がある理由がある。 なぜそれをしなければならないのか? そして、その理由やそのルールができた背景には普遍的な基本形が存在する。 そして職場で次々と起こる問題はだいたいこの基本形から派生した応用問題であることが多い。 つまり基本の形、根本理由をちゃんと理解していれば解ける問題がほとんどなのである。 数学の

          Googleの弊害!? 考えることをやめない。

          旅先を知ること ~ ワイルドサイドをほっつき歩け ~

          実は11月にイギリス、ロンドンに行こうと思っている。 娘も14歳となり、しばらくは家族で大規模な旅行は計画できないだろうと思い、一念発起、チケットを手配した。 なぜロンドンかというと、特にあまり意味はなく、パリやイタリヤ、スペインのほうが魅力的だったけど、たまたま娘と嫁が始めた英会話の講師がイギリス人だったこと。 英語を使うための修学旅行みたいなものである。 旅をする上でその土地の文化や歴史、そこに住む人々の社会を知っておくと、旅の奥行き、深みがぐっと増すように思う。

          旅先を知ること ~ ワイルドサイドをほっつき歩け ~

          書を捨てること ~ ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた ~

          誰かが言った。 「書を捨てよ、街へ出よ」 この言葉は私の座右の銘として心に刻まれている。 普段病院で働く私。 私の治療は多くの先人の研究や遺した書物の上に成り立っている。 今でも多くの仲間が日夜研究に勤しみ、日進月歩で医療の世界は変わっていく。 こうしたメディカルの研究者たちの目線からしたら私たちの働いている病院が「街」である。 研究者が病院の現場をしらなければ、その研究がどのように役に立ち、使われているのか、それらを知らなければ研究はおかしな方向に進んでしまうだ

          書を捨てること ~ ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた ~

          Z世代とはただの言葉だった ~ #Z世代的価値観に学ぶ ~

          秋に久しぶりの大きな旅行の計画を立てており、その下調べに図書館に通うことが多くなった。 図書館にいくとお目当ての本の他、数冊気になる本も借りてきてしまう。 一度その習慣がつくと、読書熱が一気に上がり、2週間の返却ごとに借りてくるもんだから、しばらくは読書三昧の日々が続く。 そんな中、竹田ダニエル氏の著書「#Z世代的価値観」というタイトルの本を見つける。 巷に聞く、Z世代。 私の拙い知識ではZ世代とは生まれたときからインターネットやスマートフォンが当たり前にある世代、そん

          Z世代とはただの言葉だった ~ #Z世代的価値観に学ぶ ~

          家族会議 ~ 結局挨拶できるやつしか勝たん ~

          娘も14歳、何かと多感な時期であり、進路や友達、学校や家族、悩み事の多い日々。 そんな中、ぐちゃぐちゃの机と部屋の床、小さな約束の反故の数々、ついに堪忍袋の緒が切れて娘に言った。 「人間としてだらしなさすぎる」 この一言をきっかけに自分な何を娘に教えたいのだろう。 結局親の役割ってなんだろうってことを考えた。 勉強をさせて、いい大学にいけるようバックアップすること? できるかぎり子供に課金して、能力のレベルアップを図ること? いきついた答えはシンプルに「生きる術を教

          家族会議 ~ 結局挨拶できるやつしか勝たん ~

          旅の記憶 ~ GRⅢxと巡るDeep小樽 ~

          娘が部活に入ってからというものなかなか遠出ができず、日帰りドライブが唯一の家族でのイベントとなったが、妻の提案で「脳動芸術祭」なるDeepな催しが小樽であるとのことだったので、午後から久しぶりにGRⅢxを片手に家族で出発した。 小樽に行く途中は「THUMBS UP」というスタンドコーヒーショップでソフトクリームを買うのが我が家の定番であったが、お店の外観は変わってないものの「SPURCOFFEE」と店名が変わっていた。 お店の中身や売っているものはほとんど変わってないが、

