【グッチョ最新号】生きづらさを赤裸々に綴るWEBライターを紹介。彼女の葛藤に向き合う
ようやくグッチョの最新号を出せました。年度始まりの余波がまだまだ続いていて、なかなか記事発行のペースが上がらず。というか、ここでグッチョのことを書くのは久しぶりかな。
今回は生きづらさを抱えたWEBライターの物語です。TANOSHIKA CREATIVEという事業所でWEBライターをしているpiasuさん。彼女には精神障害があり、ある時「文章以外の能力が壊滅的」と診断されました。その後ライターとしての道を選び、今に至ります。
グッチョの取材に当たって、顔出しするかの葛藤に苛まれました。表紙写真はそういうことです。
僕がpiasuさんにフォーカスしたいと思ったのは、とても直感的なものでした。久留米界隈で何か題材がないか、ネットをさまよっていて、偶然たどり着いたメディアが、同社が運営するWEBサイト「AKARI」でした。そこでpiasuさんの記事をいくつか読んでいるうちに「とにかく取材したい」と。この感覚は久しぶり。そんなわけで、取材から記事を仕立てるまで、どの部分をどのように書いていくべきか、すごく悩みました。
最終的にたどり着いたのは、葛藤や生きづらさ、精神状態を「赤裸々に」書き連ねる彼女の記事を、当事者や同じような生きづらさを抱える人「じゃない人」に見てもらいたい、ということでした。
彼女の記事のことを「なんだか心に刺さってくる」と表現した人がいました。私も同感で、それが直感的に取材に踏み切った要因だったと思います。そして、だからこそ「じゃない人」にも届くのではないかと感じたんだと思います。
触れなければわからないことがある。でも、触れなくても「知れば」少しは変わる意識があるかもしれない。そんな気持ちで記事を書きました。
piasuさんは、noteでも執筆しています。紙媒体の形式でまとめている【グッチョ市ホームページ版】では、記事の一部抜粋しかできなかったけど、冒頭にリンクを貼っている【グッチョnote版】では、彼女の記事をたくさんリンクしています。今号のグッチョは、ぜひ彼女の記事を見ながら、味わってほしいと思います。
「障害というものは悪いものではないから、顔を隠したくない」と強く思う彼女は最終的に「顔出ししない」という決断をしました。それはとても現実を反映した選択だと思います。なぜなら、風当たりが強い瞬間がまだまだあるから。つらいことだけど。
そういう状況にあっても、piasuさんは取材を受けてくれた。そして、こうして2人で後ろ姿で「ピースサイン」という昭和なポーズで写真におさまってくれた彼女に感謝しかありません。
それに、記事の最後にも書いたけど、顔出ししないことを後ろめたく感じる必要はないと伝えたい。なぜなら、記事の中には「ありのまま」の彼女がいて、存在をありありと感じさせてくれるから。顔は見えなくてもそれ以上のリアリティがあるから。
最後に、彼女が働くTANOSHIKAの代表の嘉村さん、支援員の脇田さんはじめ、事業所の皆さん、今回は本当に多大なご協力をいただき、ありがとうございました
ちなみに紙面レイアウト版はこちらから。