          旅の記憶 ~ GRⅢxと巡るDeep小樽 ~

          わたしを作るもの ~ コネクトーム ~

          「わたし」をつくっているものは細胞であり、脳の配線であるといったらそれは味気ないだろうか? 私がどのように振る舞い、行動するか、それは司令塔である「脳」が私のこれまでの経験、記憶、印象などから作られた神経のネットワークによって決まる。 このような何十億ものニューロンによって形付けられる「脳の配線」はコネクトームの名付けられた。 私たちが「ヒト」であり、異なった「ヒト」であることはゲノムによって設計されているが、そこから「わたし」は様々な経験を得て考え、行動することにより

          わたしを作るもの ~ コネクトーム ~

          ヒーリングの奥深き世界 ~ 野の医者は笑う ~

          「心」とは何か。 人類が月へ到達し、多くの感染症が克服され、いまや老化も防ぎ、寿命もどんどん伸びている現代においても「心」についてわかっていることは少ない。 わからないからこそ、いろいろなものが入り込む余地があるし正解も不正解もない、「心」はわからないけど、「心」が治らないと「身体」も治らないのは私のこれまでの臨床経験からも明らかである。 「心」というブラックボックスに逃げ込むのではなく、なんとかそれを言語化し、理解しようと努めなければならないのが我々治療者の責務であろう

          ヒーリングの奥深き世界 ~ 野の医者は笑う ~

          量子科学がもたらす世界 ~ 死は存在しない 最先端量子化学が示す新たな仮説を読んで ~

          「死は存在しない」 なかなかインパクトのあるタイトルであるが、著者である田坂広志氏は立派な科学者である。 「死」という生物にとって必然な帰結。 その存在は哲学にとっても科学にとっても未だ深淵なテーマの1つであり、どんなに科学が発展しようとも仮説の域は絶対に出ないものでもある。 科学者にとって「死」は無であり、生物としての終焉を迎えるだけのことである。 魂の存在証明もない。 しかしながら、世の中には科学では証明しきれない不思議なこともたくさんある。 まるで「生まれ変

          量子科学がもたらす世界 ~ 死は存在しない 最先端量子化学が示す新たな仮説を読んで ~

          匂いのない世界。

          今更ながらコロナに感染して、1週間仕事を休むことになった。 先生の話では最近また流行っているらしい。 私としてははじめての「コロナウイルス感染」である。 この感染期間中、私の身体の中ではいろいろなことが起こっていた。 そのすべてを考察するには私の持っている知識だけでは足りないけど、中には面白い体験もあった。 そのいくつかを忘れないうちに書いておこうと思う。 まず私を苦しめたのは熱であったが、39℃以上の熱と関節痛、頭痛により私はまったく動けなくなった。 熱と痛みは「身

          お互い様が成り立たない世を生きる。

          先日のこと、ニュースで「お子持ち様」という言葉を目にする。 子どもを持つ職場のスタッフが子どもの急病やイベントで休むことに対し、残されたスタッフの仕事が増えたりすることや、子持ちのみが優遇される制度などその不公平感からSNSで誕生した言葉らしい。 ウチも急なスタッフの休みに対してはスタッフの急な休みのお詫びと予約変更の電話をかけることが必要となり、また入院患者の対応を他のスタッフが行うため、その負担は大きい。 たしかにお互いさまなのではあるが、こうした「予定外の急な休み

          お互い様が成り立たない世を生きる。

          旅の記憶 ~ GRⅢで撮る現代アートの聖地青森 ② ~

          前回の続き。 2日目。 昨日飲み屋に向かって歩いている途中に見つけた老舗の喫茶店。残念ながら夜はしまっていたが朝7時からやっているとのことで、朝食は青森名物のっけ丼をやめて、こちらの喫茶店に行くことにした。 そのときのフィーリングで予定を変えることができるのも身軽な旅の魅力である。 店内には数組の常連さんらしき人たちがいたが、中庭に面した席に座りモーニングセットを注文する。 店内のアンティーク調の調度品に静かに流れる音楽と暖炉の火のゆらぎ。 居心地が良すぎる。 ちょう

          旅の記憶 ~ GRⅢで撮る現代アートの聖地青森 ② ~